2015年8月の全国企業倒産632件
倒産件数が今年最少の632件 8月としては25年ぶりの700件割れ
2015年(平成27年)8月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が632件、負債総額は978億9,600万円だった。
倒産件数は、前年同月比13.0%減(95件減)で今年最少、5カ月連続で前年同月を下回った。8月度としては、1990年(514件)以来25年ぶりに700件を下回る低水準だった。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、大手輸出企業を中心とした業績拡大に牽引される形で景気が底上げされていることも影響した。
負債総額は、前年同月比27.8%減(378億6,800万円減)、4カ月連続で前年同月を下回った。月次の負債総額が1,000億円を割り込んだのは、1990年9月(911億8,200万円)以来、24年11カ月ぶりのこと。負債1億円未満の構成比が71.2%(450件)と全体の7割を占め、小規模企業の倒産が大半を占めている。
- 原因別:「他社倒産の余波」が26件、1990年7月(28件)以来、25年1カ月ぶりに30件を下回る
- 形態別:民事再生法が過去最少の12件にとどまる
- 従業員被害者数が今年最少の2,898人
- 負債10億円以上の大型倒産が今年最少の15件
- 「円安」関連倒産が今年最少の5件
- 「東日本大震災」関連倒産が11件、5カ月連続で前年同月を下回る
- 業種別:スーパー(2→4件)、情報関連サービス業(18→22件)などで増加
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、3カ月ぶりにすべて(構成比100.0%)を占める
産業別 情報通信業の件数が3カ月連続で前年同月を上回る
8月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、情報通信業は31件(前年同月比10.7%増)で、3カ月連続で前年同月を上回った。内訳ではソフトウェア業(12→19件)で増加が目立った。また、製造業は97件(前年同月比11.4%増)で2カ月ぶりに増加した。このうち、金属製品製造(5→13件)が増加をみせた。
一方、建設業は126件(前年同月比4.5%減)で14カ月連続で前年同月を下回った。また、小売業が86件(同2.2%減)、運輸業が21件(同38.2%減)でともに5カ月連続で前年同月を下回った。不動産業は19件(同50.0%減)で2カ月連続、サービス業他が157件(同21.8%減)で2カ月ぶりに前年同月を下回った。さらに、卸売業は84件(同22.9%減)で4カ月ぶりの減少になった。10産業のうち卸売業、小売業、運輸業、サービス業他の4産業で今年最少の件数にとどまった。
地区別 近畿と九州を除く7地区で前年同月の件数を下回る
8月の地区別倒産件数は、9地区のうち近畿と九州を除く7地区で前年同月を下回った。
近畿は172件(前年同月比2.9%増)で5カ月ぶりの増加。九州は61件(同10.9%増)で3カ月連続で前年同月を上回った。産業別では近畿がサービス業他(42→46件)、金属製品などの製造業(20→26件)で増加をみせ、九州は建設業(5→13件)と飲食料品などの小売業(5→12件)がいずれも倍増した。
一方、北陸が10件(前年同月比44.4%減)で12カ月連続、関東は230件(同25.5%減)で11カ月連続で前年同月を下回った。四国が12件(同20.0%減)で5カ月連続の減少。東北21件(同16.0%減)と中部80件(同4.7%減)および中国20件(同23.0%減)がそれぞれ2カ月連続の減少。北海道が26件(同7.1%減)で2カ月ぶりに減少した。このうち、東北・関東・中部・北陸・中国の5地区が今年最少件数にとどまった。
※地区の範囲は以下に定義している。
- 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
- 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
- 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
- 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
- 名阪ワシントンクラブ(株)/三重県/ゴルフ場経営/144億円/破産
- (株)不二屋ビルデング/東京都/オフィスビル賃貸管理/61億5,300万円/民事再生法
- (株)名阪フレンドリーパーク/三重県/不動産賃貸/36億円/破産
- いわて森のトレー生産(協)/岩手県/木材加工/27億8,700万円/破産
- 東洋工罐(株)/東京都/製缶業/24億4,100万円/取引停止処分
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