2016年6月の全国企業倒産763件
倒産件数が763件 6月としては26年ぶりの800件割れ
2016年(平成28年)6月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が763件、負債総額は1,080億6,500万円だった。
倒産件数は、前年同月比7.4%減(61件減)で4カ月連続で前年同月を下回った。6月としては1990年(516件)以来、26年ぶりに800件を割り込んだ。金融機関が中小企業のリスケ要請等に柔軟に応じていることや、大手企業を中心とした業績拡大による景気の底上げなども影響して、依然として低水準な推移が続いている。
負債総額は、前年同月比14.8%減(187億9,600万円減)で4カ月連続で前年同月を下回り、6月としては過去20年間で最小規模にとどまった。負債1億円未満が574件(構成比75.2%)と全体の7割を占めたのに対し、負債100億円以上の大型倒産は2カ月ぶりに発生なしなど、小規模な倒産が多い状況に変化はない。
- 形態別:法的倒産の構成比が過去最高の90.8%
- 原因別件数:「事業上の失敗」が5カ月連続で前年同月を上回る
- 従業員数別:5人未満の構成比が73.0%、3カ月連続で70%を上回る
- 「熊本地震」関連倒産が2件発生
- 「チャイナリスク」関連倒産が8件、2カ月ぶりの1桁台
- 「円安」関連倒産が7件、2カ月ぶりに前年同月を下回る
- 業種別:専門料理店(10→22件)、老人福祉・介護事業(4→8件)などで増加
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、4カ月連続で前年同月を下回る
産業別 10産業のうち5産業で件数増加
2016年6月の産業別倒産件数は、10産業のうち5産業で前年同月を上回った。
飲食業や広告業などを含む、サービス業他が212件(前年同月比7.0%増)で、3カ月連続で前年同月を上回った。内訳では、西洋・中華料理店などを含む専門料理店(10→22件)や老人福祉・介護事業(4→8件)、自動車整備業(6→9件)などで増加した。
また、不動産業31件(前年同月比34.7%増)は5カ月ぶり、運輸業22件(同10.0%増)が4カ月ぶり、小売業は117件(同20.6%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。農・林・漁・鉱業は4件(前年同月3件)ながら、2カ月連続で前年同月を上回った。
一方、建設業146件(前年同月比7.5%減)と情報通信業25件(同37.5%減)がともに2カ月ぶりに前年同月を下回り、卸売業が108件(同16.2%減)で5カ月連続、製造業97件(同37.0%減)で4カ月連続で前年同月を下回った。また、金融・保険業は1件(前年同月2件)だけで、8カ月ぶりのマイナスになった。
地区別 9地区のうち5地区で前年同月を下回る
2016年6月の地区別件数は、9地区のうち5地区で前年同月を下回った。
こうしたなか、中国35件(前年同月比6.0%増)と北海道22件(同4.7%増)がともに2カ月連続の増加、中部が116件(同6.4%増)で3カ月ぶりに増加に転じ、北陸は22件(同15.7%増)で2カ月ぶりに前年同月を上回った。産業別では、中国が小売業(2→7件)と建設業(4→8件)で件数を押し上げ、北海道は建設業(5→8件)で増加が目立った。
一方、九州は54件(前年同月比28.9%減)で7カ月連続の減少。近畿206件(同5.0%減)と関東267件(同11.2%減)は、それぞれ4カ月連続で前年同月を下回った。ただし、近畿は11カ月ぶりに200件台に乗った。
東北は32件(前年同月比3.0%減)で3カ月ぶりに前年同月を下回り、四国が9件(同40.0%減)で2カ月連続で前年同月より減少した。
※地区の範囲は以下に定義している。
- 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
- 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
- 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
- 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
※2016年6月の佐賀県の負債1,774百万円を1,612百万円に訂正。
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
- (株)ヤマイ/熊本県/不動産売買、賃貸、仲介/71億円/民事再生法
- (株)エストゥ/栃木県/総合建設業/55億3,400万円/破産
- (株)タスコシステム/東京都/純粋持株会社/48億5,000万円/破産
- (株)セブンス・アベニュー/愛知県/婦人服卸/43億9,000万円/取引停止処分
- 玉野レクリエーション総合開発(株)/岡山県/ゴルフ場経営ほか/43億8,600万円/民事再生法
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