パナソニック液晶ディスプレイ(株)(TSR企業コード:322101352、法人番号:3140001065892、姫路市飾磨区妻鹿日田町1-6、設立2004(平成16)年10月、資本金5億円)は9月19日、神戸地裁姫路支部に特別清算を申請した。
申請代理人は柴野高之弁護士(弁護士法人堂島法律事務所東京事務所、東京都千代田区神田神保町3-2)ほか1名。
負債総額は約5836億円。
2004年10月、当時の(株)日立ディスプレイズ(TSR企業コード:294505385、2013年4月に(株)ジャパンディスプレイへ商号変更)の出資により(株)日立液晶TVディスプレイの商号で設立。2005年1月に(株)日立製作所(TSR企業コード:291054757、法人番号:7010001008844、東京都千代田区)、(株)東芝(TSR企業コード:350323097、法人番号:2010401044997、東京都港区)、松下電器産業(株)(現:パナソニックホールディングス(株)、TSR企業コード:570191092、法人番号:5120001158218、大阪府門真市)による合弁会社として正式に発足した。
広い視野角を特徴とするIPS方式の液晶パネルの開発製造を手掛け、2008年3月期には売上高約1523億9300万円をあげた。しかし、激烈な価格競争を受けて赤字が続き、2009年3月期には債務超過に転落。2010年には当時のパナソニック(株)の連結決算子会社となったが、その後も厳しい業況を脱せず、債務超過額が拡大していた。
こうした状況に対し、パナソニックグループとしては当社事業である液晶パネル生産を終了し、自動車向け電池などの生産拠点として活用すると公表。しかし、米中貿易摩擦の激化などで業績改善に至らず、事業継続が困難だとして徐々に業容を縮小し、2023年3月期には売上高約110億7300万円に対して約37億4700万円の赤字、債務超過額は約5832億1600万円となった。
こうしたなか、2023年3月末を以て完全に事業活動を停止。2023年度に入り、所有する工場等資産の処分・移管が完了する見込みとなり9月1日、存続期間の満了を以て解散し、今回の措置となった。
白井松器械(株)(TSR企業コード:570090164、法人番号:9120001081721、大阪市中央区森ノ宮中央1-19-16、設立1924(大正13)年12月、資本金3000万円)は9月19日、大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、保全処分および監督命令を受けた。
申請代理人は鈴木規央弁護士(アクトアドヴァイザーズ法律事務所、東京都港区虎ノ門1-17-1)ほか2名。
監査委員には加藤清和弁護士(梅田総合法律事務所、大阪市北区堂島1-1-5)が選任された。
負債総額は86億9600万円。
医科・理化学器械の製造、輸入、販売などを手掛けていた。長年の業歴と高い技術力にニッチなニーズにも対応し、病理検査室を持つ全国の主要病院と取引実績を有するなど、相応の営業基盤を構築し、ピーク時の1994年10月期には売上高46億9969万円を計上していた。しかし、同業他社の台頭による競合激化に加え、製薬会社の合併や撤退が相次いだことで業況が悪化。さらに、国立大学の独立行政法人化による予算の減少から、研究分野の市場も縮小していた。
こうした状況下で、金融機関から追加融資を受けることが困難になったため、当時の代表取締役の主導で粉飾決算を行うようになった。また、特定の大口顧客に対する売掛金回収サイトが長期に設定されていたうえ、安定供給のために過大な在庫を保有するよう要求され、厳しい資金繰りを余儀なくされていた。
借入金が膨らむなか、利払い負担の増加に加え、コロナ禍による売上減少も重なったことで、事業環境はさらに悪化。打開策として新たに環境改善機器を開発し、東南アジアのホテルや介護施設に売り込むことを計画していた。
しかし、2023年6月頃までに、当社の決算に疑念をもった複数の金融機関から約10億円の借入金を一括返済するよう求められたほか、借り換えも困難となり、資金ショートが避けられず、今回の措置となった。
(株)ビューティースリー(TSR企業コード:297178202、法人番号:7010001111474、江東区富岡1-13-6、設立2007(平成19)年8月、資本金300万円)は9月25日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。
破産管財人には島田敏雄弁護士(LM法律事務所、中央区銀座3-13-19)が選任された。
負債総額は債権者約4万6000名に対して80億円。
美容脱毛サロン専門店「C3(シースリー)」の運営を手掛けていた。追加料金なし・回数無制限で利用できる通い放題プランが特徴で、全国100店舗の展開を目指していた。2017年7月期には売上高17億3958万円をあげていたが、10億2448万円の赤字を計上するなど、新規出店や広告宣伝にかかる先行投資が重い負担となっていた。また、以降は人手不足などもあり、出店計画を見直していたほか、予約の取りにくさを改善するため、超高速脱毛器の導入を進めていた。
しかし、既存顧客が増える一方で、新規顧客の獲得が遅れたほか、「新型コロナウイルス」感染拡大による来店客の減少も響き、資金繰りが悪化。コロナ関連の融資などを受けて事業を維持してきたが、支えきれず今回の措置となった。
なお、一部の施術サービスは、FAVORIX BEAUTY(株)(TSR企業コード:872472698、法人番号:6290001062996、福岡市中央区)が引き継ぐとされる。
近畿用品製造(株)(TSR企業コード:570976677、法人番号:3122001009187、東大阪市加納4-7-28、設立1991(平成3)年3月、資本金1000万円)は9月25日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全処分および監督命令を受けた。
申請代理人は上甲悌二弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同、大阪市中央区平野町4-2-3)。
監督委員には村辻義信弁護士(尾島法律事務所、同市中央区高麗橋2-3-15)が選任された。
負債総額は62億円(2023年2月期決算時点)。
1986年に創業し、日用雑貨品等の企画製造卸を手掛けていた。100円ショップ「ダイソー」を展開する(株)大創産業(TSR企業コード:740163574、法人番号:7240001022681、東広島市)の専属企業的な立ち位置を確保し、売上の大半を同社向けが占めていた。取扱品目は数億点とも言われ、国内のほか中国や東南アジアなどにも生産拠点を整備していた。大創産業の業容拡大に合わせて2018年には徳島県に新規の拠点を確保するなどし、2023年2月期の売上高は約145億円にまで伸長した。
一方で、2008年には当社製品の「ボウル&ざる」から食品衛生法の基準を上回る化学物質が検出されたほか、2011年にも「こむぎ粘土12色入」から違反着色料が検出されるなどし、自主回収を余儀なくされるなど管理体制には不備が目立っていた。また、単価が抑制されるなか、コロナ禍以降は原材料高騰や円安による利益の下押し圧力が高まり、債務返済のめどが立たず、今回の措置となった。
関連サービス
人気記事ランキング
ラーメン店と好対照、中華料理店の倒産が低水準の謎
ラーメン店の倒産が過去最多ペースを辿るなか、中華料理店は対照的な動きをみせている。2024年1-8月の倒産はラーメン店が44件、中華料理店は7件と好対照だった。なぜ中華料理店の倒産は少ないのか。
2
全国の三セク鉄道 売上高トップは 「つくばエクスプレス」 三セク鉄道の約9割が輸送人員増も、6割が経常赤字
全国の第三セクター鉄道運営会社は、コロナ禍を経て9割が売上を伸ばした一方で6割が経常赤字から抜け出せず、地域によって明暗を大きく分けたことがわかった。 61社の2023年度の業績は、55社(構成比90.1%)が前年度から増収だった。ただ、経常赤字は37社で6割(同60.6%)と半数を超えた。
3
三井住友銀行をメインとする企業が10万社突破、東京・大阪・兵庫で強く
三井住友銀行をメインバンクする企業数が初めて10万社(10万442社)を超えた(8月21日号掲載、2024年全国メインバンク調査)。調査対象158万5,849社の6.3%がメインバンクに三井住友銀を選んでいる。
4
「想定為替レート」 平均は1ドル=143.5円 3期連続で最安値を更新
株式上場する主要メーカー109社の2024年度決算(2025年3月期)の期首の対ドル想定為替レートは、1ドル=145円が54社(構成比49.5%)と約半数にのぼることがわかった。 平均値は1ドル=143.5円で、前期から14.5円の円安設定だった。期首レートでは2023年3月期決算から3期連続で最安値を更新した。
5
企業が選ぶ次の自民党総裁は高市早苗氏 立憲民主党は野田佳彦氏
野党第一党の立憲民主党の代表選は9月7日に告示され、4人が立候補し、23日に開票される。また、与党第一党の自民党総裁選は9月12日に告示され、過去最多の9人が立候補し、27日に開票される。 世代交代も注目されるなか、企業に景気や自社ビジネスの発展に寄与すると思う候補者を聞いた。