2007年(平成19年)上半期(1-6月)度 全国企業倒産状況
倒産件数 | 7,056件 |
---|---|
負債総額 | 2,651,955百万円 |
前年同期比(件数) | +6.4%(前年同期6,629件) |
前年同期比(負債) | ▲9.3%(前年同期2,926,391百万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年同期比6.4%増の7,056件、上半期としては3年ぶりの7,000件台
2007年(平成19年)上半期(1月〜6月)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は7,056件、負債総額は2兆6,519億5,500万円となった。※ 当社の倒産集計は、法的倒産のほかに銀行取引停止処分等の私的倒産を含む。
倒産件数は、前年同期比427件増、6.4%増で上半期としては2年連続前年同期比増加となり、3年ぶりに7,000件を上回った。ただし件数自体は、上半期としては最近10年間で4番目に少なかった。
これに対して負債総額は、前年同期比2,744億3,600万円減、9.3%減となり、上半期としては1991年以降で最小金額となった。
減少要因としては、負債1百億円以上の大型倒産が同33.3%減の32件(前年同期48件)にとどまったのに対して、負債1億円未満は同4.8%増の4,561件(構成比64.6%)になるなど小規模倒産の増加が挙げられる。 これに伴い平均負債額も同14.9%減の3億7,500万円で、上半期としては1991年以降で最少金額となった。
産業別
倒産件数、10産業のうち7産業で前年同期比増加
前年同期比増加率は、情報通信業16.2%増(160→186件)、サービス業他14.5%増(1,225→1,403件)、農・林・漁・鉱業14.2%増(42→48件)、卸売業10.2%増(926→1,021件)、製造業7.2%増(946→1,015件)、小売業4.2%増(875→912件)、建設業2.1%増(1,926→1,968件)の順。
これに対して減少率は、金融・保険業25.5%減(47→35件)、不動産業3.7%減(242→233件)、運輸業2.0%減(240→235件)の3産業だった。
産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
---|---|---|
農・林・漁・鉱業 | 48 | 33,945 |
建設業 | 1,968 | 392,782 |
製造業 | 1,015 | 308,334 |
卸売業 | 1,021 | 243,448 |
小売業 | 912 | 143,756 |
金融・保険業 | 35 | 34,036 |
不動産業 | 233 | 521,832 |
運輸業 | 235 | 61,553 |
情報通信業 | 186 | 63,109 |
サービス業他 | 1,403 | 849,160 |
合計 | 7,056 | 2,651,955 |
※業種分類のコード改訂(日本標準産業分類に基づく)に伴い、弊社データベースは2004年1月度より新業種分類に移行。このため、産業別分類は従来の9産業から10産業に変更している。各数値は新業種コードに基づく。
地区別
地区別倒産件数、9地区のうち8地区で前年同期比増加。増加率は、北海道15.7%増(286→331件)、四国12.8%増(164→185件)、関東10.0%増(2,198→2,419件)、九州9.5%増(577→632件)、東北4.2%増(380→396件)、中部3.7%増(685→711件)、近畿3.7%増(1,831→1,900件)、北陸0.5%増(179→180件)の順。これに対して減少率は、中国8.2%減(329→302件)だけだった。
また都道府県別倒産件数では、前年同期を上回ったのが34都道県、減少が13府県となった。
・北海道:上半期としては、件数が4年ぶりの前年同期比増加、負債総額は2年連続の減少
・東北:上半期としては、件数が2年ぶりの前年同期比増加、県別件数では岩手、秋田、山形で前年同期比増加
・関東:上半期としては、件数が2年連続の前年同期比増加、県別件数では千葉を除く1都7県で前年同期比増加
・中部北陸:上半期としては、中部の件数が2年ぶりに前年同期比増加、北陸の件数は2年連続前年同期比増加。県別件数では長野、岐阜、愛知、三重、富山、福井で前年同期比増加
・近畿:上半期としては、件数が2年連続前年同期比増加で、4年ぶりの1,900件台。県別件数では滋賀、兵庫、奈良、和歌山で前年同期比増加
・中国:上半期としては、件数・負債総額ともに前年同期比減少、県別件数では島根、山口で前年同期比増加
・四国:上半期としては、件数が2年ぶりの前年同期比増加、県別件数では徳島を除き前年同期比増、負債総額は前年同期比3倍増
・九州:上半期としては、件数が2年ぶりの前年同期比増加、県別件数では福岡を除き前年同期比増加
都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
---|---|---|
北海道 | 331 | 92,897 |
東北 | 396 | 166,036 |
青森 | 58 | 21,988 |
岩手 | 55 | 8,447 |
宮城 | 81 | 22,739 |
秋田 | 69 | 17,829 |
山形 | 71 | 9,270 |
福島 | 62 | 85,763 |
関東 | 2,419 | 1,260,520 |
茨城 | 108 | 46,690 |
栃木 | 92 | 41,298 |
群馬 | 92 | 65,562 |
埼玉 | 249 | 54,197 |
千葉 | 154 | 26,976 |
東京 | 1,233 | 830,916 |
神奈川 | 349 | 104,830 |
新潟 | 87 | 65,830 |
山梨 | 55 | 24,221 |
中部 | 711 | 201,904 |
長野 | 85 | 37,797 |
岐阜 | 101 | 20,504 |
静岡 | 125 | 34,239 |
愛知 | 334 | 96,331 |
三重 | 66 | 13,033 |
北陸 | 180 | 48,538 |
富山 | 46 | 10,656 |
石川 | 53 | 18,085 |
福井 | 81 | 19,797 |
都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
---|---|---|
近畿 | 1,900 | 434,377 |
滋賀 | 83 | 9,391 |
京都 | 251 | 47,520 |
大阪 | 1,058 | 215,098 |
兵庫 | 349 | 94,314 |
奈良 | 87 | 38,441 |
和歌山 | 72 | 29,613 |
中国 | 302 | 106,539 |
鳥取 | 22 | 7,697 |
島根 | 31 | 11,382 |
岡山 | 78 | 27,168 |
広島 | 120 | 47,537 |
山口 | 51 | 12,755 |
四国 | 185 | 163,804 |
徳島 | 34 | 17,721 |
香川 | 55 | 17,606 |
愛媛 | 54 | 115,162 |
高知 | 42 | 13,315 |
九州 | 632 | 177,340 |
福岡 | 243 | 55,896 |
佐賀 | 34 | 14,573 |
長崎 | 60 | 22,541 |
熊本 | 72 | 15,076 |
大分 | 58 | 25,283 |
宮崎 | 50 | 10,515 |
鹿児島 | 77 | 27,668 |
沖縄 | 38 | 5,788 |
合計 | 7,056 | 2,651,955 |
※地区の範囲は以下に定義している。 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨) 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重) 北陸(富山、石川、福井) 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
◎形態別:破産件数が前年同期比7.3%増の3,906件、上半期としては過去最多
◎形態別:民事再生法は、件数が前年同期比5.2%減の270件、上半期としては5年連続前年を下回る
◎従業員数別:5人未満の構成比60.4%、上半期としては2年連続6割を占める
◎従業員被害者数:前年同期比27.7%増の6万1,719人、上半期としては3年ぶりに6万人を上回る
◎原因別:販売不振の件数構成比が64.3%、上半期としては5年連続で60%を上回る
◎上場企業倒産:東証2部上場企業の倒産が1件発生
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同期比6.1%増の7,015件
当期の主な倒産
(株)エフ・アール・イー/東京都/不動産業/228,500百万円/破産
シーコム(株)/東京都/ホテル、海運業/109,700百万円/破産
エス・エス・シー(株)/愛媛県/不動産業/78,800百万円/破産
(株)ダイエー/福島県/パチンコ店経営/63,600百万円/民事再生法
総武都市開発(株)/東京都/ゴルフ場経営/38,600百万円/民事再生法
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