(株)オプティファクター(TSR企業コード:294367098、品川区西五反田1-1-8、登記上:渋谷区東1-10-9、設立平成12年9月、資本金2000万円、児泉一社長)は11月6日、東京地裁に破産を申請した。破産管財人には澤野正明弁護士(シティユーワ法律事務所、千代田区丸の内2-2-2)が選任された。負債総額は69億6900万円。
なお、問い合わせ窓口としてコールセンター(電話0120-363-355、受付時間は平日午前9時から午後5時)が開設されている。
医療機関の診療報酬(レセプト)債権のファクタリングを行うほか、中堅証券会社と協業で診療報酬債権を証券化した「レセプト債」を取り扱い、一般個人投資家向けに販売していた。レセプト債は医療機関が受け取る診療報酬債権を証券化し、元利金の支払い原資とする商品で、安全性の高さが特徴とされていた。
しかし平成25年3月、児泉収前社長の死去後、決算書に実態のない架空の債権や売上が多額に計上されている疑いが浮上した。また、関係会社の3ファンド(メディカル・リレーションズ・リミテッド、メディカル・トレンド・リミテッド、オプティ・メディックス・リミテッド)が有するべき現預金や医療報酬債権等のうち、実在性のあることが確認できた資産の合計額が僅少であることが判明した。
現代表は、ファンドの財務状態を改善するため、診療報酬債権等の取得に向けた積極的な営業、社債の利率や手数料の減額等による経費圧縮等に努めたものの、負債規模が過大であったため(27年10月時点の3ファンドの発行済債権残高は約227億円)、財務状態を改善することができない状況が続いていた。
こうしたなか10月29日、証券取引等監視委員会の調査を受ける事態となり、これ以上社債の新規発行を行うことが困難となった。このため、償還期限を迎える社債の償還・利払いを継続的に履行できず、また、3ファンドの譲受債権の対象医療機関に対する安定的な資金供給ができなくなるため、グループの事業継続を断念した。
ソマテック(株)(TSR企業コード: 142214493、黒川郡大和町テクノヒルズ2、設立平成20年6月、資本金5000万円、代表清算人:古田善彦氏、従業員33名)は11月13日、仙台地裁より特別清算開始決定を受けた。申請代理人は池田雅彦弁護士(銀座法律特許事務所、東京都中央区銀座7-5-4、電話03-3572-7491)。負債総額は親会社ソマール(株)(TSR企業コード:291028349、東京都中央区、東証2部)に対して約60億円。
ソマールの基幹事業でもある高機能材料製品の製造・販売を目的に設立。平成24年4月には新規開発製品に関わるコーティング製品を生産するための大和工場が竣工し、企業誘致を進めてきた地元の行政機関を中心に話題を集めた。携帯端末機器などの市場を対象として販売促進を図ったが、生産した製品の使用承認が得られるまでに相当な時間を要し、計画通りの販売ができなかった。親会社から技術・営業面に加え、資金的な支援を受けてしのいできたが、製品品質への要求が高度化・多様化に加え、同業他社との競争が厳しさを増した。26年3月期は約9200万円の売上高に対して約16億4800万円の赤字となり、29億2500万円の債務超過に陥っていた。27年3月期では、減価償却費の負担や生産コストの高止まりなどが影響して、単月ベースで1億円を超える赤字を計上するまでに悪化していた。先行きの見通し難から親会社による支援継続が困難になり、株主総会の決議により解散し、27年7月31日に大和工場を売却する等の清算手続きが進んだことから今回の措置に踏み切った。
太平物産(株)(TSR企業コード: 291078443、秋田市卸町3-3-1、設立昭和21年9月、資本金3億1200万円、佐々木勝美社長、従業員144名)は11月27日、秋田地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には江野栄弁護士(弁護士法人北斗法律事務所、秋田市山王中園町5-8、電話018-874-9285)が選任された。負債総額は32億7600万円。
当社と100%出資子会社3社でグループを形成し、ピーク時には売上高112億6099万円を計上したが、その後の業績は伸び悩み、平成22年3月期の売上高は69億3792万円まで落ち込み、1億217万円の赤字になった。以降は、価格改定と営業部門の強化などで立て直しを図っていたが、平成27年11月5日に全国農業(協組連)(TSR企業コード:290095875、千代田区)の調査で、当社肥料の386銘柄で成分表示偽装が発覚した。これを受けて農林水産省から袋の記載を改めるまでの出荷停止と、12月20日までの原因究明、再発防止策の指導を受けた。これにより、全製品の回収および製造中止に追い込まれ、業態維持に著しい支障をきたした。
(株)KTA(TSR企業コード:450218236、浜松市北区細江町三和131、登記上:千代田区大手町1-8-1、設立昭和29年7月、資本金8800万円)は10月21日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。申請代理人は綾克己弁護士(ときわ法律事務所、千代田区大手町1-8-1、電話03-3271-5140)ほか。負債総額は債権者11名に対して約21億7700万円。
保冷庫、燃料タンク、野外炊飯器、家庭用厨房家具などを多岐にわたり製造し、ピークとなる昭和60年7月期には売上高約61億5800万円をあげていた。しかし、その後は徐々に売上が低下し、平成23年3月期(決算期変更)には売上高が約27億5800万円に落ち込み、過去の固定投資や運転資金などにより借入金への依存度は高まっていた。この間、赤字を散発し、22年頃からは金融機関から借入金の返済猶予を受ける一方、資産売却による借入金圧縮やリストラを実施するなどして経営の立て直しを図っていたが、収益改善が進まず、26年12月31日に事業を譲渡した。
以降は清算処理を進め、27年4月29日に現商号に変更、本社登記を東京都千代田区に移転するとともに、株主総会の決議により解散した。
(株)万惣ホテル(TSR企業コード:060031930、函館市湯川町1-15-3、設立昭和31年4月、資本金5000万円、中野弘康社長)は11月6日、函館地裁へ破産を申請した。破産管財人には和根﨑直樹弁護士(和根﨑法律事務所、同市本町3-12、電話0138-55-6668)が選任された。負債総額は約18億3000万円。
函館市の湯の川で「ホテル万惣」を経営。昭和28年創業の老舗温泉ホテルとして知名度が高く、ピーク時の平成10年12月期には約13億5900万円の売上高をあげていた。
その後は、地区内の同業他社との競争激化やリーマン・ショック後の観光客の減少等により、26年12月期の売上高は7億4306万円にまで後退した。減収とともに数年前から債務超過に陥り借入金に依存していた。さらに、ホテルの老朽化に伴う耐震性の問題も抱えていた。
このため27年9月、ホテル施設を函館湯の川ホテル(株)(TSR企業コード:015984664、東京都港区芝2-14-5、設立平成27年9月、資本金5000万円、橘正社長)に売却し、当社は今回の措置となった。
なお、「ホテル万惣」は新会社で全従業員が再雇用され、営業を継続している。
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