(株)てるみくらぶ(TSR企業コード:296263001、法人番号:6011001044153、渋谷区渋谷2-1-1、設立平成10年12月、資本金6000万円、山田千賀子社長)は3月27日、東京地裁に破産を申請した。旅行業界では過去4番目の大型倒産。
破産管財人には土岐敦司弁護士(成和明哲法律事務所、港区虎ノ門4-3-1、電話03-3499-7555)が選任された。負債総額は債権者3万6266名(うち申込旅行客は3万6046名)に対して約151億円(うち金融債権約32億円、一般債権約18億円、一般旅行客約100億円)。
第1種旅行業者としてハワイを中心にグアム、サイパン、韓国、台湾など、一般個人向け格安海外パッケージツアーを企画していた。
航空会社から余剰席を安く仕入れて格安のパッケージ海外旅行を商品化、主にインターネット経由で販売し、平成23年9月期の売上高は約130億円を計上。その後、売上は一進一退をたどったが、グループ会社からの事業移管などを進めて28年9月期は過去最高の約195億9600万円を計上した。
しかし、格安旅行会社の過当競争などから採算は低調に推移していたうえ、最近は航空機の小型化が進み、余剰席の確保が困難となっていた。このため、シニア層の顧客獲得を目指して新聞広告を行ったが経費負担が増す結果となり、資金繰りが悪化した。
(株)レイテックス(TSR企業コード:330270664、法人番号:8013401001698、渋谷区神宮前3-2-17、設立昭和63年7月、資本金10億7797万5000円、井上正明社長)は3月8日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には小林和則弁護士(内幸町法律事務所、千代田区内幸町2-2-2、電話03-6205-7697)が選任された。負債総額は114億90万円(平成27年5月期決算時点)。
半導体製造工程で使用されるウェーハ検査・測定装置の製造を手掛け、平成16年4月に東証マザーズに上場し、20年5月期は売上高58億2500万円をあげた。しかし、21年5月期は半導体デバイス価格低迷などから売上高は16億7962万円に落ち込み、22億9256万円の赤字と急激に業績が悪化した。時価総額が基準を下回る状況が続き、23年1月には上場廃止となった。その後も業績低迷が続き、27年には製造や販売部門を他社へ譲渡し、事業規模を縮小していたが、債権者より破産を申し立てられ、今回の措置となった。
(株)Brillia(TSR企業コード:662062868、法人番号:4011001063279、渋谷区代々木4-31-6、設立平成18年4月、資本金4億9560万2500円、高柳さおり社長)は3月8日、東京地裁に破産を申請した。破産管財人には富永浩明弁護士(富永浩明法律事務所、中央区銀座7-12-14、電話03-3544-0381)が選任された。負債は59億9200万円。
当初は他社が経営していた兵庫県芦屋市内の結婚式場の運営を引き継ぐ形で設立した。平成21年3月に「Club Roses(クラブローゼズ)表参道」(渋谷区)を開業したのを皮切りに、東京、名古屋、栃木などでブリリアントブランドによる結婚式場を経営。このほか、関連会社による結婚式場の運営も含め全国8カ所で展開していた。
最先端の音響・照明を駆使したショースタイルウェディングの演出に定評があり知名度を有し、近年は業績拡大基調で推移。28年8月期には過去最高の売上高となる約65億1600万円をあげていた。29年も新規に関西地区で結婚式場をオープン予定とするなど積極的な展開をみせていたが、事業拡大に伴い設備投資の負担などが重くのしかかり資金繰りが悪化。取引先への未払い等も発生するなかで一部店舗運営を他社へ譲渡し、今回の措置となった。
(株)モアアンドモア(TSR企業コード:360437826、法人番号:2021001031212、横浜市緑区長津田5-4-32、登記上:相模原市中央区上溝7-17-22、設立平成14年5月、資本金8000万円、柏木秀信社長)は3月13日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は市野澤要治弁護士(麹町誠壱法律事務所、千代田区麹町3-1-7、電話03-3239-7283)。負債総額は47億1200万円。
(株)ナガセ(TSR企業コード:291819435、法人番号:9012401011590、武蔵野市)が手掛ける「東進衛星予備校」のフランチャイズ加盟企業として営業展開。大学受験に特化した予備校である「東進衛星予備校」を神奈川県中心に東京都、静岡県、愛知県などに順次開校し、平成27年12月期には売上高約19億5000万円を計上した。また、28年9月には増資し、28年12月期には売上高約21億5000万円を計上するなど事業規模は拡大傾向にあった。
しかし、銀行借入など外部資金依存度も高く、財務面は安定性を欠き、事業拡大とともに資金繰りも多忙化し今回の措置となった。なお、当社が運営する予備校各校は、「東進衛星予備校」のフランチャイズ本部のナガセがスポンサーとなることで運営が継続される見通し。
TM(株)(旧:天龍木材(株)、TSR企業コード:450026124、法人番号:9080401003379、浜松市東区材木町38、設立明治40年4月、資本金1億円、代表清算人:松田耕治氏)は3月27日、静岡地裁浜松支部に特別清算を申請した。負債総額は約42億5000万円。
輸入原木や木材製品の販売を行う木材事業、合板や床材等の製造販売を行う建材事業、プレカット加工、プレカット加工用木材販売や不動産事業などを手掛けていた。昭和28年8月、名証2部に上場し、ピーク時の平成6年3月期には売上高615億6325万円をあげていた。
しかし、以降は市況悪化で主力の木材事業が苦境に陥ったほか、産廃事業や住宅事業などへの進出が失敗するなど経営不振が続き、17年3月期には事業再生損失の計上などで48億1495万円の赤字となり債務超過に陥った。
経営立て直しを円滑に進めるため、25年8月に当社関連の特別目的会社が株式の公開買い付け(TOB)を実施し、同年12月30日付で上場廃止となった。株式の非公開化で業容立て直しを進めたものの、28年3月期の売上高は165億133万円にとどまり、3785万円の赤字となった。このため、29年1月に新たに天龍木材(株)(TSR企業コード:023522216、法人番号:4080401021971、磐田市)を設立し同年3月、会社分割により同社に主力事業を移管するとともに当社は現商号に変更。3月17日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
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