こうして倒産した

2023年(令和5年)3月度こうして倒産した・・・
(株)JOLED
  • 東京
  • 有機ELパネル製造開発
負債総額
337億4100万円
 

 (株)JOLED(TSR企業コード:300600798、法人番号:4010001161992、千代田区神田錦町3-23、設立2014(平成26)年7月、資本金51億5000万円)は3月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全処分および監督命令を受けた。
 申請代理人は鈴木学弁護士ほか(西村あさひ法律事務所、千代田区大手町1-1-2)。

 監督委員には片山英二弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)が選任された。
 負債総額は337億4100万円。
 世界初となる印刷方式の有機ELディスプレイの開発や量産化体制の構築を目的に設立。ソニー(株)(現:ソニーグループ(株)、TSR企業コード:291064280、法人番号:5010401067252、東京都港区)やパナソニック(株)(現:パナソニックホールディングス(株)、TSR企業コード:570191092、法人番号:5120001158218、大阪府門真市)のほか、官民出資の投資ファンドの(株)INCJ(TSR企業コード:033865507、法人番号:2010001195118、東京都港区)、(株)ジャパンディスプレイ(TSR企業コード:294505385、法人番号:6040001059563、東京都港区)が出資。その後、ソニーとパナソニックの有機ELディスプレイパネルの事業を承継。2018年6月にはジャパンディスプレイから能美工場(石川県能美市)を取得し、量産化を急いでいた。
 INCJなどによる追加出資のほか、ジャパンディスプレイが保有していた当社株式をINCJが取得するなどINCJ主導による支援を受けていたが、量産化の遅れや研究開発コストが重く、多額の赤字が継続。2021年3月期は売上高59億800万円に対し、877億8500万円の赤字を計上した。2022年3月期は売上高56億5500万円と減収に転じ、239億2600万円の赤字となった。同期末時点の利益剰余金合計はマイナスの1197億8700万円と拡大し、債務超過へ転落していた。このまま自力で事業継続した場合、能美事業所や千葉事業所の撤退費用を捻出することも困難とし、民事再生による再建を選択した。

ヒカリレンタ(株)
  • 東京
  • LED照明販売ほか
負債総額
61億5600万円
 

 ヒカリレンタ(株)(TSR企業コード:322575265、法人番号:2040001076975、中央区日本橋箱崎町35-7、設立2012(平成24)年5月、資本金2000万円)と、関連のヒカリレンタ首都圏(株)(TSR企業コード:352720905、法人番号:3020003007376、渋谷区南平台町16-28、設立2012(平成24)年4月、資本金50万円)は3月10日、東京地裁に破産を申請した。
 申請代理人は大河内將貴弁護士(第一総合法律事務所、港区新橋1-18-12、電話03-3593-7605)ほか2名。
 負債は、ヒカリレンタが61億5600万円、ヒカリレンタ首都圏が55億円。
 ヒカリレンタは、グループでLED照明のレンタルビジネスを手掛けていた。「LEDは買う時代から借りる時代」をスローガンに、オーナー方式による「ヒカリレンタ式100円レンタル」などのレンタル商品を有し、一般法人などに積極的な営業を展開。ユーザー数は全国に1500社以上にのぼっていた。このほか、野球やサッカー、バスケットボール、格闘技などのスポーツクラブのスポンサーや協賛にも参入して、知名度アップに努めていた。
 近年、業績は拡大基調にあり、2019年3月期は7億3249万円だった売上高が2022年3月期は33億5664万円に急伸。また、太陽光関連機器の開発研究や、他社から介護施設の運営事業を譲り受けるなどして事業領域を拡大させていた。
 一方で採算性は乏しく、利益面は低調に推移。さらに「新型コロナウイルス」感染拡大の影響からユーザー数が伸び悩んだため資金繰りが悪化した。
 2022年10月以降は、オーナー向けの支払いが滞るなどしていたが、2023年1月31日に事業を停止し、破産申請の準備に入っていた。
 ヒカリレンタ首都圏は、顧客との契約窓口だったが、ヒカリレンタと同時に事業を停止していた。

(株)TRAIL
  • 神奈川
  • 一般貨物自動車運送業ほか
負債総額
39億4400万円
 

 (株)TRAIL(TSR企業コード:363996311、法人番号:5021001054053、相模原市中央区相模原3-8-26、登記上:東京都港区芝公園2-11-11、設立2014(平成26)年7月、資本金2000万円)は3月23日、東京地裁に破産を申請した。
 申請代理人は島本泰宣弁護士ほか3名(東京双葉法律事務所、東京都千代田区麹町3-6-5、電話03-3263-8055)。
 負債総額は39億4400万円。
 一般貨物自動車運送業や倉庫業、労働者派遣業などを手掛け、東北から沖縄県まで、全国に16カ所の拠点を開設していた。主力のロジスティックサービスでは、顧客のニーズに合わせ、需要予測や在庫管理、荷役、受注処理、アフターサービスまで提供。近年は楽天モバイル(株)(TSR企業コード:027058760、法人番号:2010901041404、東京都世田谷区)の通信基地局の開設に関連した資材輸送の受注が増加し、2019年3月期に約9億円だった売上高は、2022年3月期には192億6159万円へ急拡大していた。
 しかし、主力得意先で、当社と同じく楽天モバイルとの取引で売上を急伸させていた日本ロジステック(株)(TSR企業コード:026854660、法人番号:5010001188655、東京都千代田区)が、楽天モバイルに対し不正な水増し請求を行っていたことが発覚。こうしたなか2022年8月30日、日本ロジステックが東京地裁に民事再生法の適用を申請したことで、同社へ多額の焦付債権が発生することとなり、事業継続が困難となっていた。

アッシュ・ペー・フランス(株)
  • 東京
  • 服飾雑貨販売ほか
負債総額
29億円
 

 アッシュ・ペー・フランス(株)(TSR企業コード:293135924、法人番号:9010501024380、港区南青山5-7-17、設立1985(昭和60)年8月、資本金5000万円)は2月24日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し同日、保全管理命令を受けた。
 保全管理人には蓑毛良和弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、新宿区新宿1-8-5、保全管理人室の連絡先hpf_kousei@hpgrp.com)が選任された。
 負債総額は29億円。
 主にレディースものの服飾雑貨や衣類の販売を手掛け、「H.P.FRANCE」(アッシュ・ペー・フランス)などの屋号で展開し、2022年3月時点で約50の直営店を構えている。インポート物を扱う老舗として知られ、2013年2月期には売上高110億6324万円をあげていた。しかし、急激な事業拡大や多角化に加え、不正会計などで資金繰りが悪化。2017年に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請し、金融機関から一部債権の放棄を受け、ファンドをスポンサーとした資本の組み換えが行われた。
 近年は自社サイトでのオンライン販売にも注力していたが、その後も業況は好転せず、「新型コロナウイルス」感染拡大による店舗休業や円安による原価上昇などで業績改善が遅れていた。不採算店舗の閉鎖などを進めたが、事業再生ADRによる条件変更後の金融債務の一括返済が2023年2月末に迫っていたほか、コロナ特例猶予を受けていた約6億円の社会保険料の支払いも必要となるなか、事業継続と弁済極大化の観点から今回の措置となった。

熊本電力(株)
  • 熊本
  • 電力小売
負債総額
28億円
 

 熊本電力(株)(TSR企業コード:912241195、法人番号:6330001020405、熊本市中央区水前寺6-36-9、設立2014(平成26)年3月、資本金3140万円)は3月13日、熊本地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には田中俊夫弁護士(田中法律事務所、同市中央区京町1-11-3、電話096-359-0830)が選任された。
 負債総額は28億円。
 電力販売を目的に設立。準備段階を経て、2016年4月の電力の小売全面自由化とともに稼働を開始した。当時の親会社であるTakeEnergyCorporation(株)(TSR企業コード:912213833、法人番号:1330001018692、菊池郡菊陽町)の事業拡大と並行してメガソーラーによる発電事業を手掛ける方針だったが、九州電力の電力買い取り規制を受けたメガソーラー事業計画の遅れにより、他事業者からの電力仕入販売へ切り替えた。
 代理店制度をとることにより、全国各地で電力小売取次事業を行い、売上は急増。2020年1月期の売上高は12億5367万円を計上していた。しかし、業界最安値を謳い顧客を獲得していたことから、利益を確保しにくいビジネスモデルで、薄利の状態が続いていた。
 こうしたなか、当社の業務委託先で仕入先の1社だったフラワーペイメント(株)(TSR企業コード:017535034、法人番号:1010001174337、東京都千代田区)との間で地位移転問題に伴うトラブルが表面化し、契約者を巻き込んでの騒動が発生。さらに、2021年4月13日には、再エネ賦課金を期限までに納付しなかったことにより、再生可能エネルギー特別措置法第34条第4項の規定に基づき、経済産業省より社名を公表された。
 同年4月30日には現社長が就任し、株主も変更となったが、関連会社だったTakeEnergyCorporationが同年4月28日、破産開始決定を受けたことで当社の信用も低下。現体制となって以降も顧客の流出が続き、同年5月以降の電力供給量は大幅に落ち込んだ。さらに、同年10月以降はJEPXでの電気調達価格が想定以上の高値で推移し、逆ざや状態が続いたことで、厳しい運営に拍車が掛かっていた。
 2022年3月16日には地域電力会社が当社との託送供給契約を解除する意向であることが判明し、電力供給が困難となり同年3月22日、事業停止を余儀なくされていた。その後も訴訟中の案件を抱えていたところ、第三者より破産を申し立てられ、今回の措置となった。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
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