六本木開発(株)(港区東麻布1−29−13、設立昭和63年3月、資本金3000万円、竹越健二代表)と関連会社のインターメスティック(株)(同所、設立昭和53年12月、資本金1億円、同代表)の2社は、1月25日東京地裁に破産手続開始を申し立て、1月30日開始決定を受けた。破産管財人には片山英二弁護士(中央区八重洲2−8−7、阿部・井窪・片山法律事務所、電話03−3273−2600)が選任された。負債総額は六本木開発(株)が約1340億円、インターメスティック(株)が約62億円で2社合計約1402億円。
六本木開発(株)は昭和63年3月に不動産開発を目的に麻布建物(株)の100%子会社として設立。麻布建物グループの1社としてバブル期に積極的な不動産買収を進めるとともに、港区内で駐車場の経営や建物賃貸業などを展開していた。
しかし、バブル崩壊後はグループ所有不動産の価格下落などから業績が急激に悪化、多額の金融債務の負担が重荷となっていた。さらに平成9年には麻布建物グループ創業者の渡辺喜太郎氏が強制執行妨害容疑で逮捕されるなどトラブルも続き、以降は所有不動産の売却など債務整理を進め、事実上の休業状態となっていた。
インターメスティック(株)は昭和53年12月に麻布自動車(株)として設立し、平成8年に現商号に変更していた。高級車中心の自動車ディーラーとして同3年5月期には年商約37億円を計上していたものの、グループの迷走化とともに近年は同社も営業停止状態だった。
(株)東千葉カントリー倶楽部(品川区東五反田1−20−7、登記上:千代田区有楽町2−3−6、ゴルフ場:千葉県東金市滝503、設立昭和47年6月、資本金2000万円、高橋孝次社長、従業員20名)は、1月21日東京地裁に民事再生手続開始を申し立て、同日保全命令を受けた。申立代理人は高木裕康弁護士(千代田区丸の内1−4−2、東京丸の内・春木法律事務所、電話03−3213−1081)。監督委員には清水建夫弁護士(中央区銀座6−9−7、銀座通り法律事務所、電話03−5568−7601)が選任されている。負債総額は債権者約6786名に対し約508億円(内、会員からの預託金約347億円)。
同社は昭和47年6月に設立されたゴルフ場経営会社。同52年に千葉県東金市にゴルフ場「東千葉カントリー倶楽部」東コース(18ホール、パー72)を開場。その後、同61年7月と平成5年7月に西コース(18ホール、パー72)を開場し、同16年12月期には年商12億6000万円を計上していた。
しかし、直近の平成18年12月期年商も12億6000万円で横這いに推移していたものの、他のゴルフ場との競合などにより来場者数は伸び悩み、財務面は債務超過となっていた。さらに、預託金の償還問題を抱え、償還資金の手当ても困難なため、今回の申立となった。
(株)鳩山レイク(千代田区飯田橋1−7−10、ゴルフ場:埼玉県比企郡鳩山町小用1026、設立昭和28年6月、資本金5000万円、棚橋史博社長、従業員20名)は、1月15日東京地裁に民事再生手続開始を申し立て、同日保全命令を受けた。申立代理人は相澤光江弁護士(港区虎ノ門4−3−13、坂井・三村・相澤法律事務所、電話03−6721−3111)ほか1名。監督委員には那須克巳弁護士(中央区日本橋本町3−3−4、那須・本間法律事務所、電話03−3516−2281)が選任されている。負債総額は債権者約600名に対し345億円。
同社は昭和28年設立後、一時休眠状態を経て同60年ゴルフ場建設を目的に事業を再開。平成2年10月、ゴルフ場「武蔵富士カントリー倶楽部」(18ホール、パー72)を開場した。丘陵コースながら1ホールあたりの高低差は10メートルなく、フラットで広いフェアウェイは来場者にも人気が高く、同10年1月期には年商10億円を計上していた。
しかし、ゴルフ場開設に投じた500億円は会員権販売で賄ったものの、他のゴルフ場との競合などにより来場者数は伸び悩んでいたため年々減収をたどり、直近の平成19年1月期年商は約8億5000万円にとどまっていた。また、同20年10月からの預託金の償還問題もあり、現状の利益状況では償還資金を捻出することが困難なため、今回の申立となった。
楽天(株)(ジャスダック)子会社の楽天メディア・インベストメント(株)(港区六本木6−10−1、設立平成17年10月、資本金1000万円、森脇啓太代表清算人)は、東京地裁に特別清算手続開始を申し立て、1月17日開始決定を受けた。平成19年12月20日開催の株主総会で解散を決議していた。負債総額は約220億円。
同社は楽天(株)100%出資により、有価証券の保有及び運用を目的に設立された投資会社。平成17年10月、TBS((株)東京放送、東証1部)株式の取得を始めるほか、同19年7月には東京電力(株)(東証1部)傘下でIP電話事業のフュージョン・コミュニケーションズ(株)(千代田区)の株式取得も行っていた。
しかし、TBS株式の取得を巡っては交渉が難航し買い増しが進まなかったうえ、会社設立以降、売上が計上される取引はなく損益は3期連続の赤字となっていた。また、株式市場の下落に伴い債務超過となったため、TBSとフュージョンコミュニケーションズ(株)の株式を親会社に譲渡。新たなメディア・通信関連の株式保有の予定もないことから解散手続に入っていた。
なお、楽天(株)では平成19年12月期で、同社の清算により貸出に関する貸倒損失約230億円が発生し、特別損失として計上される見込みだが、同20年12月期の単体業績に与える影響は軽微であるとしている。
新潟精密(株)(上越市西城町2−5−13、東京本部:港区芝大門1−16−3、設立昭和56年1月、資本金38億7430万円、池田毅社長、従業員500名)は、1月31日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は平松和也弁護士(東京都千代田区麹町4−3−3新麹町ビル8階、シグマ麹町法律事務所、電話03−5211−2222)。負債総額は162億円。
同社は昭和56年1月上越市工場設置奨励条例第1号企業として設立された。当初はスパイクタイヤの製造を手掛けていたが、粉塵公害によりスパイクタイヤの使用が禁止となったことで電子業界に活路を見出した。時計会社の下請として推移したが、自社製品開発に注力し「ノイズフィルマック」を開発したことで大手メーカーの注目を浴びて業績は伸長。液晶モジュール、ベアチップ実装、モデム等の生産開始もあって平成15年12月期の年商は232億円を上げていた。
しかし、その後は新製品の開発の遅れなどで減収を余儀なくされ、平成17年12月期の年商は136億円に減少していた。今後は東京本部と三和工場の分離を視野に入れており、東京本部は事業売却、三和工場は引き続き営業を継続する意向である。
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