(株)コペル(TSR企業コード:872237389、法人番号:9290001034027、新宿区新宿4-1-6、設立2009(平成21)年1月、資本金5000万円)は5月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全・監督命令を受けた。
申請代理人は石田渉弁護士(森・濱田松本法律事務所、千代田区丸の内2-6-1)ほか7名。
監督委員には石本哲敏弁護士(石本哲敏法律事務所、千代田区丸の内1-8-2)が選任された。
負債総額は68億8300万円。
児童発達支援スクール「コペルプラス」や幼児教室「コペル」などを直営・FCの形態で運営。全国に約550教室(2024年4月時点)を展開し、発達支援スクール・放課後等デイサービスでは国内最大規模を誇る。積極的に教室を開校し、売上高は2018年12月期の22億5334万円から2023年12月期には売上高192億4285万円と急拡大していた。
しかし、新規教室の開校遅れなどから資金繰りが悪化し、今回の措置となった。
なお、三菱UFJ銀行からDIPファイナンスの融資枠の設定を受けているほか、事業譲渡等によるスポンサー支援を予定し、すでに複数のスポンサー候補から就任の意向表明を受けており、教室は運営を継続している。
(株)平河(TSR企業コード:290095573、法人番号:3010501006293、台東区上野1-20-11、設立1950(昭和25)年6月、資本金5000万円)は5月21日、東京地裁に破産を申請した。
申請代理人は萩原貴彦弁護士(萩原法律事務所、中央区八丁堀3-1-5)。
負債総額は33億7868万円。
1947年創業の老舗呉服専門店。呉服店「きもの鈴乃屋」を全国に出店し、着物のレンタルや着付け教室なども展開していた。大河ドラマなどの衣装考証にも携わり、知名度の上昇などから1990年3月期には売上高約680億円をあげていた。
しかし、その後は着物需要の落ち込みなどから販売が低迷し、不採算店の閉鎖などを進め、事業を順次縮小。2017年3月期には売上高が約85億円まで減少し、赤字計上から財務内容が後退していた。近年は「新型コロナウイルス」感染拡大による卒業式や入学式の中止の影響もあり、業績がさらに悪化。この間、スポンサー選定などにより事業再建を目指していた。
こうしたなか、「まるやま・京彩グループ」の(株)紅輪(TSR企業コード:351108319、法人番号:5020001076108、川崎市高津区)がスポンサーとなり、新たに設立した(株)鈴乃屋(TSR企業コード:035522755、法人番号:9010901055182、世田谷区)に2024年4月25日、事業を移管。当社は同日、現商号に変更し、今回の措置となった。
(株)A-ONE(TSR企業コード:521003288、法人番号:2190001006546、伊勢市小木町61、設立1974(昭和49)年2月、資本金1050万円)は5月1日、津地裁伊勢支部に破産を申請した。
申請代理人は片山眞洋弁護士ほか1名(弁護士法人片山総合法律事務所、津市丸之内34-5)。
負債総額は33億861万円。
1969年5月創業。イカ、タコ、エビ、ハマグリなど冷凍魚介類の販売を手掛け、本社のほか沖縄県にも事業所を構え、同所より海産物を供給していた。また、インドネシアやタイなど海外にも調達先を確保し、2013年にはモザンビークに子会社を設立してハマグリ、タコ等の輸入を開始。国内・海外にて調達した水産物を大手水産物商社や量販店などへ納入し、一部はアジア圏への輸出も行い、ピーク時の2013年9月期は売上高59億134万円を計上した。
しかし、もともと採算性は低く、たびたび赤字を計上していたことから、余裕のない資金繰りが続いていた。また、月商の3倍以上に達する在庫保有や海外企業への貸付金も重荷となり、借入依存度は高まっていた。
2023年9月期も約34億8500万円の売上高を計上したものの、依然として採算面の改善には至らないなか、近時は円安基調により輸入品の仕入負担が高まっていた。さらに、当社が不適切な取引を行っていたとの噂が拡散したことで、通常営業にも支障を来たす事態となり、支え切れず、今回の措置となった。
(株)サンライズジャパン(TSR企業コード:292926820、法人番号:1011001049545、渋谷区南平台町12-11、設立1992(平成4)年12月、資本金4750万円)は5月31日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、保全監督命令を受けた。
申請代理人は荻野聡之弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、千代田区大手町1-1-1)ほか7名。
監督委員には上沼紫野弁護士(LM虎ノ門南法律事務所、港区虎ノ門1-15-12)が選任された。
負債総額は債権者約120名に対して30億円。
日焼けサロンの経営をはじめ、タンニングマシンの卸売やレンタル、化粧品販売、衛生用品販売、飲食店経営など多角的に事業を手掛けていた。日焼けサロンは、「タンニングスタジオSOLE」の店名で展開し、タンニングマシンの販売・レンタル事業はスポーツクラブや温浴施設を対象としていた。
日焼けサロンブームを受けて2002年10月期はピークとなる売上高54億3892万円を計上したが、その後、同業との競合激化やブームの沈静化などから売上のジリ貧が続き、2019年10月期の売上高は26億5278万円に減少した。さらに、「新型コロナウイルス」感染拡大で、自社店舗への来店者数が減少したうえ、販売・レンタル先となるフィットネスクラブや温浴施設の休業などから売上が激減。飲食、ブライダルなどの関連事業も苦戦し、2023年10月期は売上高約10億円にとどまり大幅な赤字を計上した。
この間、日焼けサロン事業を縮小し、不採算事業を閉鎖するとともに金融機関から追加融資を受けながら事業再生を模索していたが、コロナ後も事業の回復が遅れ、債務の支払いが困難な状況に陥った。対応策の協議を進めるなか、自力再建は困難と判断し、今回の措置となった。
ニチハツ工業(株)(TSR企業コード:870098691、法人番号:1290001001942、福岡市南区柳瀬2-15-8、設立1976(昭和51)年7月、資本金5000万円)は5月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は片山裕二朗弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2)。
負債総額は27億8892万円。
1976年6月に創業した道路交通標識の製作・販売・施工業者で、道路標識に関わる資材販売も行っていた。長年培った施工実績を背景に、国土交通省などの官公庁案件を主体に手掛け、1995年6月期にはピークとなる18億5562万円の売上高を計上していた。しかし、高速道路の整備が一巡したことで道路標識の需要が減少し、以降の売上規模は縮小傾向をたどっていた。
状況打開のため、2009年4月には地場警備業者の子会社となり、その後、関東に本社を構える鉄線製造業者の子会社になるなどして立て直しを図っていたが、2018年には現代表が全株式を取得し、単独経営に切り替えて民間企業への営業を強化。ゼネコンへの新規開拓を進めたほか、近年は道路交通標識以外の製造にも着手していた。
しかし、受注環境は厳しく、2019年4月期(決算期変更)の売上高は6億4521万円に落ち込み、3740万円の赤字を計上。2022年4月期は売上高9億8593万円をあげたものの、外注費をはじめとする経費が膨らんだことで1億6523万円の赤字を計上し、債務超過に転落した。
こうしたなか、2024年5月24日にトミナガコーポレーション(株)(TSR企業コード:870326660、法人番号:1290001042417、春日市)へ主要事業を譲渡し、今回の措置となった。
(株)藤丸(TSR企業コード:080006841、法人番号:4460101001500、帯広市西2条南8-1、設立1950(昭和25)年10月、資本金5000万円)は5月20日、釧路地裁帯広支部より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は約25億4000万円。
藤丸は、1900年に呉服業を目的に創業し、その後、地場百貨店「藤丸」の運営を開始した。1982年2月には現在地に移転し、ピークとなる1992年8月期には売上高145億7279万円を計上した。しかし、以降は徐々に減収傾向となり、2016年8月期には売上高が53億6983万円まで縮小していた。
さらに、2020年に入ると「新型コロナウイルス」感染拡大により来館者が減少し、2020年8月期の売上高は47億8261万円にとどまり、2億2194万円の大幅赤字を計上した。2022年8月期は、5期ぶりに増収へ転じたが、8期連続赤字となるなど厳しい業況から脱せず、2023年1月31日で百貨店を閉店していた。
なお、この間、地域経済活性化支援機構(REVIC)の枠組みを利用した再生スキームを進めていた。2023年6月には、旧:藤丸の土地と建物を活用して再生を進めるための新会社として設立した藤丸(株)(TSR企業コード:697017630、法人番号:8460101007304、帯広市)に、旧:藤丸の土地および建物の権利を集約。旧:藤丸は金融機関と債務整理などを進め2023年11月30日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
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