こうして倒産した

2020年(令和2年)7月度こうして倒産した・・・
(株)イワヰ
  • 愛知
  • 自動車部品プレス加工
負債総額
47億8300万円
 

 (株)イワヰ(TSR企業コード:400240270、法人番号:6180001007913、名古屋市昭和区白金1-3-15、設立1964(昭和39)年3月、資本金4500万円、岩井かほる社長)は7月31日、名古屋地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は橋本芳則弁護士ほか(金子・中・橋本法律特許事務所、大阪市北区西天満4-3-25、電話06-6364-6411)。監督委員には山田尚武弁護士(弁護士法人しょうぶ法律事務所、名古屋市中村区名駅1-1-1、電話052-561-5550)が選任された。負債総額は47億8300万円。
 1926年12月創業。自動車のヘッドレストやドア、マフラーなどの金属プレス加工を手掛けていた。溶接、アッセンブリまで一貫して対応。大手自動車メーカーの1次サプライヤー向けなどに販路を築き、ピークとなる1992年1月期には121億321万円の売上高を計上。2014年1月期までは約100億円の年間売上高で推移し、黒字を維持していた。しかし、その後は生産拠点の海外移転などを背景に受注が伸び悩み、単価も下落。2015年1月期以降は赤字を散発し、債務超過に陥っていた。2020年1月期の売上高は87億745万円にとどまり、5億1515万円の赤字を計上した。その後も「新型コロナウイルス」の影響による自動車メーカーの工場の操業停止で受注がさらに低下。資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。

(株)AIKジャパンコーポレーション
  • 東京
  • 飲食店向け什器販売ほか
負債総額
47億円
 

 (株)AIKジャパンコーポレーション(TSR企業コード:014883708、法人番号:4010001167908、中央区築地4-10-16、設立2015(平成27)年5月、資本金1000万円、代表取締役:中川喬介氏)は7月27日、東京地裁に破産を申請した。申請代理人は天田圭介弁護士(天田綜合法律事務所、港区三田2-7-7、電話03-6722-0992)。
 負債総額は47億円。
 飲食店向けの什器や設備販売のほか、中国製家電製品の販売を手掛けていた。関連会社だった飲食店を展開する(株)虎杖東京(TSR企業コード:295604204、法人番号:2010002050528、中央区)と連動して事業を拡大し、2017年8月期に13億2032万円だった売上高は、2018年8月期は44億1727万円と急拡大。さらに、大手家電量販店との取引が拡大したなどとして2019年8月期には売上高116億7580万円をあげていた。
 しかし、2019年12月以降に密接な取引関係にあった(株)イースター(TSR企業コード:571543103、法人番号:3020001042359、横浜市中区)、FEP(株)(TSR企業コード:571301622、法人番号:9120001110059、大阪市中央区)など複数の企業との架空取引が発覚し、2020年5月頃からは金融機関への返済も滞っていた。
 こうしたなか、当社の借入金約13億円の連帯保証をしていた虎杖東京が、「新型コロナウイルス」感染防止のための休業などにより業績が悪化し6月30日、東京地裁に民事再生法を申請。その後、新たな資金調達も難しく資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。

(株)豊田
  • 東京
  • 寿司店経営ほか
負債総額
30億600万円
 

 (株)豊田(TSR企業コード:291618758、法人番号:2013301008881、豊島区北大塚2-6-10、設立1964(昭和39)年7月、資本金1000万円、豊田純司社長)は7月13日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には竹村葉子弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、新宿区新宿1-8-5、電話03-3356-5251)が選任された。負債は30億600万円。
 首都圏に展開する寿司店チェーン「寿し常グループ」を約40店舗運営していた。回転寿司やテイクアウト専門などを展開し、ピーク時の2003年6月期 には売上高約61億円をあげていた。しかし、競合他社との競争激化や、2019年10月の消費増税による売上減が収益を圧迫したことに加え、2020年に入り「新型コロナウイルス」の感染拡大による緊急事態宣言の発令でショッピングセンターが休業し、主要店舗の閉鎖を余儀なくされた。このため、売上が固定費を大幅に下回り、急激に資金繰りが悪化した。
 こうしたなかスポンサーを模索し、東証1部上場で飲食店をチェーン展開する(株)東京一番フーズ(TSR企業コード:295284730、法人番号:4011101033768、新宿区)の連結子会社に一部店舗と従業員を承継、それ以外の事業を停止していた。

筑後商事(株)(旧:(株)マミーズ)
  • 福岡
  • スーパー経営
負債総額
26億円
 

 筑後商事(株)(旧:(株)マミーズ、TSR企業コード:872040739、法人番号:9290001053506、柳川市筑紫町334-16、設立2003(平成15)年8月、資本金1億円、代表清算人:近藤吉宏氏)は6月22日、福岡地裁柳川支部より特別清算開始決定を受けた。負債総額は26億円。
 2002年に民事再生法を申請したオレンジチェーン本部(株)(TSR企業コード:930047206、福岡県三潴町)などから店舗運営を継承する新会社として設立。「マミーズ」の店名でスーパーを経営していた。2007年5月以降、他社からの店舗継承などもあり事業を拡大。ピーク時の2012年3月期には38店舗を運営し、売上高約197億円をあげていた。
 しかし、採算面では苦戦し設立後の黒字は1期のみで、2007年3月期から12期連続で赤字を計上する厳しい経営が続いた。近年は不採算店舗の閉鎖を進め、店舗数が減少。2017年2月には30店舗体制にまで縮小し、2018年3月期の売上高は約135億円まで落ち込んでいた。
 こうしたなか2018年10月、スーパーチェーンを展開する大黒天物産(株)(TSR企業コード:710034520、法人番号:8260001013868、岡山県倉敷市、東証1部)がマミーズ30店舗のうち、22店舗を譲り受けることを発表、同社のグループ会社として新:マミーズ(株)(TSR企業コード:034895264、法人番号:7290001083232、柳川市)を設立。旧:マミーズの事業や従業員、店舗運営を継承するとともに、当社は2018年12月に現商号に変更し、株主総会の決議により2020年1月31日をもって解散していた。

(株)ウィンコーポレーション
  • 東京
  • 食品流通事業ほか
負債総額
25億1600万円
 

 (株)ウィンコーポレーション(TSR企業コード:296195529、法人番号:9010701024560、千代田区永田町2-11-1、設立1995(平成7)年7月、資本金4億35万6800円、古林行雄社長)は7月3日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には佐藤高章弁護士(番町スクエア法律事務所、千代田区六番町6-20、電話03-5211-5711)が選任された。負債総額は25億1600万円。
 ドライバー派遣や食材事業を手掛けていた。大手食品卸や水産加工業者、飲食業者などを取引先として、東京都内のほか、愛知や福島などにも事業所を展開していた。また、食品の加工から配送までトータルでの物流システムの食材流通事業も拡大させ、ピーク時の2017年3月期には売上高63億8484万円をあげていた。その後は、取引先に対する債権の回収難などが相次いで発生。さらに急速な事業拡大による先行投資によって資金繰りが悪化し、2018年以降は取引先に対する支払遅延など信用不安も散発していた。
 事業規模を大幅に縮小して営業を継続していたが、2020年3月に関連会社の(株)WinJob(TSR企業コード:403008018、法人番号:6180001101798、東京都中央区)が東京地裁から破産開始決定を受け、動向が注目されていた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

コロナ破たん累計が1万件目前 累計9,489件に

4月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が244件(前年同月比9.9%減)判明した。3月の月間件数は2023年3月の328件に次ぐ過去2番目の高水準だったが、4月は一転して減少。これまでの累計は9,052件(倒産8,827件、弁護士一任・準備中225件)となった。

2

  • TSRデータインサイト

堀正工業(株) ~約50行を欺いた粉飾、明細書も細かく調整する「執念」 ~

東京には全国の地域金融機関が拠点を構えている。今回はそれら金融機関の担当者が対応に追われた。最大54行(社)の金融機関やリース会社から融資を受けていた老舗ベアリング商社の堀正工業(株)(TSR企業コード:291038832、東京都)が7月24日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

3

  • TSRデータインサイト

インバウンド需要で「ホテル経営」が好調 8割のホテルが稼働率80%超、客室単価の最高が続出

コロナ禍の移動制限の解消と入国審査の緩和で、ホテル需要が急回復している。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の客室単価と稼働率は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に、コロナ禍前を上回った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年4月の「円安」関連倒産 1件発生 発生は22カ月連続、円安の影響はさらに長引く可能性も

2024年4月の「円安」関連倒産は1件発生した。件数は、3カ月ぶりに前年同月を下回ったが、2022年7月から22カ月連続で発生している。 3月19日、日本銀行はマイナス金利解除を決定したが、じりじりと円安が進み、4月29日の午前中に一瞬34年ぶりに1ドル=160円台に乗せた。

5

  • TSRデータインサイト

約束手形の決済期限を60日以内に短縮へ 支払いはマイナス影響 約4割、回収では 5割超がプラス影響

これまで120日だった約束手形の決済期限を、60日に短縮する方向で下請法の指導基準が見直される。約60年続く商慣習の変更は、中小企業の資金繰りに大きな転換を迫る。 4月1~8日に企業アンケートを実施し、手形・電子記録債権(でんさい)のサイト短縮の影響を調査した。

記事カテゴリを表示
記事カテゴリを閉じる

プリントアウト

RSS

CLOSE
TOPへ