(株)ANGELO(TSR企業コード:675268710、法人番号:5140001090303、姫路市南畝町1-41、登記上:大阪市中央区中寺1-2-23、設立2013(平成25)年4月、資本金4億8700万円、大川護郎社長)は再度の資金ショートを起こし9月10日、行き詰まりを表面化した。負債総額は125億3700万円。
代表の大川護郎氏が新聞配達店での勤務の傍ら始めた不動産賃貸業を法人化。代表個人や関連企業とともにファミリー向けマンションや商業ビル、月極駐車場などを積極的に取得。大川護郎氏は「家賃ゼロ賃貸」構想を打ち出すほか、書籍出版やメディア出演などで注目を集めて「姫路の不動産王」などと呼ばれていた。
2017年2月期は売上高4億7400万円を計上、賃貸物件の増加から2019年2月期の売上高は13億7200万円まで増加。一方、取得した賃貸物件の稼働率が伸びず、広告宣伝費のほか、物件取得に連動して増加した多額の借入金の金利負担が重く5億9300万円の赤字を計上し、債務超過に転落した。
以降、取引先への支払遅延が生じるなど資金繰りが悪化。2019年9月には金融機関に返済猶予を要請するとともに、新たな不動産管理会社に賃料回収業務を委託したほか、2020年3月には増資を行うなど経営再建を模索していた。しかし、事態は好転せず今回の事態となった。
(株)ヤマダエコソリューション(TSR企業コード:870529510、法人番号:9290001019218、福岡市博多区比恵町2-24、登記上:福岡市博多区美野島3-1-5、設立1995(平成7)年8月、資本金2000万円、齋藤陽太社長)は9月11日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には林太郎弁護士(林・園部法律事務所、千代田区神田須田町1-4-8、電話03-5209-3801)が選任された。負債総額は43億300万円。
山口県下松市で設立。1997年10月、(株)クライム(TSR企業コード:750114886、法人番号:9250001008793、山口県周南市)が、東証1部上場の家電量販店大手(株)ヤマダ電機(TSR企業コード:270114270、法人番号:4070001011201、群馬県高崎市)の配送・機械取付業務を開始し、受注拡大に伴い、クライムから配送・機械取付部門の事業の移管を受けて本格稼働した。
2003年3月にはヤマダ電機が当社株式の70%を取得して系列企業となり、家電製品の配送ならびに取付工事を主体に業容を拡大。ヤマダ電機の西日本エリアの店舗を担当し、同社の積極的な店舗展開で売上高を伸ばし、ピークの2008年2月期は売上高118億8703万円を計上していた。
しかし、2009年4月以降は、ヤマダ電機と外注業者が当社を経由せず直接取引するようになり売上が減少。ビジネスソリューションの提案等で2017年および2018年2月期は70億円台の売上高を計上したが、その間の2017年4月、ヤマダ電機との資本関係を解消し、グループオーナーの岡田雅登氏の100%出資企業となっていた。
近年は太陽光発電システムおよびエコキュートなど環境関連分野の営業・設置工事業(ECO事業)を中心に、ヤマダ電機が販売する家電製品の配送および取付設置工事請負事業(協業事業)、省エネ・オール電化リフォームのオーダーメイド型ソリューションの提供などを手掛けていたが、受注低下や競合激化により2019年2月期の売上高は約63億円、2020年2月期には約30億円台に減少。利益の確保にも苦戦し、資金繰りは逼迫していた。
こうしたなか、グループオーナーが社長を務める子供服企画販売会社の(株)RONI WORLD(TSR企業コード:015738019、法人番号:5010901036582、東京都港区)が破産手続きを弁護士に一任したことで、グループの対外信用はさらに低下した。2019年11月中には事業をヤマダ電機関連の業務のみとし、大半の従業員を解雇。その後、本社を東京都中央区に移転していたが、取引先から破産を申し立てられ、今回の措置となった。
昌和自動車(株)(TSR企業コード:570558689、法人番号:7120001049786、大阪市西淀川区花川2-21-8、設立1959(昭和34)年7月、資本金5000万円、小椋基久社長)は8月27日、大阪地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には相沢祐太弁護士(ふじ総合法律会計事務所、同市北区堂島1-1-25、電話06-6456-0100)が選任された。負債総額は38億6000万円。
ポルシェ専業の小売店としては国内有数の老舗。大阪市西淀川区と兵庫県西宮市の2店舗でポルシェ社製乗用車全ラインの販売を手掛ける一方、2003年10月には新たに認定中古車の取り扱いを開始。2005年以降、ポルシェジャパンが推進するブランド維持向上策に準拠した西大阪ポルシェセンターならびに西宮ポルシェセンターの本格稼動を開始して業容を拡大し、2018年12月期には売上高130億5828万円を計上していた。
しかし、同期には顧客とのトラブル等で多額の赤字を計上。さらに、社員の横領など社内管理体制の不備も発覚するなか資金繰りが逼迫し、2019年7月から8月にかけて金融機関に借入金返済のリスケジュールを申し込んでいた。
ところが、その過程で架空在庫などの粉飾決算が発覚し、金融機関との交渉が難航。その後も金融機関から協調姿勢を得るには至らず2019年12月末、事業を第三者に譲渡し、清算手続きに入っていた。
SMK-LOGOMOTION(株)(TSR企業コード:014883180、法人番号:6010701030826、品川区戸越5-17-14、設立2015(平成27)年5月、資本金4億8000万円、角芳幸社長)は9月9日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には鐘ヶ江洋祐弁護士(長島・大野・常松法律事務所、千代田区丸の内2-7-2、電話03-6889-7197)が選任された。負債総額は約30億3500万円。
東証1部のコネクターメーカーのSMK(株)(TSR企業コード:290079624、法人番号:5010701001431、品川区)の連結子会社。SMKが51%、スロバキアのLOGOMOTION,s.r.oが49%を出資し、電子機器部品の開発など手掛けていた。しかし、事業は軌道に乗らず、2020年3月期は売上高約100万円にとどまり、利益は設立以降、5期連続で赤字を計上した。また資金繰りは、SMKなど株主からの借入金に依存していたが限界に達し、事業継続が困難な状況に陥っていた。
そうしたなか、SMKは当社の事業を継続するために、2019年からLOGOMOTION,s.r.oと株式譲渡などの交渉を重ねていたが、話し合いによる解決が難しいと判断。合弁事業を終了するために、2020年9月2日開催のSMKおよび当社の取締役会で東京地裁に破産申請することを決議し9月7日、破産を申請した。
(株)阿知波組(TSR企業コード:570004888、法人番号:4120001030195、大阪市港区弁天1-2-30、設立1954(昭和29)年11月、資本金6000万円、阿知波毅社長)は8月7日、大阪地裁に破産を申請し8月25日、破産開始決定を受けた。破産管財人には浦田知温弁護士(ラーレ法律事務所、同市北区東天満2-2-15、電話06-4397-4000)が選任された。負債総額は26億円。
1923年5月、大阪市大正区で馬力運送業者として創業。戦時中断を経て1948年に再開し、一貫して重量物運送業を手掛けていた。重量物運送業者としての知名度は高く、大手ゼネコンなどに営業基盤を構築。阪神・淡路大震災以降は土木工事関連も積極的に受注して業容を拡大し、1996年5月期には売上高21億7017万円をあげていた。
しかし、重量物運搬車両や不動産の取得などによる借入負担が重荷となるなか、市況の低迷から受注減少や単価下落が重なり経営環境が悪化。人員削減を含むリストラを行ったものの、1999年5月期には債務超過に転落し、税金も滞納するなど、資金繰りの悪化を露呈していた。
このため、2007年6月に事業を関連会社のアチハ(株)(TSR企業コード:571689744、法人番号:5120001101284、大阪市住之江区)に移管し、当社は事業を停止していた。
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