(株)日本校文館(旧:(株)ニュートン、TSR企業コード:293847851、法人番号:9011001061113、杉並区永福4-23-12、設立昭和52年8月、資本金1000万円、髙森圭介社長)は5月9日、東京地裁に破産を申請した。破産管財人には長島良成弁護士(長島良成法律事務所、千代田区五番町5、電話03-5276-1321)が選任された。負債総額は債権者約870名に対して約52億1900万円。
(株)日本校文館の商号で設立し、当初は学習教材や単行本の企画編集を手掛けていた。平成8年10月に(株)ニュートンへ商号変更し、同時期に髙森圭介氏が代表取締役に就任した。
その後、スマートフォンやタブレット端末向けeラーニング(インターネットを活用した学習)の開発販売へ業態をシフト。髙森圭介氏が代表を兼任していた(株)ニュートンプレス(TSR企業コード:291863663、法人番号:1011001061129、渋谷区)が発行する科学雑誌「Newton」を利用したeラーニング教材の開発にも着手した。
しかし、eラーニングに関わる事業は軌道に乗らず資金繰りが逼迫。29年2月、髙森圭介氏が「Newton」の定期購読者などに対して「タブレットを使った教材の開発に出資すれば確実にもうかる」などともちかけ違法に資金を集めたとして、出資法違反容疑で逮捕される事態へ発展した。
これを受け同年2月20日、ニュートンプレスは東京地裁へ民事再生法の適用を申請。当社も資金提供者に対する責任明確化の観点から、今回の措置となった。
なお、28年12月付で髙森圭介氏はニュートンプレスの代表取締役を辞任。ニュートンプレスと当社の間に資本関係はなく、当社は29年3月にニュートンから現商号に変更している。
ニュートンプレス側では、「日本校文館の破産手続きがニュートンプレスの再建に影響を与えることはない」とコメントしている。
(株)オーケー(TSR企業コード:892027150、法人番号:9320001001519、大分市高崎3-1-25、設立平成1年7月、資本金5000万円、代表清算人:大城英男氏)は5月8日、大分地裁より特別清算開始決定を受けた。申請代理人は軸丸欣哉弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同、大阪市中央区北浜3-6-13、電話06-6202-3355)ほか。負債総額は約33億8000万円。
当初は酒類販売を目的に設立されたが、その後、規制緩和によりグループ会社で酒類販売が可能となったことで、平成15年頃に同事業から撤退した。16年から不動産開発およびテナント誘致事業を開始し、グループ会社で運営していた食品スーパー「新鮮市場」をキーテナントとする複合型ショッピングモールの開発に注力していった。しかし、同業他社との競合や県外大手資本、ドラッグストアなどの攻勢で売上は低下。不動産開発に伴う多額の有利子負債が重くのしかかり、25年3月には金融機関へ借入金の返済猶予を要請した。26年1月に、グループ合理化を目的に当社を存続会社としてグループ会社を吸収合併し、現商号へ変更した。
その後、大分銀行と(株)マルミヤストア(TSR企業コード:890074941、法人番号: 2320001009114、佐伯市)と連名で(株)地域経済活性化支援機構に支援を申し込み28年3月、支援決定を受けた。再生計画に基づき、同年6月に(株)新鮮マーケット(TSR企業コード:017949661、法人番号:8320001014892、大分市)へ会社分割で店舗を譲渡。以降、資産処分を進め、29年3月20日開催の株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
(株)石巻住宅資材センター(TSR企業コード:294353984、法人番号:3010601026860、石巻市潮見町3-4、登記上:江東区新木場3-8-11、設立昭和47年7月、資本金2000万円、代表清算人:松田耕治氏)は5月8日、静岡地裁浜松支部から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約29億円。
名証2部上場だったTM(株)(旧:天龍木材(株)、TSR企業コード:450026124、法人番号:9080401003379、浜松市東区)の100%出資子会社として同社向けの木材加工を手掛けていた。平成27年3月期の売上高は13億9073万円を計上したが、1億4373万円の赤字となり債務超過に陥った。28年3月期は売上高13億4415万円に対し671万円の黒字を計上したものの、親会社のTMが29年1月、新たに天龍木材(株)(TSR企業コード:023522216、法人番号:4080401021971、静岡県磐田市)を設立し同年3月、会社分割により同社へ主力事業を移管して解散、3月31日には特別清算開始決定を受けた。こうした状況下、当社も4月17日開催の主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
(株)TY商事(旧:東予産業(株)、TSR企業コード:810014173、法人番号:7500001007103、大洲市東大洲1220-1、登記上:東京都千代田区丸の内1-7-12、設立昭和39年6月、資本金1000万円、代表清算人:宮嶋嘉則氏)と、関連の(株)TS商事(旧:CELCO SOLAR ENERGY(株)、TSR企業コード:822061716、法人番号:5500001007575、松山市大可賀3-10-17、登記上:同所、設立平成21年2月、資本金1000万円、代表清算人:同氏)は5月17日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債は、TY商事が約29億円、TS商事が約26億円。
TY商事は、西条市で松下寿電子工業(株)(現:パナソニックヘルスケア(株)、TSR企業コード:800068165、法人番号:4500001007246、東京都港区)西条工場の専属協力工場として設立した。
同社の他工場からの受注も得て業容を拡大し、平成9年3月期には売上高約60億6000万円を計上。12年に松山市へ本社を移転し、その後はパナソニック(株)(TSR企業コード:570191092、法人番号: 5120001158218、大阪府門真市)および同社関連会社から液晶パネル、プラズマディスプレイ等部品を受注。また、エコポイント制度導入による特需でプラズマ関連の受注が急増し、23年3月期にはピークとなる売上高88億3731万円を計上した。
しかし、以降はパナソニックグループが製造の海外展開を加速させたことや、東日本大震災の影響もあって、27年3月期の売上高は約28億円にとどまり3期連続の赤字となった。
同年7月、会社分割によりCELCO JAPAN(株)(TSR企業コード:822120577、法人番号:1500001018601、大洲市)に事業の大部分を移管。28年12月6日、株主総会の決議により解散するとともに、現商号に変更していた。
TS商事は、太陽光発電用シリコン加工を目的に設立。21年7月には総額約28億円を投じた新工場の完成に伴い本社を松山市大可賀に移転し、22年4月から本格稼働した。太陽光発電用シリコンのインゴット・スライス加工を主体に手掛け、国内企業や台湾、韓国企業からの受注も得て、23年3月期には約13億8900万円の売上高を計上。
しかし、その後は思惑通りの受注ができず、また円高の影響により海外からの受注を抑制したことで減収となり、25年3月期の売上高は約8900万円に低下。また、工場設備の償却負担等を吸収できず赤字が続き、大幅な債務超過に陥っていた。以降は事業を停止し28年12月2日、株主総会の決議により解散するとともに、現商号に変更していた。
日東通信機(株)(TSR企業コード:291157840、法人番号:5010901009340、世田谷区上用賀5-12-11、設立昭和29年11月、資本金6000万円、代表取締役:髙石見機氏ほか)は5月31日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。監督委員兼調査委員には永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、中央区日本橋3-3-4、電話03-3277-1300)が選任された。負債総額は債権者435名に対して約28億円。
昭和27年創業の老舗企業。光通信装置、放送映像装置などの通信関連機器の設計、製造、検査などを行い、大手電機メーカーの協力工場として高い技術力と豊富な実績を有していた。福島市内の工場で生産を行い、ピーク時の年間売上高は約98億円をあげていた。
しかし、以前から設備投資などに伴う多額の有利子負債を抱え、過剰債務の状態が続いていた。資産を売却し借入金の圧縮に取り組んできたが、競合激化や取引先メーカーの海外シフトなどから受注減に歯止めが掛からず、平成28年9月期には売上高が18億1556万円に減少し、1億1078万円の経常赤字に陥った。厳しい経営が続くなか、借入金の返済猶予を受けるほか資産売却などを続けてきたが、ここにきて資金繰りも限界に達し今回の措置となった。
29年5月30日付で旧経営陣は経営責任をとって退任し、新たに選任された新経営陣のもとでのDIP型会社更生手続(裁判所の監督のもとで申請時の経営陣等が管財人として経営を行う会社更生手続)による再建を図る方針である。
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