(株)スルガコーポレーション(横浜市神奈川区台町15−1、設立昭和47年3月、資本金139億7680万円、中良久社長、従業員152名)は、6月24日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。監督委員は須藤英章弁護士(千代田区麹町3−3、東京富士法律事務所、電話03−3265−0691)が選任された。負債総額は620億円。
同社は昭和47年3月に駿河建設(株)として設立された。当初は建設業を中心に展開していたが、同50年代半ばからは不動産の専有卸事業、平成8年頃より不動産ソリューション事業に参入し業績を拡大した。同7年8月には東証2部に上場、同12年8月に現商号に変更、東京、神奈川を主な営業エリアとしていた。横浜国際総合競技場や横浜港国際客船ターミナルの工事にも参加していたほか、自社分譲マンション事業「フォーシーズンズ」「ルピナス」「プリムローズ」シリーズなどを展開、近年はマンションデベロッパーとして大きく売上を伸ばし、同19年3月期には年商808億1000万円(連結ベース)を計上していた。
しかし、不動産ソリューション事業の一環として用地取得に際し立退き交渉を委託していた共同都心住宅販売(株)(千代田区、平成19年12月解散)及び光誉実業(株)(大阪市)の関係者12名が、3月4日弁護士法違反の容疑で逮捕される事態が発生。同関係者らが反社会勢力又はその疑いがあると広く報道され、同社と反社会的勢力との関係も取り沙汰された。このため、銀行からの新規の資金調達及び立ち退き交渉が行われた不動産の売却も困難となり、資金繰りが急激に悪化した。
5月29日に発表した平成20年3月期は年商1258億7700万円に対し、78億6200万円の当期純利益を計上していたものの、上記の理由により継続企業の前提に関する注記が付記。また、会計監査人から同期の計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類について監査意見を表明しない旨の監査報告を受領していた。こうしたなか不動産売却、借入、増資等の資金調達を模索していたが、今月末までに必要な資金調達のメドもたたず、今後の債務支払いを正常に行うことができないとして今回の措置となった。
昭和ナミレイ(株)(堺市西区浜寺石津町西4−14−8、設立昭和28年2月、資本金2億9661万円、渡邊修三社長、従業員155名)は、6月5日大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。監督委員は木内道祥弁護士(大阪市北区西天満3−13−18、木内・谷地法律事務所、電話06−6363−0391)。負債総額は374億7000万円。
同社は昭和16年創業。液化天然ガス運搬船や地球探査船・海上保安庁向け船舶など、特殊な技術を要する分野に強みを持つ。船舶空調機器や移動式建屋、無騒音階段などを扱い、特に船舶空調では国内トップシェアを有していた。最近は船舶関連の需要が好調に推移し、特に平成18年12月期は中国での新造船事業における大幅な売上増により、前期17年期売上高131億7417万円から210億3708万円にまで業容を急激に拡大していた。
しかし、急激に業容を拡大させる一方で、立替運転資金需要は大幅に増加、金融機関からの借入は膨らみを見せていた。こうしたなか過去決算の粉飾が発覚し、平成19年12月期の決算で約100億円の過年度修正損を計上したため、大幅な債務超過に転落した。
このため取引銀行との関係が悪化する状況に陥り、銀行へのリスケジュールを含めた金融支援要請を行い財務再建を進めてきた。ところが、大幅な債務超過の事態から調整は難航。ここへ来て金融機関との交渉も不調に終わり、6月5日の決済目処が立たなくなり、今回の措置となった。
愛松建設(株)(稲沢市松下2−3−7、設立昭和52年4月26日、資本金9800万円、松村博史社長、従業員83名)は、6月30日名古屋地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は鈴木誠弁護士(名古屋市東区泉1−17−10、電話052−962−2016)ほか7名。負債総額は金融債務約72億円を含め約155億円。債権者数は約400名。
同社は、分譲マンション、一戸建住宅を主体として愛知県尾張地区を中心に事業展開を行ない、テレビCMを利用して「シャトレ愛松」の名で知名度を浸透させてきた。最近の業績も分譲マンションを中心に展開して、平成19年3月期の売上高は109億2000万円を計上していた。しかし、売上増に反して利益は支払利息負担が慢性的となり減益を余儀なくされていた。
さらに、建築基準法の改正から工事の立ち遅れを招く傾向となった事もあり、同20年3月期の売上高は106億9500万円に減収、損益も1億1000万円程の赤字を招いた。このため、従前購入していた不動産が徐々に捌ききれなくなり、余剰の在庫を抱える事となった。分譲マンションの販売も思うように進まなかった事で、返済計画に狂いが生じて資金繰りが逼迫、月末の決済が困難と判断し今回の事態となった。
ティー・ティー・ティー(株)(豊島区南大塚2−37−5、設立昭和63年12月、資本金9000万円、藤村泰夫社長、従業員70名)は、債権者から破産手続開始を申し立てられ、6月30日東京地裁から開始決定を受けた。破産管財人には蓑毛良和弁護士(新宿区新宿1−8−5、三宅・今井・池田法律事務所、電話03−3356−5251)が選任された。負債総額は約100億円。
同社は、昭和63年12月に設立されたシステム開発・運用会社。業務系システム開発・運用を主力業務として東京、大阪、福島に設置した事業所でサービスを展開、大手SI会社や官公庁などを販売先に業績を急拡大させた。最近はデータ流出を防ぐセキュリティ製品の開発・販売にも注力、平成18年10月期には年商約55億円を計上していた。
しかし、業績拡大の一方で創業社長が以前役員を務めていたこともある(株)ノックス(同時に債権者申立による破産手続開始決定)との間で、不適切な取引が指摘されるようになり信用不安が表面化、取引先に対して未払いも発生していた。このため、3月には会社再建を弁護士に一任し、新たな代表者を迎え入れるとともに民事再生手続などによる再建策を模索していたが、信用は失墜し今回の事態となった。
(株)インベスト(福岡市中央区大名1−14−45、設立平成4年2月19日、資本金1億6325万円、小笠原一成社長、従業員53名)は、6月30日福岡地裁に会社更生手続開始を申し立て、保全命令を受けた。申立代理人は黒木和彰弁護士(福岡市中央区赤坂1−6−15、黒木・内田法律事務所、電話092−752−7878)他3名。保全管理人は松崎隆弁護士(福岡市中央区大手門1−1−12、電話092−781−5881)。負債総額は約97億円。なお、6月29日付けで早川和利前社長は解任されている。
同社は、設立当初は地場マンションデベロッパーなどの販売代理及び賃貸管理仲介業を主業としていたが、平成13年4月以降は自社ブランド「ルネッサンス21」シリーズのマンション分譲を開始し業容を拡大してきた。同シリーズはファミリー型マンションで、福岡都市圏を中心に比較的好立地で、高級感を漂わせるモダンなデザイン等の付加価値が人気を呼んでいた。また、同15年3月からは天神サウス、薬院サウス等の投資型ワンルームマンションや、不動産流動化を活用した一棟売り事業にも取り組んだ。同18年12月期は「ルネッサン21小笹ガレリア」(17戸)、「ルネッサンス21春日ザ・パーク」(74戸)などのファミリーマンションを分譲、投資型マンションでは「ルネッサンス21天神サウス」(48戸)を販売、一棟売り2物件総額31億円が大きく寄与、売上高は過去最高となる53億9764万円を計上した。
しかし、平成19年12月期は「ルネッサンス21」シリーズで「福岡西」(60戸)、「福岡東」(126戸)の販売を開始したものの、本格販売は翌期になったため供給戸数が減少、下半期にはサブプライムローン問題により市況が冷え込み、売上高は32億6871万円に減少、当期利益は前期比2億1400万円減の3900万円にまで落ち込んだ。今期についてもサブプライムローン問題を発端とする不動産市況の低迷で、一棟売りをはじめ市況はさらに冷え込んだ。また、リース会社をメーンに資金調達していたが、銀行筋も含め融資姿勢が厳しくなると同時に、販売用不動産の購入過多で膨らんだ70億円を超える借入金が大きな負担となり、資金環境は急激に悪化、会社更生手続による再建を決断した。
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