2014年4月の全国企業倒産914件 18カ月ぶりに前年同月を上回る
倒産件数が前年同月比1.6%増 18カ月ぶりに前年同月を上回る
2014年(平成26年)4月度の全国企業倒産は、件数(負債額1,000万円以上)が914件、負債総額は1,410億8,700万円だった。
倒産件数は前年同月比1.6%増(15件増)で、2012年10月以来18カ月ぶりに前年同月を上回った。連続減少期間は過去5番目の17カ月でストップした。。
ただし、4月度としては1995年以降の過去20年間では、2013年(899件)に次いで2番目に少ない水準で、依然として全体の基調は抑制された状況が続いている。このため、企業倒産が増勢に転じたかどうかは、今後の推移をみる必要がある。
負債総額は前年同月比79.4%減(5,449億円減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。この大幅減は、前年同月は建築工事のカブトデコム(株)(北海道・負債5,061億円)の大型倒産発生で負債が膨らんだのに対して、当月は負債100億円以上が3カ月連続で発生なしで、負債1億円未満の倒産が647件(前年同月比5.2%増、構成比70.7%)と小規模倒産が増加したことが影響した。
- 形態別:特別清算33件で19カ月ぶりに30件を上回る
- 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が25件、3カ月連続で前年同月を下回る
- 「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が16件、24カ月連続で前年同月を下回る
- 業種別件数:スーパー、飲食業などの個人消費関連や、道路貨物運送業で前年同月比増加
- 原因別件数:好況期に増加傾向を示す「事業外の失敗」と「設備投資過大」が前年同月を上回る
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が914件(構成比100.0%)、9カ月ぶりに前年同月を上回る
産業別 小売業が4カ月ぶりに前年同月を上回る
4月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を上回った。
消費税率引き上げの影響が懸念される小売業は126件(前年同月比35.4%増)で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。業種別では、各種食料品小売(3→10件)、婦人・子供服小売(6→10件)などで増加し、今後の個人消費関連の動向が注目される。
燃料価格が高止まりする運輸業は51件(前年同月比30.7%増)で、2013年5月(51件)以来の50件超えになった。また、サービス業他は229件(同16.8%増)で、2カ月連続で増加した。消費税引き上げ前の駆け込み需要で活況を見せた不動産業も28件(同16.6%増)で、3カ月連続で前年同月を上回った。さらに、卸売業(133件、同1.5%増)は9カ月ぶりに増加に転じた。一方、建設業は171件(同17.3%減)で26カ月連続で減少し、製造業(121件、同22.4%減)は9カ月連続で減少した。
地区別 9地区のうち5地区で前年同月を上回る
4月の地区別倒産件数は、9地区のうち5地区で前年同月を上回った。
北陸が倍増の36件(同100.0%増)で10カ月ぶりの増加。関東335件(同4.0%増)で9カ月ぶりの増加、震災の直接被災地である東北は33件(前年同月比10.0%増)で3カ月ぶりに増加し、県別では青森、岩手で前年同月を上回った。北海道が32件(同3.2%増)で3カ月ぶりの増加、九州は67件(同1.5%増)で2カ月ぶりに増加した。
一方、四国は21件(同4.5%減)で12カ月連続の減少。中国41件(同2.3%減)は3カ月連続で前年同月を下回り、中部114件(同14.2%減)が2カ月連続で減少した。このほか近畿が前年同月同数の235件だった。
※地区の範囲は以下に定義している。
- 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
- 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
- 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
- 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
- アールインベストメントアンドデザイン(株)/東京都/不動産開発/82億2,000万円/破産
- (株)コースタルオアシス松任/石川県/不動産賃貸/38億2,000万円/破産
- 古平町水産加工業(協)/北海道/協同組合/31億3,700万円/破産
- インフォレスト(株)/東京都/雑誌・書籍出版業/30億円/取引停止処分
- (株)きようしん/群馬県/婦人服販売/28億2,400万円/民事再生法
- 製品詳細・資料請求・お問い合わせに関して
製品に関する詳細情報、料金体系につきましては、「資料請求・お問い合わせ」ボタンをクリック後、以下の手順でお問い合わせください。
- お問い合わせ種別:「お問い合わせ」を選択
- お問い合わせの内容:「○○○」(任意:質問事項・要件など)とご記入
- ご連絡先:必要事項を入力し、送信してください。
- このページを見ている人はこんなページも見ています
-
重要な経済指標である倒産をベースに国内経済を把握できます。
倒産月報・企業倒産白書倒産情報や債権者リストなど経営判断に欠かせない情報誌です。
TSR情報誌(倒産情報誌)国内を含めた世界最大級の多彩な企業情報をオンラインでご提供!
インターネット企業情報サービス(tsr-van2)1日2回、最新の倒産情報をメールいたします。
TSR express(TSR情報Web) -倒産情報配信サービス-