(株)テックコーポレーション(TSR企業コード:740278177、法人番号:9240001007235、広島市中区三川町2-6、設立1984(昭和59)年4月、資本金7000万円)は3月18日、広島地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には舩木孝和弁護士(ひまわり法律事務所、同市中区八丁堀5-22)が選任された。
負債総額は191億9400万円。
自動車のコーティングや研磨、防錆処理事業からスタートしたが、1995年1月に生ゴミ処理機の開発に成功。1998年11月からは、生ゴミを精製バイオ菌により水蒸気と炭酸ガスに分解する「マジックバイオくん」の販売を開始し、自社開発の環境関連機器の販売へと業態を転換した。
その後は、生ゴミ処理機と組み合わせ可能な包装資材ゴミ分別機「ゴミ分けるくん」や水素水サーバー「い~水H2」、ナノバブル発生装置「ファインアクア」などの販売も開始し、積極的な展開で業容を拡大。販売代理店方式による営業を行い、全国に販路を構築し、2016年7月期には売上高100億円を突破した。
以降も販路を拡げ、2023年7月期は売上高が194億6532万円まで伸長したが、営業経費の負担や原料高の影響等から損益は低調に推移し、財務基盤の強化は進んでいなかった。また、「新型コロナウイルス」感染拡大により営業活動が停滞するなか、売掛金の回収も長期化。借入や割引手形に依存した経営が続き、資金繰りのめどが立たなくなり、2024年3月5日の決済が不調に終わっていた。
茨木高槻交通(株)(TSR企業コード:570342066、法人番号:9120901000235、茨木市中河原町4-1、設立1941(昭和16)年10月、資本金2000万円)と関連8社は3月11日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は宮本圭子弁護士(弁護士法人第一法律事務所、大阪市北区中之島2-2-7)。
負債は茨木高槻交通が62億円で、9社合計147億円。
茨木高槻交通は、大阪の有力タクシー会社である「関西中央グループ」の一翼を形成し、北摂エリアを中心に、タクシーおよびバス事業を手掛けていた。地元密着の営業展開で、一時はタクシー220台、従業員650名を擁し、ピークとなる1996年9月期の売上高は約91億7000万円を計上。また、2002年からは5000円を超えた分の運賃を5割引きにする「55割」を大阪で初めて導入し、終電後の遠距離客などを獲得していた。
しかし、景気低迷を反映した個人消費の伸び悩みを受け、営業所を集約。2012年7月期(決算期変更)の売上高は約9億8700万円と10億円を割り込んだ。また、人件費を中心とした経費負担の増加もあり、辛うじて採算を維持するにとどまり、2013年には本社地のみでの運営とし、タクシー73台、従業員260名まで規模を縮小させていた。
「新型コロナウイルス」感染拡大以降は利用客がさらに減少し、無線配車センターを時短営業としたほか、2020年9月には地域の足として35年以上続けていたバス事業を終了。2023年7月期には売上高が約5億600万円まで落ち込み、スマートフォンアプリでの配車に対応するなどして集客に努めていたものの、自力での再建が困難となった。
同時に民事再生法の適用を申請した関連会社は、以下の通り。
・関西中央交通(株)(TSR企業コード:570392268、大阪市城東区、負債13億円)
・関西中央第一(株)(TSR企業コード:575856572、大阪市城東区、負債8億円)
・ユタカ中央交通(株)(TSR企業コード:575227141、堺市西区、負債15億円)
・大商交通(株)(TSR企業コード:570789877、守口市、負債11億円)
・関西中央旅客守口(株)(TSR企業コード:575852232、守口市、負債8億円)
・東大阪中央タクシー(株)(TSR企業コード:576061115、東大阪市、負債9億円)
・東大阪オーケー(株)(TSR企業コード:576091030、東大阪市、負債8億円)
・高槻交通(株)(TSR企業コード:575841630、高槻市、負債13億円)
(株)日本ヒューマンサポート(TSR企業コード:314291636、法人番号:1030001053398、春日部市備後西5-1-44、設立1984(昭和59)年2月、資本金9800万円)は3月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は伊藤毅弁護士(フレックスコンサルティング法律事務所、東京都千代田区大手町1-6-1)ほか3名。
負債総額は62億円。
有料老人ホームの運営やデイサービス、訪問介護、居宅介護支援などを手掛けていた。有料老人ホームは「ヒューマンサポート」の名称で、土地オーナーの遊休地の有効活用として、30年間の長期一括借上げ方式で建設から運営までを受託。埼玉県や茨城県、千葉県に17カ所の介護施設を運営し、年金の範囲内で利用できる低価格路線を打ち出して、2023年3月期の売上は約45億円に上っていた。
金融機関引受の社債も複数発行するなど対外信用を高めていたが、「新型コロナウイルス」感染拡大以降は、人件費の増加や物価高に加え、2020年にオープンした複数施設の入居率が低迷するなどし、採算が悪化。また、積極的な設備投資による借入や交際費などの支出も収益を圧迫していた。
2024年2月には決算内容に疑義が生じバンクミーティングを開催し動向が注目されていたなか、今回の措置となった。
(株)スピンドル(TSR企業コード:291342094、法人番号:7010001064276、千代田区神田司町2-2、設立1979(昭和54)年2月、資本金2000万円)は3月1日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。
申請代理人は横山兼太郎弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、千代田区大手町1-1-2)。
破産管財人には小畑英一弁護士(TF法律事務所、千代田区平河町2-7-5)が選任された。
負債総額は52億6400万円。
大手新聞社を主体に営業基盤を構築し、古紙回収袋の販売を中心に事業を展開していた。また、プロ野球グッズや洗剤、入浴剤などの販促品全般における企画制作および販売も手掛け、2010年1月期には売上高39億5071万円をあげていた。
しかし、10年ほど前に粉飾決算が発覚。以降は業務の立て直しを進めていたが、2023年1月期の売上高は約32億6700万円にとどまっていた。さらに、ここにきて改めて不適切会計による粉飾が発覚。私的整理も検討したものの、事業継続が困難なことから、今回の措置となった。
(株)アール・エー(TSR企業コード:650043235、法人番号:5160001005309、甲賀市土山町大野2637、設立1960(昭和35)年2月、資本金7000万円)は3月8日、大津地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は25億円。
1957年7月、柊木工務店として創業し、法人化以降は大宝柊木(株)の商号で事業を展開していた。建築工事を主体とし、民間受注を中心に官公庁工事にも豊富な実績を有するほか、マンションやアパートなど不動産の取得を進め、不動産業も手掛けていた。
1996年10月期にはピークとなる売上高50億3566万円を計上したが、公共工事の削減や民間工事の受注競争激化、バブル崩壊後の景況悪化も加わって業容縮小に歯止めが掛からず、資金繰りが悪化。2008年頃には主力行の主導により、中小企業再生支援協議会の支援を受けることとなった。しかし、2011年10月期は完工高約13億200万円に対し、不動産の売却を進めた結果、約18億6100万円の赤字となり、債務超過に転落した。
こうしたことから、2011年12月には別途設立した新会社(株)柊木工務店(現:大宝柊木(株)、TSR企業コード:652117775、法人番号:9160001009685、同所)に事業を移管するとともに、当社は現商号に変更。その後、所有不動産の売却を進め、このほど債務整理のめどが立ったため2023年10月31日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
(株)東日本保険財務企画(TSR企業コード:142214124、法人番号:8370001016678、仙台市泉区南光台東3-12-7、設立2008(平成20)年4月、資本金5000万円)は3月6日、仙台地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には金澤孝司弁護士(金澤法律事務所、同市青葉区一番町1-16-23)が選任された。
負債総額は債権者約120名に対して15億2200万円。
大手の生命保険会社や損害保険会社の保険代理業を主体に展開していた。また、業容拡大のために飲食事業に参入し、仙台市青葉区で「BARちょっと」を経営していた。しかし、本業の保険代理業の不振に加え、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響から「BARちょっと」の集客も伸び悩み、赤字経営に陥っていた。
新型コロナ関連の制度融資を活用し一時的に凌いでいたほか、少人数私募債の形式で募集を行い資金繰りの維持を図ったが、抜本的な経営改善には至らず2023年10月10日、事業を停止していた。
関連サービス
人気記事ランキング
ラーメン店と好対照、中華料理店の倒産が低水準の謎
ラーメン店の倒産が過去最多ペースを辿るなか、中華料理店は対照的な動きをみせている。2024年1-8月の倒産はラーメン店が44件、中華料理店は7件と好対照だった。なぜ中華料理店の倒産は少ないのか。
2
全国の三セク鉄道 売上高トップは 「つくばエクスプレス」 三セク鉄道の約9割が輸送人員増も、6割が経常赤字
全国の第三セクター鉄道運営会社は、コロナ禍を経て9割が売上を伸ばした一方で6割が経常赤字から抜け出せず、地域によって明暗を大きく分けたことがわかった。 61社の2023年度の業績は、55社(構成比90.1%)が前年度から増収だった。ただ、経常赤字は37社で6割(同60.6%)と半数を超えた。
3
三井住友銀行をメインとする企業が10万社突破、東京・大阪・兵庫で強く
三井住友銀行をメインバンクする企業数が初めて10万社(10万442社)を超えた(8月21日号掲載、2024年全国メインバンク調査)。調査対象158万5,849社の6.3%がメインバンクに三井住友銀を選んでいる。
4
「想定為替レート」 平均は1ドル=143.5円 3期連続で最安値を更新
株式上場する主要メーカー109社の2024年度決算(2025年3月期)の期首の対ドル想定為替レートは、1ドル=145円が54社(構成比49.5%)と約半数にのぼることがわかった。 平均値は1ドル=143.5円で、前期から14.5円の円安設定だった。期首レートでは2023年3月期決算から3期連続で最安値を更新した。
5
企業が選ぶ次の自民党総裁は高市早苗氏 立憲民主党は野田佳彦氏
野党第一党の立憲民主党の代表選は9月7日に告示され、4人が立候補し、23日に開票される。また、与党第一党の自民党総裁選は9月12日に告示され、過去最多の9人が立候補し、27日に開票される。 世代交代も注目されるなか、企業に景気や自社ビジネスの発展に寄与すると思う候補者を聞いた。