(株)松村組(大阪市北区東天満1−10−20、設立大正8年7月、資本金130億3000万円、石田忠良社長、従業員809名)は5月5日、大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立て保全命令を受けた。負債は約833億7400万円(平成17年3月31日現在、金融債務約456億円、工事代金債務約345億円、その他約32億円)。
同社は明治27年10月の創業、昭和38年12月大証2部、49年4月大証1部に上場した中堅ゼネコン。大阪、東京のほか北海道から九州に営業拠点30カ所以上を設置して事業規模を拡大、バブル期には大型土地開発も数多く手掛け、ピーク時の平成5年3月期には年商2562億1200万円をあげていた。
しかし、バブル崩壊後の建設不況の影響を受けて業績は低下、平成16年3月期は年商995億6800万円にまで落ち込み247億7500万円の赤字を計上した。その間、有利子負債の圧縮や従業員の削減などのリストラに取り組んでいたが、青木建設、藤木工務店、セザール、福島県勤労者住宅生活協組、森本組などに相次いで不良債権が発生して財務内容はさらに悪化。このため、昨年3月に主力行の三井住友銀行から260億円の金融支援(優先株引き受け)を受けるなど再建への体制をすすめていた。
だが、受注環境の悪化は予想を超え、17年3月期は年商875億円にまでダウン。さらに、(学)大阪経済法律学園との土地売買代金請求訴訟の第二審で逆転敗訴したことにより約50億円の引当金計上を余儀なくされ、経常赤字3億5000万円、当期赤字95億9000万円(予想)にまで低落、今後も計画通りの業績達成は難しく自力再建は困難と判断、民事再生法による再建を選択した。
(株)ギャラック(岐阜市鹿島町1−13、登記上:各務原市成清町1−1、設立昭和47年8月、資本金4800万円、川島國良社長)は、4月26日債権者の整理回収機構(RCC)から破産手続開始を申し立てられ27日大阪地裁より破産手続開始決定を受けた。負債は約690億円(金融債務約260億円、会員預託金約380億円、公租公課約10億円、その他約40億円)。
同社は昭和47年8月に現代表者の一族で経営する紡績会社が脱織物業を目指してゴルフ場経営に乗り出し武芸川開発(株)として設立、昭和63年9月に現商号に変更した。49年にゴルフ場「美濃カントリー倶楽部」(関市)をオープン。その後平成5年3月「ギャラクシー淡路リゾート」(兵庫県津名郡)をオープンし、ピーク時の平成6年7月期には年商約34億円をあげていた。
しかし、「ギャラクシー淡路リゾート」は、造成地区からの遺跡出土などにより完成が遅れたうえ、不況や阪神大震災による利用者減少なども重なり業績は低迷、多額の借入負担が経営を圧迫していた。このため、人員の縮小・遊休不動産の売却・不採算事業からの撤退、事業所の統廃合などリストラを進め、平成11年5月には2カ所のゴルフ場運営を別法人に委託した。だが、平成15年7月期は年間収入約5900万円にとどまり、現状での自主再建は困難な状況から債権者のRCCが破産を申し立てた。
佐藤興業(株)(我孫子市天王台1−5−1、登記上:東京都台東区台東3−20−8、設立昭和38年1月、資本金8000万円、佐藤尊雄社長、従業員15名)は、債権者から東京地裁に破産手続開始を申し立てられ5月6日開始決定を受けた。負債は約570億円。
同社は昭和38年1月に不動産業者として設立、宅地造成目的で開発していた用地をゴルフ場に転用、平成1年に開発許可を得て、平成4年10月長期借入金約300億円、短期借入金約78億円を投入し、「笠間カントリークラブ」(茨城県笠間市)を開場した。同ゴルフ場は18ホール、6941ヤード、パー72、107万平方メートルの丘陵コース、自然を生かしたアメリカンスタイルのオーソドックスなコースでメンバーシップ制をとっていた。しかし、不動産業を主体としていた平成2年3月期には年商約600億円を計上していたものの赤字が続き、ゴルフ場経営に特化して以降もゴルフ場開発費用を吸収出来ない状況が続いていた。こうした状況から平成14年に金融債務は整理回収機構(RCC)に移行、その後RCCからエルエスエフフォー・ゴルフ・リカヴァリー・エルエルシーに債権が譲渡され抵当権者は一本化されていた。そうした中、16年3月期は年商約5億3000万円にとどまり、17年3月期は前年の台風や雪などの悪天候からさらに業績が悪化したことからエルエスエフフォー社が破産を申し立てた。
菱進不動産(株)(中央区八重洲2−8−5、設立昭和38年12月、資本金4億1924万6000円、庄司克也清算人)は4月20日開催の株主総会で解散を決議、5月2日東京地裁に特別清算手続開始を申し立て11日開始決定を受けた。負債は約442億9200万円。
同社は昭和38年12月に三菱信託銀行グループの中核不動産事業会社として設立された。ビル賃貸事業を主体に都市再開発、マンション分譲、不動産仲介、不動産鑑定評価も手掛け、ピーク時の平成3年5月期には年商1001億1300万円をあげていた。
しかし、バブル崩壊後は不動産市況の落ち込みにより業績が悪化、主力先からの支援の下にリストラを進め、14年4月には会社分割により主力の賃貸部門を新会社に移管。そのため、移管後の15年5月期は年商36億4400万円に減少、販売用不動産評価損などにより455億9400万円の当期損失を計上し債務超過に陥っていた。その後、資産売却など整理を進めていたが、債務整理の見通しが立ったことから今回の申立となった。
新日本製鐵の子会社で北九州市のテーマパーク(株)スペースワールド(北九州市八幡東区東田4−1−1、設立昭和63年7月、資本金20億円、伊倉信彦社長、従業員197名)は5月13日、福岡地裁小倉支部に民事再生手続開始を申し立てた。負債は約351億円(但し、負債の大半は新日本製鐵で、一般債務については全額支払う予定)。
同テーマパークは、米国スペースキャンプ財団とライセンス契約し、宇宙体験型テーマパークとして新日本製鐵の工場跡地に約300億円を投じて平成2年4月にオープン。北九州市が1億円、福岡県が2000万円出資する第三セクターとして、北部九州観光の起爆剤となるべく期待を集めた。
平成6年3月高さ60mから落下する「流星ライナータイタン」を新設し人気を集め、平成7年3月期には過去最高の年商124億8500万円をあげていた。また、平成8年3月にはジェットコースター「ヴィーナス」を新設、当初の宇宙体験型から遊具中心の施設へと変化させ、10年3月期には入場者数230万人を記録したが、客単価の低下と初期投資、遊具新設費用などにともなう借入負担が利益を圧迫していた。
11年5月にはJRスペースワールド駅が新設され交通アクセスが向上したうえに入場料を値下げしたものの、長引く不況の影響で入場者数は減少の一途を辿り、16年3月期は入場者数180万人、年商58億9700万円にまで落ち込んだ。
こうした中、新日本製鐵は平成15年3月期にスペースワールドの債務保証203億円を貸倒引当金として計上、さらにスペースワールドの平成16年3月期に新日本製鐵の指導で建物・遊具などの減損処理を実施し、同損失118億6900万円を計上、累積赤字351億円、債務超過331億9100万円を抱えるに至り、挽回するだけの具体的な材料もなくなった。
新日本製鐵は、好業績を背景に子会社を含めた周辺事業の見直しを進め、赤字脱却の糸口が見えない同社の経営から撤退する方針を固め今回の措置となった。今後は民事再生法のもとで、北海道ルスツリゾートの改革や再建中の杉乃井ホテル(別府)の運営管理で実績を持つ加森観光(札幌市中央区、加森公人社長)に経営権を譲渡し、再建を目指すことになる予定。
新日本製鐵は、好業績を背景に子会社を含めた周辺事業の見直しを進め、赤字脱却の糸口が見えない同社の経営から撤退する方針を固め今回の措置となった。今後は民事再生法のもとで、北海道ルスツリゾートの改革や再建中の杉乃井ホテル(別府)の運営管理で実績を持つ加森観光(札幌市中央区、加森公人社長)に経営権を譲渡し、再建を目指すことになる予定。
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