こうして倒産した

2016年(平成28年)4月度こうして倒産した・・・
(株)ケイディ
  • 埼玉
  • アルミダイカスト製造
負債総額
50億7300万円
 

 (株)ケイディ(旧:共和ダイカスト(株)、TSR企業コード:311007473、法人番号:5030001085883、大里郡寄居町大字桜沢1560-17、登記上:千代田区大手町1-8-1、設立昭和35年6月、資本金1600万円、代表清算人:今井康夫氏)は3月17日、東京地裁に特別清算を申請した。申請代理人は綾克己弁護士(ときわ法律事務所、千代田区大手町1-8-1、電話03-3271-5140)。負債総額は約50億7300万円(平成27年5月期決算時点)。
 昭和8年創業のアルミダイカスト製造会社。大手自動車部品メーカーを主力先としてピーク時には年間売上高約60億2400万円をあげていた。また、タイに工場を立ち上げるなど海外でも事業を展開していた。しかし、リーマン・ショック以降は自動車メーカーの減産の影響を受けるなどで業績不振に陥り、平成26年5月期の売上高は約35億6200万円に落ち込み最終赤字8億3500万円を計上、債務超過に陥った。27年5月期も売上高約35億2900万円にとどまり、2期連続の最終赤字となった。その後、関係先との協議を進め事業再生のスキームとして27年10月1日、共和ダイカスト(株)(TSR企業コード:014971984、法人番号:2030001109166、同所、設立平成27年6月、資本金1000万円、小山彰社長)に主力事業を移管。当社は現商号に変更し、28年2月18日の株主総会の決議により解散していた。

(株)FT商事
  • 岐阜
  • スーパーマーケット経営
負債総額
49億200万円
 

 (株)FT商事(旧:(株)フードセンター富田屋、TSR企業コード:471023493、法人番号:1200001014192、大垣市伝馬町33、登記上:千代田区丸の内3-3-1、設立昭和37年9月、資本金1800万円、代表清算人:大平克郎氏)は3月25日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。
 申請代理人は鈴木知幸弁護士ほか2名(東京丸の内法律事務所、千代田区丸の内3-3-1、電話03-3213-1081)。負債総額は49億200万円(金融債務のみ)。
 昭和2年、大垣市内で生産食品小売業を目的に個人創業、45年にスーパーマーケット「トミダヤ」1号店を大垣市内に出店。以降、西濃地区を中心に22店舗を展開、当地区有力小売チェーンとして知名度を上げ、ピークとなる平成17年8月期には売上高約338億9500万円を計上した。
 しかしその後は、競合店の出店が相次ぎ売上高は徐々に低下し、26年8月期には売上高が約178億円まで減少した。このような状況の中、23年2月には大手スーパーチェーンの(株)オークワ(TSR企業コード:520002059、法人番号:2170001002092、和歌山市)と業務提携を進めたが、提携目前に解消となった。
 このため、売上減少および赤字拡大が続き資金繰りも逼迫。当社単独での生き残りは難しいと判断し、主要金融機関との協議のもと、大手スーパーの(株)コノミヤ(TSR企業コード:570096235、法人番号:5120001001831、大阪市鶴見区)の支援による再建を目指すことになった。支援にあたり(株)地域経済活性化支援機構(TSR企業コード:298035596、法人番号:4010001128190、千代田区)が再生支援を決定した。支援策は、フードセンター富田屋を会社分割し、(株)トミダヤ(TSR企業コード:015042294、法人番号:6120001191630、瑞穂市)に主力事業を継承するというもの。トミダヤは22店舗全てを継承し、フードセンター富田屋は28年1月4日、現商号に変更すると同時に本社を大垣市から東京都千代田区に移転。株主総会の決議により解散し清算業務に入っていた。

(医)社団神戸国際フロンティアメディカルセンター
  • 兵庫
  • 病院経営
負債総額
42億8100万円
 

 (医)社団神戸国際フロンティアメディカルセンター(TSR企業コード:662351681、法人番号:5140005021064、神戸市中央区港島南町1-5-1、設立平成25年4月、田中紘一理事長)は3月30日、神戸地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には吉村弦弁護士(弁護士法人あさひ法律事務所、同市中央区播磨町49、電話078-326-5678)が選任された。負債総額は42億8100万円。
 平成26年11月から「神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)」を開院、神戸市が進めている医療産業都市構想の一翼を担う医療機関・拠点として、生体肝移植など最先端の医療技術を中心とした診療・医療活動に注力してきた。しかし、生体肝移植手術を施した患者が術後に死去した事が契機となって、外来並びに入院患者共に当初想定していた状況を大幅に下回る事態となった。このため事業規模の維持が困難となり、27年11月27日付で診療規模の一時縮小などを発表。経営再建に向けた支援募集など諸策に取り組んできたが、支援企業が見つからないなど見通しが立たなくなり28年3月15日、破産申請の準備に入っていた。

デューなつめ澄懐館(株)
  • 愛知
  • スポーツクラブ経営ほか
負債総額
33億7400万円
 

 デューなつめ澄懐館(株)(TSR企業コード:400860317、法人番号:3180001038457、名古屋市中区栄3-20-6、設立平成4年2月、資本金1000万円、宇津井文惠社長)は4月15日、名古屋地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は杦田勝彦弁護士(石原総合法律事務所、同市中区錦2-15-15、電話052-204-1001)。負債総額は約33億7400万円(平成27年6月期決算時点)。
 「Deux・Natsume」の名称でスポーツクラブを運営するほか、最近までは飲食店経営も手掛けていた。社長の広い人脈を生かし一定の集客を得ていたが、本社・スタジオのあるビルを建設した際の残債が約20億円もあり、余裕のない資金繰りに陥っていた。平成28年に入ってからは飲食店事業を会社分割により関連会社に継承させるなど、事業のスリム化に着手していたが、事態を打開することができず今回の措置になった。

新和物産(株)
  • 大阪
  • 和漢生薬卸ほか
負債総額
20億1000万円
 

 新和物産(株)(TSR企業コード:570356741、法人番号:7120001012620、大阪市中央区道修町1-5-3、設立昭和34年7月、資本金2000万円、丸山興史社長)は4月25日、大阪地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人は今枝史絵弁護士(弁護士法人御堂筋法律事務所、同市中央区南船場4-3-11、電話06-6251-7266)が選任された。負債総額は20億1000万円。
 大正12年に個人創業した和漢生薬卸業「井上喜商店」を起源とし、永年の業歴を背景に独自の調達ルートを有して平成24年4月期で売上高約33億円をあげていた。しかし、在庫確保等で資金需要は高く、運転資金は銀行借入に依存していた。さらに最近は為替デリバティブに伴う損失計上等もあり企業体力が弱体化していた。こうしたなか、28年3月に代表者が急逝。後継者不在から事業継続が困難となっていたところに、債権者から破産を申し立てられた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「介護事業者」の倒産が急増 過去最多を上回るペース コロナ禍、人材獲得、物価高の三重苦で「息切れ」が加速

長引く人手不足とコロナ禍のダメージ蓄積、物価高など、厳しい経営環境が続く介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産増に歯止めがかからない。1-8月の「介護事業者」倒産は114件(前年同期比44.3%増)で、介護保険法が施行された2000年以降、同期間最多の2020年(85件)を大幅に上回った。

2

  • TSRデータインサイト

1-8月「税金滞納(社会保険料含む)」倒産が123件に 新たな再生支援への取り組みには、金融支援がカギ

「税金滞納(社会保険料含む)」を一因とした倒産が、2024年1‐8月で合計123件(前年同期比127.7%増)と急増している。すでに、7月までに年間最多だった2018年の105件を上回り、年間200件を超える可能性も出てきた。

3

  • TSRデータインサイト

2024年1-8月 上場企業「早期退職」募集41社 募集人数は前年1年間の2.2倍、7,104人に急増

2024年1-8月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は41社(前年同期28社)で、2023年の1年間の41社に並んだ。また、対象人員は7,104人(同1,996人)と前年同期の3.5倍に達し、2023年の年間3,161人の2倍以上に急増している。

4

  • TSRデータインサイト

1-8月「粉飾決算」倒産 コロナ禍以降で最多の11件 バンクミーティング、支援要請での「粉飾」発覚が増加

赤字や資金の不正流出などを隠ぺいする「粉飾決算」の発覚による倒産が、2024年は1‐8月で11件(前年同期比83.3%増)と急増している。このペースで推移すると、2020年の14件を上回り、コロナ禍以降では年間最多を更新する可能性が出てきた。

5

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均は1ドル=143.5円 3期連続で最安値を更新

株式上場する主要メーカー109社の2024年度決算(2025年3月期)の期首の対ドル想定為替レートは、1ドル=145円が54社(構成比49.5%)と約半数にのぼることがわかった。 平均値は1ドル=143.5円で、前期から14.5円の円安設定だった。期首レートでは2023年3月期決算から3期連続で最安値を更新した。

TOPへ