(株)大黒商事(TSR企業コード:510029132、法人番号:1180301009960、豊川市中央通3-28、設立昭和29年1月、資本金7000万円、近藤裕社長)と、関連の(株)大黒地所(TSR企業コード:510050190、法人番号:9180301009961、同市中央通3-30、設立昭和37年2月、資本金5000万円、同社長)、(株)豊川カントリー倶楽部(TSR企業コード:023939974、法人番号:4180301010387、同市中央通3-30、設立昭和63年7月、資本金5000万円、同社長)の3社は1月9日、名古屋地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には山田幸彦弁護士(弁護士法人あおば法律事務所、名古屋市中区丸の内3-9-16、電話052-972-0091)が選任された。負債は、大黒商事が約69億円、大黒地所が約74億円、豊川カントリー倶楽部が約34億円で、3社合計約177億円。
大黒商事は事業者向け金融業者として設立し、以降は保険業務も手掛けるようになり、大手保険会社の代理特約店に指定。その後も自動車リース業や不動産賃貸業などを併営し、ピークとなる平成2年12月期には売上高約34億円を計上していた。また、大黒商事の不動産部門を分離独立し設立された大黒地所は、5年9月期にピークとなる売上高28億8933万円を計上していた。しかし、同業他社との競合激化の影響に伴い業績は低下の一途をたどるなか、関連会社の豊川カントリー倶楽部のゴルフ場用地購入に伴う借入が負担となり、これがグループ全体の資金繰りを大きく悪化させ、ゴルフ場建設計画自体も頓挫した。
最近は、業績回復のための営業拡販や経費削減等の経営努力を進めていたが、多額の借入負担により返済の見通しが立たなくなったことから、グループ企業3社ともに29年4月25日、事業を停止していた。
(株)イー・ステート(TSR企業コード:571848540、法人番号:1120001101899、大阪市中央区伏見町4-1-1、設立平成14年6月、資本金1000万円、代表清算人:平野泰久氏)は1月19日、大阪地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は48億1900万円(平成28年12月期決算時点)だが、その後の資産整理などで減少している可能性がある。
(株)日本エスコン(TSR企業コード:571289371、法人番号:8010001067609、東京都千代田区)の開発事業プロジェクトに伴うSPC(特別目的会社)の1社として設立され、大型複合開発案件である「福岡春日プロジェクト」の不動産販売および賃貸事業を手掛けていた。同プロジェクトは福岡県春日市と大野城市にまたがる開発総面積40数ヘクタールにおよぶ新市街地「春日フォレストシティ」を中心とし、多種多様の商業施設のほか約450戸の住宅を含む大規模なものだった。
しかし、リーマン・ショックにより不動産市況は急速に冷え込み、21年6月には親会社の日本エスコンが企業再生ADRを申請するなど業況は厳しさを増していた。こうしたなか、当社は22年12月期に売上高40億9641万円を計上。プロジェクト自体も28年6月には販売が終了し、当社は一応の役割を終えたが、過去の赤字計上から大幅な債務超過に転落していた。このため資産整理を進め、29年11月30日開催の株主総会の決議により解散していた。
(有)大曲建機(TSR企業コード:220106673、法人番号:4410002011289、大仙市下深井字石堂72-1、設立昭和56年9月、資本金1000万円、小林卓社長)は1月30日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債総額は38億5000万円。
昭和48年に創業し、当初は建設機械の整備を主体としていた。その後、建設機械の販売およびリース業に参入。取引先を経由し、アジアやロシアなどへ中古建設機械を納入するほか、クレーンやショベル、ホイルローダーなどを約300台保有しリースを行っていた。
ピークとなる平成25年12月期の売上高は49億5044万円を計上、以降も年間売上高は40億円台で推移し、28年12月期の売上高は45億6012万円をあげた。
しかし、保有する建設機械の減価償却負担等もあり採算性は低く、窮屈な資金繰りとなっていた。こうしたなか、29年12月26日に取引先の(株)PROEARTH(TSR企業コード:363795677、法人番号:6021001039417、神奈川県厚木市)が民事再生法の適用を申請したことで多額の焦付が発生。資金繰りはさらに悪化し、30年1月末の支払いが困難となり今回の措置となった。
カネ共三友冷蔵(株)(TSR企業コード:040011283、法人番号:3460401000062、根室市琴平町3-38、設立昭和41年9月、資本金4000万円、渡邊幸二社長)は1月31日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は井上愛朗弁護士(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1、電話03-5220-1800)。負債総額は36億6500万円。
水産加工販売業者として地元近海で水揚げされるサケやサンマなど水産物の加工を手掛けていた。昭和48年の東京営業所の開設を皮切りに全国的に販路を拡大し、最盛期の昭和末期には売上高が150億円にまで伸長した。しかし、57年に採択された200海里の「排他的経済水域規制」が導入されたことで水揚げが減少し、水産物相場が高騰。また、平成27年にはロシアが排他的経済水域内における流し網漁を禁止した影響から地元近海での水揚が激減。29年3月期の売上高は86億5594万円にまで減少し、1750万円の当期純損失を計上した。30年3月期に入ってからも根室地区での水揚減少に歯止めがかからず、状況はさらに悪化した。
29年9月以降は金融機関に対して借入金返済のリスケジュールを要請した。しかし、30年1月下旬に予定していた大口取引先からの入金が滞り、1月末の決済が困難となったため、今回の措置となった。なお、大阪を中心に「鳥貴族」などをフランチャイズ展開するトラオム(株)(TSR企業コード:571820735、法人番号:1120001160730、大阪市浪速区)をスポンサーとして事業再建を図る方針。
(株)パステル(TSR企業コード:150169078、法人番号:2380001007186、郡山市喜久田町字前北原53-26、設立平成14年2月、資本金5000万円、鈴木直人社長、従業員120名)は1月19日、福島地裁郡山支部へ民事再生法の適用を申請した。監督委員には高橋金一弁護士(高橋金一法律事務所、郡山市堤下町1-44、電話024-935-5770)が選任された。負債は約30億円。
日用雑貨を扱い積極的な新規出店で事業規模を拡大し、ピークとなる平成24年6月期の売上高は39億198万円を計上した。しかし、新規出店に伴う内装や設備等の多額の費用を要するにもかかわらず、売上高や利益は計画通りに伸びず、また一部商業施設への出店政策の失敗や、23年の新本社倉庫の取得により借入金等の負債が膨らみ、その負担が重くなっていた。
さらに、23年頃から海外商品の仕入れ、販売をするようになったが、納品されたものが不良製品だったり、物流仕分けに関わるコスト等がかかり、採算性が下がったことで資金繰りが悪化した。資金決済の目処が立たなくなったことから今回の措置になった。
関連サービス
人気記事ランキング


【TSRの眼】「トランプ関税」の影響を読む ~ 必要な支援と対応策 ~
4月2日、トランプ米国大統領は貿易赤字が大きい国・地域を対象にした「相互関税」を打ち出し、9日に発動した。だが、翌10日には一部について、90日間の一時停止を表明。先行きが読めない状況が続いている。
2

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定
2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。
3

ホテル業界 インバウンド需要と旅行客で絶好調 稼働率が高水準、客室単価は過去最高が続出
コロナ明けのインバウンド急回復と旅行需要の高まりで、ホテル需要が高水準を持続している。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2024年10-12月期の客室単価と稼働率は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に、前年同期を上回った。
4

2024年度の「後継者難」倒産 過去2番目の454件 代表者の健康リスクが鮮明、消滅型倒産が96.6%に
2024年度の後継者不在が一因の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は、過去2番目の454件(前年度比0.8%減)と高止まりした。
5

2025年「ゾンビ企業って言うな!」 ~ 調達金利の上昇は致命的、企業支援の「真の受益者」の見極めを ~
ゾンビ企業は「倒産村」のホットイシューです、現状と今後をどうみていますか。 先月、事業再生や倒産を手掛ける弁護士、会計士、コンサルタントが集まる勉強会でこんな質問を受けた。