こうして倒産した

2009年(平成21年)10月度こうして倒産した・・・
苫小牧緑化開発(株)
  • 北海道
  • ゴルフ場経営
負債総額
112億円
 

 苫小牧緑化開発(株)(苫小牧市植苗437、設立平成1年4月、資本金5000万円、松山浩明社長、従業員3名)は、10月21日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は服部弘志弁護士(東京都港区虎ノ門1-13-3、電話03-3580-0123)。負債総額は112億5600万円。

 同社は、日本航空(株)(現:(株)日本航空インターナショナル)と苫小牧港開発(株)の共同出資5000万円をもって設立し、平成4年7月に「苫小牧カントリー倶楽部ブルックスコース」の運営を開始した。新千歳空港の近隣で湿原に広がる独特なコースとしてゴルフ関係者に認知されていた反面、売上高の低迷から多額の初期投資を回収できない状態が続き、同19年12月期決算では111億円もの債務超過に陥っていた。同20年3月には日本航空インターナショナル傘下から離れたが、業績がさらに低迷し、多額の借入金と預託金償還の原資を捻出できる見込みがないとして今回の事態となった。

 なお、平成20年3月に日本航空インターナショナルと苫小牧港開発が保有していた全株式は、札幌市に本社を置く(株)サニットに売却され、その後、東京都の不動産会社(株)日進LRDへと全株式が移っている。

(株)ゼンテック・テクノロジー・ジャパン
  • 東京
  • ソフトウェア開発
負債総額
101億円
 

 (株)ゼンテック・テクノロジー・ジャパン(千代田区内神田2-1-2、設立平成12年2月、資本金64億661万円、仲西隆策社長、従業員34名)は、10月2日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は栗原渉弁護士(千代田区内神田1-8-1、センチュリー法律事務所、電話03-5280-5033)ほか。負債総額は101億6301万円。

 同社は、デジタル情報家電、モバイル関連ソフト開発、システムソリューションなどを手がけるベンチャー企業で、平成13年にナスダックジャパン(現:大証ヘラクレス)に上場した。家電メーカーなどを主要顧客としてデジタル家電普及を追い風に業績を急拡大させ、同20年3月期の売上は84億1200万円、連結ベースでは128億円の売上を計上した。

 しかし、平成21年3月期には国内・海外企業への積極的な投資や新規事業への進出失敗などから経営悪化が深刻化した。借入も膨らみ、金融機関への約定弁済も困難となり、さらに不適切なのれん代や架空売上の計上、売掛金の貸倒引当金回避など過去の不適切な会計処理が表面化し、同20年3月期の決算を訂正して同期は34億6800万円の当期純損失となった。

 平成21年3月期は連結ベースで売上高17億5100万円に対し、115億1100万円の大幅な当期損失を計上し債務超過に転落。信用も失墜し、9月1日付けで上場を廃止した。

防予汽船(株)
  • 山口
  • 海上運送業
負債総額
97億円
 

防予汽船(株)(柳井市柳井134-6、設立昭和34年10月、資本金1億5000万円、峯﨑昭輝社長、従業員74名)は、10月1日山口地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は清水良寛弁護士(大阪市中央区北浜3-6-13日土地淀屋橋ビル、弁護士法人淀屋橋・山上合同、電話06-6202-3355)他数名。負債総額は97億円。

 同社は、昭和34年10月瀬戸内海汽船(株)、芸備商船(株)が中心となって、太陽汽船(株)の航路を買収し設立。平成20年12月関連の(株)防予旅行サービスを吸収合併、同年8月7日には(株)大観荘(大島郡周防大島町大字小松1656-3)、ホテル椿館(愛媛県松山市道後鷺谷町5-32)に会社分割、防予ホールディングス(株)を完全親会社とする株式移転を実施し完全に独立した。

 700トンクラスのカーフェリー3隻を保有し、24時間体制で柳井~松山間を「オレンジライン」の名称でピーク時には1日24往復の運航を行い、平成10年12月期には年商42億円余りを計上していた。しかし、同11年5月本州と四国を結ぶ「しまなみ街道」開通の影響により旅客数がダウン、運航数も1日12往復に減少して、同20年12月期の売上が20億7000万円とピーク時に比べ半減、2億6000万円の赤字を計上した。

 会社側の経過説明では、「原油高騰に加え、平成21年3月から景気対策として始まったETC割引の影響から利用客の激減、6月からは対抗策として復路1000円に割引したが、利用客回復には至らず、7月には船員を除く従業員の削減を実施するも再建の目処が立たず民事再生手続開始を選択した」と発表した。

(株)ヨウジヤマモト
  • 東京
  • 服飾製造・販売
負債総額
80億円
 

 (株)ヨウジヤマモト(品川区東品川2-2-43、設立昭和54年1月、資本金9000万円、大塚昌平社長、従業員479名)は、10月9日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。監督委員には髙松薫弁護士(千代田区霞ヶ関3-2-5、隼あすか法律事務所、電話03-3595-7070)が選任された。負債総額は80億600万円。

 同社は、日本を代表する世界的ファッションデザイナー山本耀司氏が設立した。「Yohji Yamamoto」「Yohji Yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモト プールオム)」「Yohji Yamamoto + NOIR(ヨウジヤマモト プリュス ノアール)」「Y's(ワイズ)」「Y-3(ワイスリー) 」などのブランドを擁していた。フランス、イタリア、アメリカなどに現地法人、国内に関連会社があり、世界規模での事業展開を行い、直営店も国内に約350店舗を数えた。平成15年8月期には売上高約119億1400万円を計上したが、その後は暖冬や事業分社化、また消費動向の停滞により同20年8月期には約95億8000万円まで落ち込んだ。

 ここ数年、店舗整理の一方、関連会社を通じて海外に数店舗オープンさせるなどしたことで先行投資費用が重荷になった。さらにリーマン・ショック以降の販売不振も重なり、資金繰りが悪化し、取引先に対し平成21年7月以降、支払猶予を要請するとともにスポンサーを募るなど動向が注目されていた。こうしたなか、エクイティ投資などを手がけるインテグラル(株)(千代田区)とスポンサー契約を結び事業譲渡を前提とした再建を図る目的で今回の申し立てとなった。なお、山本耀司氏は同21年4月30日付けで代表取締役を辞任している。

京品実業(株)
  • 東京
  • ホテル経営ほか
負債総額
70億円
 

 京品実業(株)(港区高輪4-10-20、設立昭和48年6月、資本金1000万円、小林誠代表清算人)は、10月23日東京地裁から破産手続開始決定を受けた。破産管財人は鈴木銀治郎弁護士(千代田区霞が関3-2-5、隼あすか法律事務所、電話03-3595-7070)が選任された。負債総額は70億円。

 同社は、明治4年「小林旅館」として創業。現在の建物は昭和5年に建築され、4階建て総客室数52室、宴会場・会議室を備えていた。品川駅高輪口正面に立地し、ビジネスマンを中心に顧客を確保していた。

 バブル期の平成2年7月には「アムスリゾート北志賀」、同4年12月には「エグゼクティブハウス高輪」、また飲食店など各地にオープンさせるなど多角経営に乗り出した。しかし、景気低迷により計画は頓挫し、多額の債務を抱えることとなった。最近はホテル経営とホテル内の飲食店のみの事業を展開していたが、多額の借入金が重く、同18年6月、19年6月とリーマン・ブラザーズ証券系列の貸金業者サンライズファイナンス(株)(港区)に債権譲渡された。

 平成20年10月20日に経営者が当初の通告通りにホテルの廃業と従業員の解雇を発表、10月21日に法人を解散させた。しかし、一部従業員がこれに反発し占拠、自主営業を続けた。その後、同21年1月15日、東京地裁が不法占拠している元従業員に対し建物の明渡し仮処分を決定、1月25日強制執行が行われた。7月13日にはサンライズファイナンスから「リバイバル1特定目的会社」に債権が譲渡され、9月24日債権者により破産手続開始が申し立てられた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
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