MSJ資産管理(株)(TSR企業コード:402666453、法人番号:7180001064730、西春日井郡豊山町豊場1、登記上:東京都千代田区丸の内3-2-3、設立2008(平成20)年3月、資本金5億円)は7月4日、東京地裁に特別清算を申請した。
申請代理人は横山兼太郎弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2)。
負債総額は6413億円。
三菱重工業(株)(TSR企業コード:291022804、法人番号:8010401050387、東京都千代田区)が2008年、SJ(スペースジェット)の開発に本格的に着手したことを受けて法人化された。期待の大きさもあって当初は287機の受注を確保していたが、TC(型式証明)の取得が難航したことや「新型コロナウイルス」感染拡大による航空業界への影響から事業環境が極めて厳しい状況に陥り、2020年10月に親会社の三菱重工業が事業そのものの凍結を発表。2023年2月には開発の中止を正式発表していた。
同年4月、現商号に変更し2024年3月31日、株主総会の決議により解散し、清算手続きに入っていた。
シニアコネクテッドテクノロジーズ(株)(TSR企業コード:130077178、法人番号:6020001129186、大和市中央林間7-10-1、設立2018(平成30)年12月、資本金100万円)は2月14日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には伊藤尚弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、東京都中央区八重洲2-8-7)が選任された。
負債総額は279億円。
「arrows(アローズ)」シリーズや「らくらくスマートフォン」などの携帯電話端末を販売していたFCNT(株)(現:大和管財(株)、TSR企業コード:027062554、法人番号:7010001189049、大和市)と、その製造部門のジャパン・イーエム・ソリューションズ(株)(現:佐保管財(株)、TSR企業コード:027062619、法人番号:5010001189050、兵庫県加東市)、2社の持株会社であるREINOWAホールディングス(株)(TSR企業コード:027062490、法人番号:8010001189048、大和市)のグループ会社として設立された。
実際の業務が開始されないなか、FCNTらグループ3社が2023年5月30日、東京地裁に民事再生法を申請。当社はREINOWAホールディングスのLBOローンの債務保証を行っていたため、連鎖し今回の措置となった。
(株)環境経営総合研究所(TSR企業コード:294046615、法人番号:5011001043734、渋谷区南平台町16-29、設立1996(平成8)年12月、資本金24億7000万円)は9月30日、会社更生開始決定を受けた。
管財人には岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所、中央区八丁堀4-1-3)が選任された。
負債総額は債権者63名に対して246億1009万円。
古紙や廃プラスチックなどを再利用し、環境に配慮した新素材「紙マスターバッチ(M/B)」や「MAPKA(マプカ)」などの開発製造を展開。使い捨てプラスチックによる海洋汚染などの環境問題に対応した新素材として注目され、2000年9月に千葉県松戸市に研究施設を開設したほか、2003年5月に千葉県旭市に研究施設、工場を開設。その後、北海道札幌市に工場や営業部、茨城県土浦市に工場など順調に業容を拡大させるとともに日本政策投資銀行から出資を受けていた。以降も、アメリカにJV工場、韓国企業への出資やJVによる工場開設するなど海外展開を強化していた。
しかし、2005年から2006年にかけて、第三者に約50億~60億円の資金流出があった。同時期から決算書の粉飾を開始し、売掛金等を操作。複数の決算書を作成しており、官報公告では、2023年8月期の売上高519億2635万円、最終利益36億380万円を確保し、純資産345億1902万円、総資産544億1966万円としていたが、税務申告では、2023年8月期の売上高は46億9281万円に対し、最終利益は2億3473万円にとどまり、純資産56億7069万円、総資産300億2835万円だった。売掛金等を適正に処理した場合、債務超過に陥る可能性が高まったため、債権者から会社更生法を申し立てられていた。
(株)テックコーポレーション(TSR企業コード:740278177、法人番号:9240001007235、広島市中区三川町2-6、設立1984(昭和59)年4月、資本金7000万円)は3月18日、広島地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には舩木孝和弁護士(ひまわり法律事務所、同市中区八丁堀5-22)が選任された。
負債総額は191億9400万円。
自動車のコーティングや研磨、防錆処理事業からスタートしたが、1995年1月に生ゴミ処理機の開発に成功。1998年11月からは、生ゴミを精製バイオ菌により水蒸気と炭酸ガスに分解する「マジックバイオくん」の販売を開始し、自社開発の環境関連機器の販売へと業態を転換した。
その後は、生ゴミ処理機と組み合わせ可能な包装資材ゴミ分別機「ゴミ分けるくん」や水素水サーバー「い~水H2」、ナノバブル発生装置「ファインアクア」などの販売も開始し、積極的な展開で業容を拡大。販売代理店方式による営業を行い、全国に販路を構築し、2016年7月期には売上高100億円を突破した。
以降も販路を拡げ、2023年7月期は売上高が194億6532万円まで伸長したが、営業経費の負担や原料高の影響等から損益は低調に推移し、財務基盤の強化は進んでいなかった。また、「新型コロナウイルス」感染拡大により営業活動が停滞するなか、売掛金の回収も長期化。借入や割引手形に依存した経営が続き、資金繰りのめどが立たなくなり、2024年3月5日の決済が不調に終わっていた。
WeWork Japan合同会社(TSR企業コード:017839289、法人番号:2010003023482、港区南青山1-24-3、設立2016(平成28)年4月、資本金550万円)は2月1日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、民事再生開始決定を受けた。
申請代理人は片山英二弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)。
監督委員には須藤英章弁護士(東京富士法律事務所、千代田区麹町3-3)が選任された。
負債総額は2708名に対して157億2148万円。
WeWork事業は物件オーナーからスペースを賃借してリデザインし、会員へ貸し出すビジネスモデルで急成長した。「シェアリングエコノミー」の業態として注目を集め、ソフトバンクグループからの出資を得て、米国を中心に世界39カ国150都市以上、800拠点以上(2023年1月現在)に展開してきた。
日本においては、米国WeWork社とソフトバンクグループの合弁によって設立された当社により出店を進めてきた。東京(31拠点)を中心に大阪、福岡、名古屋など主要都市に約40拠点を出店、2022年12月期は売上高260億6620万円をあげた。
しかし、2019年以降、米国WeWork社は巨額の赤字を散発して成長路線に歯止めがかかったうえ、「新型コロナウイルス」感染拡大でシェアオフィスの利用が低迷したことで業績がさらに悪化していた。
こうしたなか、2023年11月6日(現地時間)に、米国WeWork社が自力再建を断念して、連邦破産法第11条(チャプター11、民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は約190億ドル(約2兆8500億円)にのぼる大型倒産で、日本法人である当社の動向にも注目が集まった。
これを受け、当社は11月7日(日本時間)に「日本国内の拠点は高い占有率を示しており、今後も変わらず営業を継続する方針」との声明を公表していた。しかし、事業移管を主軸とした民事再生法の申請に踏み切った。
広報資料によると、ソフトバンク(株)(TSR企業コード:292305397、法人番号:9010401052465、東京都港区)をスポンサーとする基本合意を2月1日付で締結。ソフトバンクが新設した100%子会社のWWJ(株)へ吸収分割の方法で事業を移管する計画で、事業に係る債務は、再生債権となるものも含め、吸収分割前は当社が、吸収分割後はWWJが引き続き支払うことを計画している。また、WWJへの事業移管は、監督委員の同意などを条件に2024年4月中の完了を見込んでいる。
茨木高槻交通(株)(TSR企業コード:570342066、法人番号:9120901000235、茨木市中河原町4-1、設立1941(昭和16)年10月、資本金2000万円)と関連8社は3月11日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は宮本圭子弁護士(弁護士法人第一法律事務所、大阪市北区中之島2-2-7)。
負債は茨木高槻交通が62億円で、9社合計147億円。
茨木高槻交通は、大阪の有力タクシー会社である「関西中央グループ」の一翼を形成し、北摂エリアを中心に、タクシーおよびバス事業を手掛けていた。地元密着の営業展開で、一時はタクシー220台、従業員650名を擁し、ピークとなる1996年9月期の売上高は約91億7000万円を計上。また、2002年からは5000円を超えた分の運賃を5割引きにする「55割」を大阪で初めて導入し、終電後の遠距離客などを獲得していた。
しかし、景気低迷を反映した個人消費の伸び悩みを受け、営業所を集約。2012年7月期(決算期変更)の売上高は約9億8700万円と10億円を割り込んだ。また、人件費を中心とした経費負担の増加もあり、辛うじて採算を維持するにとどまり、2013年には本社地のみでの運営とし、タクシー73台、従業員260名まで規模を縮小させていた。
「新型コロナウイルス」感染拡大以降は利用客がさらに減少し、無線配車センターを時短営業としたほか、2020年9月には地域の足として35年以上続けていたバス事業を終了。2023年7月期には売上高が約5億600万円まで落ち込み、スマートフォンアプリでの配車に対応するなどして集客に努めていたものの、自力での再建が困難となった。
同時に民事再生法の適用を申請した関連会社は、以下の通り。
・関西中央交通(株)(TSR企業コード:570392268、大阪市城東区、負債13億円)
・関西中央第一(株)(TSR企業コード:575856572、大阪市城東区、負債8億円)
・ユタカ中央交通(株)(TSR企業コード:575227141、堺市西区、負債15億円)
・大商交通(株)(TSR企業コード:570789877、守口市、負債11億円)
・関西中央旅客守口(株)(TSR企業コード:575852232、守口市、負債8億円)
・東大阪中央タクシー(株)(TSR企業コード:576061115、東大阪市、負債9億円)
・東大阪オーケー(株)(TSR企業コード:576091030、東大阪市、負債8億円)
・高槻交通(株)(TSR企業コード:575841630、高槻市、負債13億円)
(株)ホクシンメディカル(TSR企業コード:660400642、法人番号:4140001010823、神戸市東灘区向洋町中6-9、設立1987(昭和62)年7月、資本金9000万円)は再度の資金ショートを起こし4月25日、行き詰まりを表面化した。
負債総額は112億4334万円。
1986年10月に創業し、医療機器の販売などを手掛けていた。心臓外科・循環器・整形外科向けの医療機器を主体に扱い、官公庁や大学、医療機関などに販路を構築。全国に拠点を設置することで営業力を強化し、2004年3月期には売上高が100億円を上回るなど増収基調で推移。新規取引先などの開拓もあり、2021年3月期には売上高が379億3618万円まで伸長した。一方で、子会社の清算に伴う損失もあり、同期は2422万円の最終赤字に陥るなど財務基盤の強化は遅れていた。
こうしたなか、2024年3月に当時の代表取締役が急死。以降は支払遅延を散発し、対外的な信用が急激に低下した。また、この間、従業員の退職が相次ぐなど混乱が続いていたところ、4月10日の決済が不調となり、4月12日以降は実質的に事業停止状態となっていた。
(株)クレサービス(TSR企業コード:740021893、法人番号:9240001025633、呉市川尻町東2-14-21、登記上:東京都千代田区丸の内1-9-2、設立1948(昭和23)年10月、資本金6500万円)は8月5日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は109億6182万円。
1937年2月、旧海軍の指定工場として創業。戦後は外航および内航のバルカー船やLPG船、客船を主体としたシリーズ船を多く建造するほか、船舶の修繕も手掛け、2011年3月期には売上高約361億円を計上していた。しかし、新造船の受注減および船価安等から減収傾向での推移を余儀なくされたうえ、鋼材価格の高騰等によるコストアップや工事損失引当金の影響により連続赤字を計上し、2015年3月期には債務超過に転落した。
以降も世界的な景気減速を背景にバルカー船の船価が低迷するなか、中国や韓国勢との受注競争が激化。資材価格の高騰も続き受注環境がさらに悪化したことで、2022年2月には新造船事業から撤退し、船舶修繕事業を新設した神田ドック(株)(TSR企業コード:694990078、法人番号:3240001059538、呉市)に移管。同年4月、当社は(株)神田造船所から現商号に変更した。その後は残務整理を進め、めどが立ったことから2024年4月30日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
アサヒフードクリエイト(株)(TSR企業コード:295288833、法人番号:7010001075637、墨田区吾妻橋1-23-1、設立2001(平成13)年9月、資本金4000万円)は7月12日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。
負債総額は89億9726万円。
ビール大手、アサヒグループホールディングス(株)(TSR企業コード:290006821、法人番号:6010601036386、墨田区)のグループ会社として外食事業を手掛けていた。
「アサヒビール園」のほか、「Asahi BeerFront」「BEER&SPICE SUPER“DRY”」「アサヒ・ザ・グリル」などの店名で、アサヒビールを主体としたビアホールやビアレストランを展開。ピーク時には全国に約50店舗を出店し、2012年12月期は売上高約86億3000万円をあげていた。しかし、同業他社との競合激化により採算面は低迷。さらに、「新型コロナウイルス」感染拡大による時短営業などの制限を受けて業績が大幅に悪化した。2020年12月期は売上高23億4582万円に落ち込んだうえ、赤字計上により30億円以上の債務超過に陥った。2022年12月期は売上高39億2549万円まで回復したものの、コロナ禍の影響を受けるなかで赤字決算が継続し、債務超過がさらに拡大した。
こうしたなか、同グループの事業再編に伴い、2023年9月には一部事業を大手外食チェーンに譲渡。当社は2024年4月30日株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
(株)個別指導塾スタンダード(TSR企業コード:870629107、法人番号:1290001023755、福岡市博多区綱場町6-15、設立2002(平成14)年1月、資本金1000万円)は6月28日、福岡地裁に民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は舞田靖子弁護士(舞田法律事務所、同市中央区天神1-14-4)。
負債総額は債権者約4350人に対して83億2400万円。
個別指導塾スタンダードは、2001年1月に創業した学習塾運営業者で、西日本を中心に「個別指導塾スタンダード」を展開して事業規模を拡大。一時は約500教室を運営し、株式上場を目指している旨を公表した時期もあった。ところが、2017年7月に経営幹部によるパワーハラスメントがマスコミに取り上げられ、内部管理体制の不備が発覚するなど対外信用の低下を招いていた。一方で、2019年4月期にはピークとなる売上高82億1816万円を計上したが、コロナ禍や少子化に伴う競合激化によって、2023年4月期の売上高は30億3540万円にまで急減。同期は5億3063万円の赤字を計上し、債務超過額が拡大していた。
こうしたなか、採算割れの教室の閉鎖などにより固定費の削減を進め、再建を模索していたが、借入金の返済や金利負担が重く、自力での再建を断念し、今回の措置となった。
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