2020年5月の全国企業倒産314件
倒産件数が314件 半世紀ぶりの300件台に減少、「新型コロナ」関連倒産は61件発生
2020年5月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が314件(前年同月比54.8%減)、負債総額が813億3,600万円(同24.3%減)だった。
件数は、1964年6月の295件に次ぐ、56年ぶりの記録的な低水準となった。月間300件台は、1966年1月(378件)以来、54年ぶり。4月まで2019年9月から8カ月連続で前年同月を上回り、2019年12月以降は5カ月連続で10%超の増加率だった。だが、政府の資金繰り支援に加え、リスケ対応も動き出した。また、新型コロナ感染拡大で裁判所の一部業務の縮小や、手形の不渡り猶予などの支援策に加え、経済活動を休止していた企業・店舗の再開や廃業、倒産の判断先送りも記録的な減少を後押ししたとみられる。
「新型コロナウイルス」関連倒産は、5月は61件(2月1件、3月12件、4月71件)発生。
- 上場企業の倒産が16カ月ぶりに発生
- 「人手不足」関連倒産28件(前年同月31件)。うち、「後継者難」が25件(同13件)
- 形態別件数:破産が254件、構成比は80.8%
- 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが8県、減少35都道府県、同数4県
- 負債別件数:負債1億円未満の構成比が64.9%。100億円以上の倒産は2カ月連続で発生
- 業種別件数:宿泊業、アパレル関連の業種で倒産が目立つ
- 従業員数別件数:10人未満の構成比82.4%。300人以上は3カ月連続で発生
- 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は313件で、構成比99.6%
産業別 最多はサービス業他、10産業のうち9産業で前年同月を下回る
2020年5月の産業別件数は、10産業のうち、9産業で前年同月を下回った。
新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド需要の消失、外出自粛などの影響を大きく受けた宿泊業や飲食業が含まれるサービス業他が83件(前年同月比62.9%減)と最多で、5カ月ぶりに前年同月を下回った。さらに、2019年10月の消費増税や暖冬などの影響もあり販売不振が続くアパレル関連などが注目されている小売業は48件(同51.0%減)で、2カ月ぶりに減少した。
そのほか、建設業49件(同55.4%減)が2カ月連続、卸売業51件(同50.9%減)が7カ月ぶり、製造業52件(同34.1%減)が6カ月ぶり、金融・保険業1件(同50.0%減)が4カ月ぶり、不動産業5件(同72.2%減)、情報通信業6件(同81.2%減)が3カ月ぶり、運輸業12件(同50.0%減)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。一方、農・林・漁・鉱業は7件(同75.0%増)で、前年同月を上回った。
地区別 全9地区で前年同月を下回る
2020年5月の地区別件数は、2015年4月以来、5年1カ月ぶりに、全9地区で前年同月を下回った。関東98件(同58.4%減)が2カ月連続で減少し、ここ30年間で初めて100件を下回った。近畿71件(同60.7%減)が11カ月ぶりに減少し、1990年9月(89件)以来の100件割れ。北海道10件(前年同月比56.5%減)と九州37件(同37.2%減)が2カ月ぶり、東北15件(同65.1%減)と中部39件(同51.2%減)が3カ月ぶり、北陸9件(同64.0%減)が6カ月ぶり、中国24件(同31.4%減)と四国11件(同15.3%減)が9カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
※地区の範囲は以下に定義している。
- 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
- 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
- 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
- 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
- (株)レナウン/東京都/アパレル製品販売/138億7,900万円/民事再生法
- 大東海運産業(株)/鹿児島県/海運業、船主業/64億円/特別清算
- 旭東ホールディングス(株)/大阪府/持株会社、不動産賃貸/64億円/民事再生法
- (有)有楽商事/群馬県/パチンコホール経営/55億4,400万円/破産
- ホテル一萬里(株)/長野県/ホテル経営/35億2,000万円/破産
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