カブトデコム(株)(TSR企業コード:010016090、札幌市西区平和2条6-1-1-305、設立昭和46年4月、資本金1億円、代表清算人:安田好弘弁護士)は4月30日、札幌地裁から特別清算開始決定を受けた。清算人には安田好弘弁護士(港合同法律事務所、東京都港区赤坂2-14-13、電話03-3585-2331)が選任された。負債総額は5061億円(平成24年9月中間会計期間末時点)。
旧・北海道拓殖銀行(以下、拓銀)のベンチャー企業に投資するインキュベーター路線の枠組みにより、同行支援のもとで急成長、平成1年3月に店頭市場に株式を公開。リゾート事業にも進出しピークの同3年3月期には年商1009億円を計上していた。一方、急成長で借入金が膨張したが、バブル崩壊で不動産市況が急速に縮小。拓銀の支援も打ち切られ同6年3月期には年商258億円にまでダウン、1434億円の赤字を計上し債務超過に転落した。以降も毎期赤字を計上し債務超過は拡大するなか同9年11月、拓銀が経営破綻。
平成14年に拓銀から債権を引き継いだ整理回収機構との間で、約4000億円の負債のうち51億9724万円を、同22年9月を最終期日とする分割返済を行うと合意。返済原資は米国子会社が所有する資産の運用益としていたが、リーマン・ショックで子会社の経営も厳しくなり返済が滞っていた。このため、今後の改善の見通しが立たなくなり同24年12月に会社解散を決定。同25年2月28日に会社解散が決議されており、特別清算に向けて手続きを進めていた。
AIJ事件で年金営業を担当していたアイティーエム証券(株)(TSR企業コード:294996494、中央区日本橋本石町4-4-9、設立平成10年6月、資本金15億9050万円、小菅康一社長)は6月12日、債権者より東京地裁に破産を申し立てられ6月28日、破産開始決定を受けた。破産管財人には坂井秀行弁護士(坂井・三村・相澤法律事務所、港区虎ノ門4-3-13、電話03-6721-3111)が選任された。負債総額は1416億円。2013年では、カブトデコム(株)(TSR企業コード:010016090、札幌市西区、4月特別清算開始決定、負債総額約5061億円)に次いで2番目の大型倒産となった。
アイティーエム証券は、元・山一證券出身の西村前社長が元同僚らと旗揚げした独立系の証券会社。平成10年8月に、証券ディーリング免許と同ブローカー免許を取得し、その後、金融システム改革の流れの中で、証券会社が免許制から登録制に変更されたことを受け、同10年12月に大蔵省関東財務局に証券会社として登録。銀行の貸し渋りに悩む上場会社などを対象に、海外の会社を活用した私募の形で、転換社債の発行による資金調達の提案を行い、ピーク時の同21年3月期は20億800万円の営業収益を計上していた。
機関投資家向けにファンド組成事業なども手がけ、AIJ投資顧問(株)(現:(株)MARU、TSR企業コード:292919441、中央区)の年金投資契約を請け負っていた。平成24年2月、AIJが約1850億円にのぼる企業年金資産の大半を消失させていた一連の問題発覚により関東財務局から同24年3月23日から9月22日まで業務停止命令を受けてからは、事実上の営業を停止していた。同24年3月期の営業収益は4億200万円に落ち込み、2億6600万円の最終赤字を計上。同24年8月10日には金融庁から登録取り消しの行政処分を受けていた。
こうしたなか、大手信託銀行6社が被害者である年金基金への返済原資を確保するため東京地裁に破産を申請していた。
一般財団法人広島県農林振興センター(TSR企業コード:740478850、広島市中区大手町4-2-16、設立昭和40年4月、小原辰男理事長)は6月3日、広島地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債総額は468億2800万円。
広島県の全額出資により設立された県造林公社が前身。山林地権者と契約を結んだ山林にヒノキやスギを植えて育成、その木材を販売して収益を配分する「分収造林事業」で、広島県と日本政策金融公庫から資金を借り入れて、事業を続けていた。しかし、国産材の価格下落で収支が悪化し、同事業による赤字が累積したことから借入金が膨らみ、事業を継続しても債務返済のめどが立たないと判断。平成24年12月5日の広島県議会で、25年度中に民事再生法の適用を申請することが明らかになっていた。
(株)ウエストワンズ(TSR企業コード:660519593、加東市上三草1136-67、登記上:大阪府池田市上池田1-8-16、設立平成5年4月、資本金1000万円、荒木進社長、従業員27名)は6月28日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には苗村博子弁護士(弁護士法人苗村法律事務所、大阪市北区西天満2-6-8、電話06-4709-1170)が選任された。負債総額は約264億円(平成24年3月期決算時点)。
ゴルフ場「ウエストワンズカンツリー倶楽部」の経営母体。全18ホール・7077ヤード、ゴルフコースアーティストの名匠ピート・ダイが設計したアメリカンスタイルを取り入れたコースで、プロのツアーも行われていた。ピーク時の平成13年3月期には売上高約7億2900万円を計上していた。
しかし、接待に利用する法人顧客の落ち込みと、入場者数の低迷等で減収傾向が続き、平成24年3月期の売上高は4億4829万円に縮小。赤字計上を繰り返し、同24年3月期決算時点で24億6500万円の債務超過に陥っていた。同19年以降、コース等の不動産に地元自治体からの差押登記がされたほか、会員からの預託金が220億円にも膨らみ、返還請求に対応できない状態だった。このため出資企業等からの借入金により資金を繰り回していたが、支え切れなかった。
(株)インデックス(TSR企業コード:294286861、世田谷区太子堂4-1-1、設立平成7年9月、資本金393億7946万円、落合善美社長)は6月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には長島良成弁護士(長島良成法律事務所、千代田区五番町5、電話03-5276-1321)が選任された。負債総額は債権者524名に対して246億253万円。
携帯電話を中心とした端末向けのゲーム企画・開発・配信を主力事業としていた。設立当初はモバイルコンテンツ配信サービスを行い、アニメ制作会社や通信関連機器メーカーなどの株式を取得し子会社化しながら業容を拡大した。平成13年3月に店頭市場に登録、同16年12月にジャスダック市場に株式を上場した。ピークとなる同16年8月期には年商124億7485万円を計上していた。同18年11月には「女神転生」「ペルソナ」などのゲーム制作会社(株)アトラス(TSR企業コード:641167598、世田谷区、同22年10月にインデックスが吸収合併)を子会社化するなど、連結・非連結・関係会社を合わせて100社以上を抱えた。しかしその後、グループの再編・統合を行うなかで持ち株会社となり、同22年8月期には年商8億2300万円に対し、減損処理や株式市場の落ち込みによる有価証券評価損で136億6300万円の赤字を計上した。
平成22年9月には、インデックスが参加していた中小企業振興ネットワークを築いていた旧:日本振興銀行(TSR企業コード:299000370、千代田区)が破綻したことで、当社の投融資の多くが回収不能となった。同22年10月には(株)アトラスを吸収合併したことで事業会社となり、同23年8月期年商は117億6400万円を計上したが、9億8300万円の赤字で5期連続の欠損を計上した。同25年8月期第2四半期には債務超過に陥り、継続企業の前提(GC)に関して注記がついた。また金融商品取引法による期限(同25年4月15日)直後に提出を確認された第2四半期決算だが、記載されている前年度(同24年8月期)連結貸借対照表の資産にある繰延税金資産とその他有価証券評価差額金について、一部会計処理に誤っている可能性(過年度決算修正の可能性)があるとして、同法に基づく監査法人による四半期レビュー手続実施中。期日までに四半期報告書を提出できる見込みがない旨の開示を行ったため、大証から株式の監理銘柄(確認中)の指定を受けた(4月16日、四半期報告書提出により4月17日に指定解除)。
6月12日には金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で、証券取引等監視委員会の調査を受けていた。
(社)愛知県農林公社(TSR企業コード:400927217、名古屋市東区白壁1-50、設立昭和40年6月、後藤政則理事長)は2月21日、名古屋地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は伴野友昭弁護士(伴野・小池法律事務所、同市中区丸の内2-17-22、電話052-220-1118)。負債総額は約227億円。
愛知県をはじめ49団体の出資により運営。愛知県下の農地保有合理化事業のほか、治山・農林経営基盤の強化を主な目的とする農林公社であり、愛知県植林センターも運営していた。平成18年3月期には約67億6400万円の売上高を計上していたが、その後は木材販売事業の不振が続き、同24年3月期の売上高は11億3680万円まで落ち込んでいた。
同事業を含め不採算部門が散見され、資金面も借入過多が常態化して事業継続の見込みが立たなくなっていたことから、平成24年9月には愛知県知事が解散の方針を示していた。
京都駅南開発特定目的会社(TSR企業コード:297483200、中央区日本橋1-4-1、設立平成18年9月、資本金5億10万円、代表清算人:南裕史弁護士)は東京地裁に特別清算を申請し6月27日、特別清算開始決定を受けた。負債総額は約204億円。
京都駅八条口(京都市南区)の大型商業施設「ヴィノワ」の開発構想に基づき設立された特定目的会社。不動産デベロッパーの(株)ジョイント・コーポレーション(TSR企業コード:293182280、東京都港区)が事業主体となり、テナント誘致や店舗運営を進め、京都府内最大級の商業施設として平成21年10月の開業を目指していた。
しかし、ジョイント・コーポレーションが21年5月、会社更生法の適用を申請したため、事業の継続が困難となっていた。同年11月、イオンモール(株)(TSR企業コード:292216980、千葉市美浜区)が商業施設の引き受けを決定し、22年3月「イオンモールKYOTO」として開業していた。その後、施設からの賃貸収入で事業を継続していたが債務超過の解消は困難で6月3日、定款に定めた事由の発生により解散していた。
(株)ZKR(TSR企業コード:571790569、旧:全管連、大阪市淀川区東三国4-1-16、登記上:沖縄県国頭郡今帰仁村諸志山之堂原2088-99、設立平成13年9月、資本金9991万円、上野健一社長、従業員120名)は8月16日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は川村英二弁護士(河野・川村・曽我法律事務所、港区虎ノ門4-3-1、電話03-3431-1100)ほか。負債総額は197億7900万円。
当社を含めグループ4社で構成し、不動産開発および分譲を手がけていた。高齢者向けに「田舎暮らし」を提案し、和歌山県の白浜他で分譲地を開発。ピーク時の平成22年8月期には売上高72億9767万円を計上していた。しかし、その後は不動産売買で一般個人との間で契約トラブルが発生するなど、多数の訴訟を抱えていた。最近では沖縄地区の販売強化に取り組むなど積極的な展開を見せていたが、24年8月期の売上高は53億2042万円まで落ち込んでいた。多額の負債を抱え債務超過の状態にあったなか、資金繰りも限界に達し今回の措置となった。
ソフトウエア興業(株)(TSR企業コード:291854133、千代田区神田須田町2-9-2、設立昭和50年8月、資本金50億円、岡田雅春社長)は1月9日、再度の資金ショートを起こし行き詰まりが表面化した。事後処理を林康司弁護士(TMI総合法律事務所、港区六本木6-10-1、電話03-6438-5511)に一任した。負債総額は約180億円。会社側は、「今後は、所有不動産の売却を進めて任意整理に入る」と説明している。
各種ソフトウェアの開発を行い、大手電機メーカーや通信会社などと取引していた。また、業容拡大に伴い各地に事業所を設置するとともに、関連会社を設立し、ピーク時の平成20年3月期には売上高310億5400万円を計上した。しかし、リーマン・ショックに端を発する急激な景気後退の煽りを受け、システム関連の設備投資が低迷するなどして、同23年3月期には190億200万円まで落ち込んだ。
また、平成23年6月に関連会社のソフトウエア興業設備(株)(TSR企業コード:320795489、千代田区)が社員寮を建設する際の建設費の水増しや架空外注費などの計上で、法人税約2億3000万円を脱税した容疑で、創業者で実質的なオーナーであった丸山三郎氏が逮捕された。このため、同23年8月、別会社に事業を移管し事業立て直しを進めていたが、対外信用も失墜するなどして受注が落ち込んだ。
(株)沖縄うみの園(TSR企業コード:950163902、中頭郡読谷村高志保1040、設立昭和60年6月、資本金5000万円、豊野雅弘社長)は1月18日、那覇地裁に民事再生法の適用を申請した。
監督委員には当山尚幸弁護士(当山法律事務所、同市松尾2-16-52、電話098-869-2700)が選任された。負債総額は約179億円(うち親会社の(有)ジャパンホテルアライアンスが約178億円)。
県内トップゼネコンの関係会社として、同社と県外大手ゼネコンが経営を主導する形で読谷村西海岸沿いのリゾート開発を目的に設立した。当初はリゾートホテル5軒を誘致する計画だったが、バブル崩壊の影響でホテルの誘致は平成6年開業の1軒にとどまっていた。ほかにNHKの連続テレビドラマ「南国王国・琉球の風」で使用された観光施設も開発・運営していたが、同施設は経営不振から同11年に読谷村に無償譲渡した。
こうしたなか、開発面積約10万坪の用地の取得費や賃借料などリゾート開発に要した多額の借入金などが経営を圧迫した。県外大手ゼネコンが平成14年3月に会社更生法を申請してリゾート開発から撤退した後、同15年には外資の系列となり、同18年にはジャパンホテルアライアンスの子会社となって開発地域にあるホテルやチャペルからの賃貸料を主な収入源とし、経営を続けていた。
しかし、年間約1億2000万円の売上だけでは財務改善が進まず、平成20年12月期時点で171億円を超える債務超過となって債務軽減の見通しも立たず、法的手続による経営再建を目指すこととなった。
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