こうして倒産した

2016年(平成28年)9月度こうして倒産した・・・
池島アーバンマイン(株)
  • 長崎
  • 再生資源化事業
負債総額
40億8700万円
 

 池島アーバンマイン(株)(TSR企業コード:922045747、法人番号:8310001003970、長崎市池島町776-1、設立平成19年2月、資本金8000万円、堀江慎一社長、従業員13名)は9月21日、長崎地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約40億8700万円。
 平成13年11月に閉山した池島炭鉱の事業所跡地を利用した産業振興を図るため、東証1部上場の三井松島産業(株)(TSR企業コード:870051148、法人番号:870051148、福岡市中央区)の出資で設立された。21年5月より自動車シュレッダーダスト(ASR)再資源化プラント、同年9月にニッケル合金鉄製造プラントを稼働した。ニッケル合金鉄製造事業は、金属工場などで出た金属屑やスクラップ類を原料としてレアメタルを含有した合金鉄を製造し、大手鉄鋼会社に販売する計画だった。電気炉を新設し、24年3月期上期中に本格的な操業を見込んでいたが、電気炉の相次ぐトラブルやニッケルを含有する原料の確保ができなかった。このため本格稼働に至らず、事業を休止してその後はASR事業に経営資源を集中させた。
 27年3月期には売上高が1億200万円に低下し、債務超過額は40億7500万円まで拡大した。こうしたなか、長崎市からの企業立地奨励金の返還問題、遊休設備となっているニッケル合金鉄製造プラントの売却など厳しい運営を強いられていた。ASR搬入量の減少やリサイクルした炭化品販売量の減少等から事業続行が困難となり、26年12月に事業を停止していた。

昭和リース(株)
  • 東京
  • 建設機械リースほか
負債総額
28億円
 

 昭和リース(株)(TSR企業コード:291769446、法人番号:5010001142059、中央区京橋3-9-10、設立昭和54年3月、資本金1億1000万円、木村富江社長、従業員3名)は9月1日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
 破産管財人には鈴木成之弁護士(セブンシーズ総合法律事務所、港区赤坂4-7-15、電話03-6435-5764)が選任された。負債総額は約28億円。
 建設機械リース業者の建機リース部門を承継して設立。バイブロハンマー、ジェットカッター、コンプレッサーなどの建設機材を取り扱っていた。バブル期には受注を大幅に伸ばし、平成3年8月期には売上高12億1990万円をあげていた。しかし、その後は受注が落ち込み、業績は厳しさを増していた。11年9月には保有不動産が競売により売却されるなど、資金繰り悪化から、その後は実質的に事業停止状態に陥っていた。

(株)飯田
  • 埼玉
  • 飲食店運営、内装工事ほか
負債総額
15億7600万円
 

 (株)飯田(TSR企業コード:313751080、法人番号:7030001056073、川越市下赤坂557-5、設立平成6年3月、資本金1億6000万円、飯田龍也社長、従業員48名)と、関連会社で飲食店「トラベルカフェ」運営の(株)トラベルカフェ(TSR企業コード:295249951、法人番号:5030001059870、同所、設立平成13年7月、資本金1億円、岩瀬千鶴子社長、従業員48名)は9月14日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は飯田が約15億7600万円、トラベルカフェが約11億8100万円。
 飯田は、内装工事やリフォーム工事を主体に事業を展開していたが、平成11年にはカフェを開業し、飲食事業にも参入するなど業容を拡大、ピークとなる26年2月期には売上高14億1167万円を計上していた。この間、事業拡大の一環として、23年2月には旅情報をコンセプトとしたカフェとして知名度を有していた「トラベルカフェ」運営のトラベルカフェを子会社化した。自社直営で「トラベルカフェ」のほか、大手飲食店チェーンのFC店経営なども含めグループで全国約40店舗を展開していた。
 しかし、展開する飲食事業への資金投下が重く資金繰りが悪化して、最近は「トラベルカフェ」の複数店舗を一斉に閉鎖していた。

ジャパントータルロブロス(株)
  • 東京
  • カフェ・レストラン経営
負債総額
15億3400万円
 

 ジャパントータルロブロス(株)(TSR企業コード:332073785、法人番号:9010401061334、港区芝浦3-20-9、登記上:港区海岸3-3-12、設立平成16年9月、資本金3500万円、坂井佳子社長、従業員25名)は9月26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
 監督委員には髙木茂弁護士(銀座法律会計事務所、中央区銀座4-10-3、電話03-6228-4487)が選任された。負債総額は15億3400万円。
 飲食店の経営などを目的に設立、「LOBROS」の店名を冠したカフェ・レストランなどを東京都内や東京近郊で7店舗運営していた。積極的に新店舗の開設や既存店のリニューアルを行い、ピーク時には10店舗を運営し、平成26年6月期には売上高約13億3000万円をあげていた。
 しかし、27年11月にショッピングモール内の3店舗を撤退したことで多額の損失を計上。その後は、不採算店舗の撤退など自力再建を模索してきたが、抜本的な改善には至らなかった。

(株)みながわ製菓
  • 新潟
  • 米菓製造
負債総額
13億8900万円
 

 (株)みながわ製菓(TSR企業コード:201001136、法人番号:4110001019446、上越市中田原111、設立昭和29年2月、資本金9500万円、皆川要壱社長、従業員46名)は再度の資金ショートを起こし9月8日、行き詰まりを表面化した。負債総額は約13億8900万円(平成27年12月期決算時点)。
 昭和24年9月創業の米菓製造業者。看板商品として「とうがらしの種」、「新潟おかき」などが有名だった。関東を中心に、東北から関西までの食品卸業者や菓子問屋に事業基盤を築き、近年は大手流通業者向けのPB商品も受注していた。平成20年12月期には売上高約20億3500万円を計上したが、その後は需要減や競争激化で27年12月期には売上高が約17億1200万円まで低下。原料米や資材価格の高騰などで、24年12月期以降は4期連続で赤字を計上していた。このため、人員削減などコスト削減に取り組んできたが業況が改善せず、9月1日付で取引先に業務終了する旨を通知していた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

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