(株)ビイ・エフ・アール(国東市国東町浜3005−4、設立昭和61年7月、資本金2000万円、赤川和生社長)は、12月9日整理回収機構より大阪地裁に会社更生手続開始を申し立てられ、12月18日開始決定を受けた。平成19年4月期時点での負債総額は債権者1200名以上に対して556億2700万円。債務超過額は111億2500万円。大分県内では過去最大の負債総額となる。申立代理人は嶋原誠逸弁護士(大阪市北区西天満4−1−20リープラザビル5F、ひまわり総合法律事務所、電話06−6311−7688)。保全管理人は上田裕康弁護士(大阪市北区堂島1−1−5梅田新道ビルディング8F、大江橋法律事務所、電話06−6341−0461)。
同社は、大幅な計画遅延の末、平成3年7月国東市国東町浜3005−4にオープンした面積204万5135平米(18ホール、全長7053ヤード)を誇るゴルフ場。
有名プロゴルフプレイヤーのセベ・バレステロスが設計した事や、豪華なクラブハウス、宿泊施設等でも注目を集め、「BFRゴルフ倶楽部」として知名度も有していた。しかし、当初見込み通りの集客確保には至らず、その後のバブル崩壊の影響もあって更に集客は落ち込み、多額の投資負担が重荷となって経営状況は悪化していた。この間、別荘分譲などを手掛けていた奥別府ニュータウン(株)(別府市大字鶴見1665−92、設立昭和40年10月、森川保社長)や、同社より事業を引き継いだグリーンハイツ(株)(別府市大字鶴見1666−28、設立昭和40年9月、森川保社長)など関連企業へ預託金を流用するなどの不透明な資金流出もあったとされ、資金繰りは悪化の一途を辿っていた。
こうしたなか、平成15年12月24日両社が各々大分地裁より破産宣告を受けた事で対外信用は更に低下していた。その後もゴルフ場の運営を継続していたものの、抜本的な体質改善策はなく、大口債権者である整理回収機構の申立により今回の措置となった。
(株)ソリッドアコースティックス(港区三田3−5−27、設立平成13年12月、資本金18億1800万円、川上巌社長、従業員18名)は、12月11日(株)ソリッドグループホールディングス(東証2部上場、旧:(株)ライブドアオート)より東京地裁に破産手続開始を申し立てられ、12月26日開始決定を受けた。負債総額は約340億6700万円(19年3月期決算ベース)。
同社は設立当初「12面体スピーカー」の開発・製造を主業としていたが、スピーカー事業は軌道に乗らず投資事業にシフトし、平成19年1月に(株)ソリッドグループホールディングスを株式公開買付により買収し、同年3月期には年商9400万円をあげていた。
しかし、オーディオ事業で収益が伸び悩んでいたうえ、子会社などへの投資事業も成果が上がらず同3月期で51億9600万円の最終赤字を計上し、約26億円の債務超過に転落。継続企業の前提に関する重要な疑義が注記されていた。
また、買収の際(株)ソリッドグループホールディングスの株式及び同社の現金など計120億円を担保にリーマン・ブラザーズ証券から約150億円を調達したものの、その債務返済の見込みが立たず、(株)ソリッドグループホールディングスの動向が注目されていた。
こうしたなか、同社の債務超過解消が困難であり、子会社譲渡など、資産散逸の可能性が極めて高いことから、(株)ソリッドグループホールディングスが破産手続開始を申し立てることになった。
三豊土地建物(株)(港区虎ノ門1−1−18、設立昭和11年5月、資本金1000万円、安藤誠一代表清算人)は、12月20日東京地裁に特別清算手続開始を申し立てた。10月12日に株主総会の決議により解散している。負債総額は241億5700万円(平成18年12月決算ベース)。
同社は昭和11年5月、三豊興業(株)として設立し、不動産賃貸業を中心に保険代理業も手掛けてきた。当時の安田信託(株)(その後、安田信託銀行(株)、現在のみずほ信託銀行(株))からの資金調達をメインに、バブル期に不動産購入を進めていた。
しかし、バブル崩壊後は所有不動産の評価損が膨らみ、財務内容が急激に悪化。このため、その後は不動産売却を進め、平成15年12月期の年商は41億8800万円をあげていたものの、同17年12月期には239億4600万円の最終損失を計上していた。
一方、同年3月11日に三豊土地建物(株)に商号変更し、同時に会社分割で設立した三豊興業(株)が保険代理業だけを引継ぎ、同社は事業を事実上停止。不動産事業の整理に専念し、保有不動産売却の目処が立った事から今回の措置となった。
なお今回の申立により、みずほ信託銀行(株)が同社に対する債権233億9800万円を「取立不能のおそれ」としているが、「全額を償却済であり、既に発表している当期業績予想に影響はありません」と公表している。
たかを観光(株)(札幌市南区常盤199、設立昭和49年7月、資本金6346万円、渡辺裕一社長、従業員37名、会員数約5700名)は、12月6日札幌地裁に民事再生手続開始を申し立て、同日開始決定を受けた。申立代理人は大川哲也弁護士他3名(札幌市中央区北4条西20丁目、電話011−631−2300)。負債総額は226億3197万円(内、預託金が約85億円)。
同社は昭和47年にゴルフ場経営を目的に高橋幸男氏が創業し、同48年に「羊ヶ丘CC」をオープン。その後同49年7月に法人化し、同56年に「真駒内CC」を買収、さらに同57年に「滝のCC」を買収した。ゴルフ場は札幌市中心街から比較的近距離にあるために利便性もよく、3コースで81ホールと道内でも大手のゴルフ場として知られていた。
しかし、バブル景気以降はゴルフ場の増加による競争激化で客単価が低迷。さらには預託金返還請求の増加や、関連会社で行った宮崎県、千葉県、鹿児島県のゴルフ場開発による資金固定化から経営が悪化。平成10年3月に和議開始を申し立て(負債総額711億2000万円、和議条件は91.8%カットの残りを10年返済)再建を図っていたが、その後の利用客の減少などで和議条件の履行が困難となり債務超過額は171億円余りに及んでいた。
なお、負債総額は平成19年最大で、ゴルフ場の倒産は同11月に発生した札幌ワシントンクラブ(株)(夕張郡栗山町、負債129億円、破産)に次いで2件目となる。ゴルフ場の運営は継続する意向。
(株)コハラ(佐賀市大和町川上5576、登記上本社:佐賀市大和町梅野120−2、設立平成1年2月、資本金5000万円、小原龍治社長)は、12月17日福岡地裁に民事再生手続開始を申し立て、同日監督命令を受けた。申立代理人は冨來真一郎・名倉啓太両弁護士(千代田区丸の内2−3−2郵船ビルディング4F、弁護士法人淀屋橋・山上合同、電話03−6267−1241)。監督委員は新宮浩平弁護士(福岡市中央区赤坂1−15−33ダイアビル福岡赤坂401、電話092−726−2866)。負債総額は債権者約900名に対し、約103億7200万円が見込まれる。
同社は平成1年2月、県内でホテル、遊技場などを経営する小原グループがゴルフ場経営を目的に設立。しかし、バブル期の構想開始で、バブル期終盤に土地を取得、オープンは不況が続いていた平成7年となった。ゴルフ場「大和不動カントリー倶楽部」開設に投じた100億円を会員権で賄う予定だったが、会員権販売は進まず、オープン後の売上も当初計画を下回り、かつ年々減収をたどり、直近売上は約4億2000万円に落込んでいた。加えて預託金の償還もあって手持資金不足が常態化していた。
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