アイテック(株)(TSR企業コード:291752233、法人番号:5010001000159、中央区日本橋堀留町2-1-3、設立1981(昭和56)年5月、資本金4億8000万円、関丈太郎社長)は10月17日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全・監督命令を受けた。申請代理人は和田正弁護士(桜川協和法律事務所、港区虎ノ門1-21-19、民事再生担当窓口:電話070-7517-0836)ほか。監督委員には岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所、中央区八丁堀4-1-3)が選任された。
負債総額は債権者216名に対して132億円。
病院の開設に伴う計画や構想など、医業向けの経営コンサルティング会社。設立当初は、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて、イラクをはじめとする海外の病院建設などのコンサルティングを展開していた。しかし、海外での政情不安により工事の遅れや回収遅れが発生する一方、警備費用の増大や外注費の発生による大幅なコスト負担が生じた。さらに、度重なる為替変動による為替差損の発生で資金繰りは逼迫した。
海外情勢の悪化などから国内向けに主軸を移し、国内病院向け案件の増加や電子カルテシステムの更新支援などにより、2021年4月期には売上高145億4156万円を計上。さらに2022年4月期もコンサルティングが堅調だったほか、「新型コロナウイルス」感染対策に関係する施設の整備なども請け負い、売上高は161億6445万円まで伸長していた。
しかし、新型コロナの感染拡大により、海外の案件が滞った。また、国内の公的医療機関のコンサルティング料の入金は年間1回だったため、回収サイトの長期化などから恒常的に手元資金が不足していた。
資金繰りが改善しないなか、関係先との協議を進め、スポンサー支援を前提とした民事再生手続きを選択した。
(株)コーケン(TSR企業コード:290914485、法人番号:9010401009572、港区芝公園2-9-5、設立1970(昭和45)年4月、資本金1000万円、代表取締役:山本浩彦氏ほか)は10月28日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。申請代理人は森田岳人弁護士(松田綜合法律事務所、千代田区大手町2-1-1、電話03-3272-0101)ほか4名。破産管財人には長島良成弁護士(長島良成法律事務所、千代田区五番町5、電話03-5276-1321)が選任された。
負債総額は72億2420万円。
医薬品や医療機器などを全国厚生農業(協組連)(JA全厚連、TSR企業コード:290465672、法人番号:3010005002087、千代田区)が運営する病院や民間病院向けに販売し、2021年3月期には売上高246億8135万円をあげていた。
しかし、医業経営コンサルティングのアイテック(株)(TSR企業コード:291752233、法人番号:5010001000159、東京都中央区)が10月17日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことで多額の不良債権が発生。資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。
スペースキット(株)(TSR企業コード:017127645、法人番号:3010001174698、長岡市上前島1-1860、登記上:東京都中央区八重洲2-8-7、設立2016(平成28)年4月、資本金1000万円、代表清算人:宇佐美浩一氏)は10月5日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は47億5866万円(2021年3月期決算時点)。
東京都千代田区でデータセンター事業等を目的に設立。2018年1月にはAIやブロックチェーン処理などで高まる顧客の需要に対応したデータセンターを長岡市内に開設した。豪雪地として知られる同地の雪や外気を活用し、消費電力を大幅に削減した施設として話題を集めていた。
施設の稼働に伴い、2019年3月期は売上高1億5572万円をあげたが、減価償却費の負担などが重く、10億1608万円の赤字を計上。その後も採算割れの経営が続いたことから、段階的に事業を他社に譲渡するなどして縮小していた。
2021年3月期は事業譲渡に伴う損失等を計上したこともあり25億2805万円の赤字となり、債務超過額は43億910万円に拡大。こうしたなか2022年6月29日、株主総会の決議により解散し、清算手続きを進めていた。
(医)二豊会(TSR企業コード:890096376、法人番号:9320005005160、国東市国見町伊美1968、設立1976(昭和51)年8月、理事長:田北親譜氏)は10月3日、大分地裁中津支部へ民事再生法の適用を申請し同日、監督命令および民事再生開始決定を受けた。申請代理人は鈴木規央弁護士ほか2名(アクトパートナーズ法律事務所、東京都港区虎ノ門1-17-1、電話03-6868-8426)。監督委員には西畑修司弁護士(西畑法律事務所、中津市新魚町1911-1、電話0979-26-0300)が選任された。
負債総額は債権者114名に対して15億3959万円。
1972年に国見病院を開院。その後、介護事業にも進出し、2003年の認知症グループホーム「向日葵」の開設を皮切りに、認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護施設、サービス付き高齢者住宅、障害者グループホーム等を開設するなどして、業容を拡大してきた。
しかし、開設したサービス付き高齢者住宅の採算が取れず、2016年3月期には約1億4500万円の赤字を計上し、2018年3月期には債務超過に転落。その後は、主要債権者である金融機関などの支援を受けながら経営改善を図り、2022年3月期には黒字に転換した。
ところが、2021年11月頃から患者数が大幅に減少し、病院の収入が激減。他施設の入居者を病院に転床させる等の対策を講じたが、資金繰りの急激な悪化に歯止めがかからず、今回の措置となった。
潜匠建設(株)(TSR企業コード:142210617、法人番号:5370801001246、名取市美田園3-16-1、設立2008(平成20)年3月、資本金2000万円、吉田浩文社長)は9月30日、仙台地裁へ破産を申請した。申請代理人は及川雄介弁護士(仙台のぞみ法律事務所、仙台市青葉区一番町2-10-26、電話022-225-8198)。
負債総額は12億円(2021年9月期決算時点)。
宮城県沿岸部等での土木工事を主体に展開。東日本大震災で事務所が流失し、一時は業容を縮小していたが、その後は復興需要を背景に大手ゼネコンからの受注を確保、業績は伸長傾向をたどり、2018年9月期には完工高12億4391万円を計上していた。
しかし、震災復興需要の収束とともに受注が減少。外注費が嵩んだことで採算性も悪化し、2019年9月期には2億6624万円の最終赤字を計上して債務超過に転落した。
厳しい資金繰りが続くなか、2022年9月期には従業員の大半を解雇するなど事業のスリム化を図りつつ立て直しを模索していたが、業績改善の見込みもなく今回の措置となった。
エスケー管財(株)(TSR企業コード:020018363、法人番号:4430001050014、小樽市奥沢1-21-15、設立1961(昭和36)年5月、資本金1000万円、代表清算人:稲田文雄氏)は10月3日、札幌地裁小樽支部より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は9億7000万円(2021年3月期決算時点)。
アイスクリームの製造業者。創業当時から大手乳業メーカーの協力工場として稼働し、1991年3月期から6期連続で売上高6億円超を計上していた。しかし、1997年3月期に同社がアイスクリーム部門を大幅に縮小したことで、売上が減少。打開策として、大手 コンビニエンスストアとの取引で業績回復を図ったが、同社がアイスクリーム製造をグループ企業で内製化することとなり、2005年3月期には売上高が9390万円にまで落ち込んだ。
以降は本州の飲食チェーン店や大手食料品商社に販路を求め、年間売上高は5億円台を計上するまで回復。しかし、2018年3月期に欠品や原材料ロスが増加し、大幅赤字から債務超過に陥った。2018年夏には商品に大腸菌が混入し、回収を余儀なくされる事態となり、2019年3月期も多額の赤字を計上した。
こうしたなか、2021年1月には(生協)コープさっぽろ(TSR企業コード:010106413、法人番号:7430005003056、札幌市西区)との業務提携に合意。以降はコープさっぽろのPBブランドの製造を受託すると同時に経営支援、出向者を受け入れるなどし、人的・営業支援により事業拡大を目指した。しかし、2021年3月期は売上高2億8626万円に対し9412万円の赤字を計上し、債務超過額は4億6780万円に拡大した。
こうした状況を鑑み、当社の財務改善には時間を要することから、事業を継承する受け皿会社として新:さくら食品(株)(TSR企業コード:693841877、法人番号:5430001085587、小樽市)がコープさっぽろにより設立され、2022年2月に事業を移管。当社はさくら食品(株)から現商号に変更し6月17日、株主総会の決議により解散していた。
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