(株)グリーンインフラレンディング(TSR企業コード:018611222、法人番号:6010401126230、港区新橋6-2-1、設立2016(平成28)年7月、資本金1億2000万円、中久保正己社長、以下GIL社)は4月9日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には蓑毛良和弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、新宿区新宿1-8-5)が選任された。負債総額は一般投資家を中心に債権者4855名に対して128億円。
ソーシャルレンディングのmaneoマーケットのプラットフォームを利用し、再生可能エネルギー向けの「グリーンインフラレンディング」を展開していた。一般債権者から10%を超える利回りのローンファンドを募集し、貸付件数2204件、貸付金額200億8026万円(GIL社公表)まで拡大していた。
しかし、2018年6月に投資家への説明と異なる使途に一部資金を使用した疑いがあるとして、maneoマーケットがファンドの新規募集を停止。以降、ファンドの利払いの延滞が続いていた。
また、maneoマーケットがGIL社は2018年7月に返済を受けた投資家の分配・償還原資を、銀行預金口座に保管することなく、親会社の(株)JCサービス(TSR企業コード:575128062、法人番号:9120001103863、大阪市西区)に不正に送金していたこと指摘。
だが、GIL社はmaneoマーケットの情報開示の要請に応じる理由がないとしたほか、投資家への分配・償還もGIL社が決定するとして対応しなかった。 これに対して、maneoマーケットは、「新型コロナウイルスの影響を加味しても、GIL社が公開している返済予定の真偽確認がとれないうえ、長期化している延滞案件に係る当社の調査においても、好転は期待できないと推察されることから法的手続きを進めることを判断した」として2021年3月8日、東京地裁に破産を申し立てた。maneoマーケットからの破産の申し立てに対し、GIL社は全面的に争い4月8日の第2回審尋期日で再反論を行う予定だった。
こうしたなか、3月12日にGIL社は一部投資家からも破産を申し立てられた。対抗手段として民事再生法の適用の申請を検討したが、投資家情報をmaneoマーケットが保有し、情報をGIL社が入手できる見込みがなく、民事再生法の申請に必要な資料を準備することができず、申請を断念していた。
南大阪食肉市場(株)(TSR企業コード:571479120、法人番号:6120101025738、松原市河合6-75、設立1979(昭和54)年6月、資本金1億2300万円、代表清算人:村上幸春氏)は3月12日、大阪地裁堺支部に破産を申請し3月25日、破産開始決定を受けた。破産管財人には川瀬まやな弁護士(塩路法律事務所、大阪市中央区難波3-7-12、電話06-6634-5881)が選任された。負債総額は67億1000万円。
大阪府や松原市などが出資する第3セクター(株)松原食肉市場公社(TSR企業コード:571479111、松原市)が運営する松原食肉地方卸売市場の値付け業務を行う目的で設立。公社が経営不振に陥り、2002年7月に市場の設置運営業務を継承した。
積極的な営業展開で2006年3月期には売上高101億8682万円を計上。しかし、その後は市況低迷の影響などもあり業容は縮小し、2013年3月期には売上高が57億716万円にまで落ち込み、債務超過に陥っていた。また、公社からの事業継承に際し、当時、大阪府から借り入れていた無利子融資25億3900万円の第1回返済分2億5000万円が期日の2013年4月1日の返済期限を過ぎても履行されず、大阪府から訴訟を起こされるなど厳しい状況が続いていた。
その後も状況は改善せず、2015年6月には事業を停止。2020年7月、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
相澤建設(株)(TSR企業コード:590001965、法人番号:4230001000039、富山市上飯野43-5、設立1974(昭和49)年9月、資本金3000万円、相澤行広社長)は4月5日、富山地裁へ破産を申請し4月23日、破産開始決定を受けた。破産管財人には山本賢治弁護士(山本賢治法律事務所、同市堀端町2-2、電話076-421-1868)が選任された。負債総額は34億3300万円。
富山県下の有力総合建設会社で、当社を中核として相澤グループを形成していた。官公庁や民間企業、一般個人などから受注を確保し、注文住宅をはじめ店舗、飲食店、病院、学校など幅広い業種の物件を手掛けていた。
1991年2月期にはピークとなる完工高45億9874万円を計上していたが、以降は景気低迷に伴い右肩下がりで推移し、2020年2月期には完工高が18億8034万円にまで減少していた。2021年2月期は官公庁発注工事や民間工事などを中心に受注し、富山県内に現場を多数抱えていたものの、関連会社の不動産事業などに対する資金投下や貸付金などの負担から金融債務の負担が重荷となっていた。
こうしたなか、「新型コロナウイルス」感染拡大により、関連会社が手掛ける温浴施設や焼肉屋などが影響を受けてグループ全体の業績が急速に悪化。資金繰りも限界に達したことから、事業継続を断念した。
NAGAOKA管理(株)(TSR企業コード:440073260、法人番号:3080101004773、伊豆の国市長岡1068、設立1950(昭和25)年1月、資本金1000万円、代表清算人:樋口收氏)は3月31日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には和田正弁護士(みなと協和法律事務所、東京都港区虎ノ門2-1-1、電話03-5544-8296)が選任された。負債総額は債権者10名に対して17億円。
(株)さかなや旅館の商号で設立し、「さかなや旅館」を経営していた。飲める温泉や駿河湾の海の幸を使った料理が好評で、観光宿泊客を中心に集客を図ってきたが、建物の老朽化が進むなか、2010年頃には本社地の旅館を閉鎖し、以降は別館のみを運営していた。
2018年7月1日には会社分割により別会社に事業を移管し2019年3月31日、株主総会の決議により解散していた。
石山冷菓(株)(TSR企業コード:340000147、法人番号:7090001000166、甲府市中小河原1-5-24、設立1958(昭和33)年12月、資本金4945万円、石山勇生社長)は3月31日、甲府地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には堀内寿人弁護士(アウル総合法律事務所、同市相生2-6-5、電話055-224-2960)が選任された。負債総額は債権者3名に対して16億6000万円。
1951年4月に創業した老舗の冷菓、製氷製造業者。その後、1967年12月には甲府市内でスケートリンク「甲府アイスパレス」の運営を開始し、ピーク時には約17億円の年間売上高をあげていた。
大手食品メーカーの下請として冷菓製造を手掛けていたが、幅広い商品への対応が困難でメーカー側のニーズに応じることができず取引が終了となり、スケートリンクのみの営業となった。しかし、事業環境は厳しく、過去の設備投資等への多額の負債も重荷となっていた。
2003年8月から営業を停止し、不動産の売却を進めていた。
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