アイエス(株)(TSR企業コード:740150707、法人番号:8240001000091、広島市南区東雲本町2-21-17、設立昭和50年8月、資本金2億円、長原正明社長)は12月7日、広島地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には今田健太郎弁護士(弁護士法人あすか、同市中区上八丁堀4-1、電話082-227-7145)が選任された。負債総額は約465億9200万円。
不動産デベロッパーで、大型の宅地開発やマンション分譲を手掛け、物件販売がまとまった際には年間売上高が100億円を突破することもあった。平成8年より広島市北西部の「西風新都」の一部「善當寺工業地区」(ヒューマンライフパーク)の開発に着手、開発規模127ヘクタールの超大型物件で、用地購入に200億円、造成工事に300億円を要する大型計画だった。
8年11月に開発許可を得て、11年度の完成予定となっていた。開発はゼネコン4社によるJVが行っていたが、思惑通りに事業は進まず計画自体が頓挫、多額の借入金を抱えたままの状態が続いていた。加えてJVの組織企業が相次いで破綻してJVは事実上解体、開発再開のめどが立たない状態が続き、金融機関からの借入金は債権回収会社へ債権譲渡されていた。最近は実質的に営業を行っておらず、28年6月に債権者から破産を申し立てられていた。
(株)アルフレックス(TSR企業コード:641364458、法人番号:2130001005867、京都市中京区柳馬場通御池下ル柳八幡町65、設立平成12年3月、資本金40億8000万円、近藤憲和社長、従業員150名)は10月18日、整理回収機構から京都地裁に破産を申し立てられていたが、12月5日に破産開始決定を受けた。破産管財人には木村圭二郎弁護士(共栄法律事務所、大阪市中央区北浜3-7-12、電話06-6222-5755)が選任された。負債総額は163億4100万円。
「ベストプライス」の店舗名で全国にガソリンスタンドを経営し、高い価格競争力を背景に店舗数を拡大していた。しかし、社有不動産に対し平成26年2月、整理回収機構より仮差押の登記が表面化した。その後、整理回収機構から債権回収を免れるため、会社資金を海外の口座に不正に隠したとして、強制執行妨害の容疑で社長など複数の役員が27年10月に逮捕された。また、27年11月には整理回収機構から当社社長らに損害賠償を求め訴訟を起こされた裁判で敗訴となった。28年9月2日、社有不動産に設定されていた根抵当権(極度額8億円、債務者は当社、債権者はカナダのレインボウ・ワン・インベストメント・リミテッド)は詐害行為取消しを原因に抹消(代位者は整理回収機構)され、その後の動向が注目されていた。
(株)TKK(旧:大阪装置建設(株)、TSR企業コード:570027446、法人番号:3120001072544、大阪市西淀川区姫島3-11-27、登記上:千代田区丸の内1-7-12、設立昭和26年9月、資本金3000万円、代表清算人:伊與木正晴氏)は12月20日、東京地裁に特別清算を申請し12月22日、開始決定を受けた。申請代理人は吉田広明弁護士(弁護士法人北浜法律事務所東京事務所、千代田区丸の内1-7-12、電話03-5219-5151)。負債総額は約39億9000万円。
明治28年4月、池田組として創業。大阪瓦斯(株)(TSR企業コード:570384168、法人番号:3120001077601、大阪市中央区)の指定工事業者として、同社からの受注を中心とするガス設備関連工事のほか、食品・化学・薬品等のプラント工事・メンテナンス、各種水門や橋梁、さらにごみ焼却施設などのエンジニアリング事業を手掛けてきた。平成9年3月期には完工高79億2694万円を計上していたが、その後はガス以外のエネルギー多様化やリーマン・ショック以降の企業の設備投資減少を受けて減収基調となり、23年3月期には完工高29億5902万円に低下し、赤字を余儀なくされた。
こうしたなか、金融機関の支援を受け事業再生を目指し、資産の売却などを進める一方、コージェネレーション設備等に活路を求めるなどして28年3月期は完工高33億5265万円を計上し、採算も改善した。 28年9月30日、(株)新出光(TSR企業コード:870011570、法人番号:9290001013666、福岡市博多区)とエネルギー事業の強化を目的に株式譲受契約を締結。10月31日開催の株主総会の決議により解散し、11月1日に会社分割により当社の事業を大阪装置建設(株)(TSR企業コード:022195939、法人番号:1120001200791、大阪市西淀川区、設立平成28年9月)に譲渡、当社は現商号に変更し今回の措置となった。
(医)武蔵野総合病院(TSR企業コード:310179823、法人番号:4030005008552、川越市大袋新田977-9、設立昭和42年11月、小室万里理事長)と、関連の(医)刀圭会本川越病院(TSR企業コード:310117372、法人番号:6030005008534、同市中原町1-12-1、設立昭和33年12月、同理事長)の2社は12月27日、さいたま地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には荒木直人弁護士(荒木法律事務所、さいたま市浦和区高砂2-3-18、電話048-831-8715)が選任された。負債は武蔵野総合病院が約36億5700万円、刀圭会本川越病院が約27億6100万円。
武蔵野総合病院は内科や外科などの総合病院(病床数185床)を経営し、平成27年3月期は売上高24億8439万円をあげていた。27年3月には地元商業施設のウニクス川越内にCTやMRI等を備えた川越予防医療センター・クリニックをオープンし、28年3月期の売上高27億8232万円にまで拡大した。しかし、最近では診療報酬改定等で経営環境の厳しさが増していたなか、既往の設備投資による収益圧迫もあり2期連続赤字を余儀なくされた。
刀圭会本川越病院は、過去に(医)廣瀬病院として事業を展開していたが、過大な設備投資が負担となり18年11月、民事再生法の適用を申請。19年5月に武蔵野総合病院の傘下となり24年2月、現在名に変更し脳神経外科等もある本川越病院を経営していた。28年3月期は売上高約7億2400万円をあげていたが、債務超過状態で厳しい資金繰りが続き、関連法人とともに今回の措置をとった。
石田(株)(TSR企業コード:400027810、法人番号:2180001034135、岐阜市長住町5-4、設立昭和24年12月、資本金9800万円、神鳥実社長)は12月2日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には福田大助弁護士(成和明哲法律事務所、港区虎ノ門4-3-1、電話03-5405-4080)が選任された。負債総額は約28億5500万円。
明治7年に滋賀県で創業し、当初は生地・服糸・手芸糸・ボタン等の服飾付属品の卸売を展開していた。その後はアクセサリー販売、インナーウェア、ホビー用品、アパレル事業等の部門構成となり、ピークとなる平成4年5月期には売上高158億7944万円をあげていた。
しかし、その後は安価な海外製品との競合等もあり販売環境は悪化し赤字を散発。多額の借入金を抱え、苦しい資金繰りに陥っていた。28年2月期の売上高は17億460万円に落ち込み、資産売却による特別利益の計上で採算を維持したが、借入負担が重く支えきれなかった。
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