消費者金融業を手掛けていたネットカード(株)(TSR企業コード:294431314、法人番号:3010601035663、墨田区太平3-1-2、設立平成9年10月、資本金1億9500万円、渡邊久生社長)は11月10日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には深山雅也弁護士(深山・小金丸法律会計事務所、新宿区西新宿1-25-1、破産管財人室カスタマーセンター0120-365-504)が選任された。負債総額は594億8900万円(平成21年3月期決算時点)だが、過払金の返還請求などもあり大きく変動する可能性がある。
昭和51年4月設立のオリエント信販(株)(TSR企業コード:292445989)を前身とし、消費者金融業を展開していた。平成12年6月に投資ファンドのユニゾン・キャピタル・パートナーズ(株)(現:ユニゾンキャピタル(株)、TSR企業コード:297321595、法人番号:2010001115067、千代田区)が経営権を取得した以降、営業拠点を集約して無店舗化を推進。インターネットを介した消費者金融業に特化し、17年3月期は売上高約192億3900万円をあげ、ネット型消費者金融業者としては当時最大級の規模を誇っていた。
17年9月にはGMOインターネット(株)(TSR企業コード:293771847、法人番号:6011001029526、渋谷区)がユニゾン・キャピタル・パートナーズから株式を取得して子会社化し、当社はGMOネットカード(株)に商号を変更。その後、経営陣によるMBOが実施されGMOグループから切り離された。
一方で、貸金業法の改正によるグレーゾーン金利の撤廃以降は多額の過払金問題を抱えて経営が悪化し、21年6月以降は新規貸出を停止していた。個人からの過払い利息の返還訴訟が相次ぐなか、金融債務や過払い利息返還の猶予で凌いできたが債権者から破産を申し立てられ今回の措置となった。
(株)白井産業(TSR企業コード:460002023、法人番号:1080001013091、藤枝市善左衛門1471-2、登記上:島田市御請45-1、設立昭和38年8月、資本金4860万円、松本貢社長)は11月6日、静岡地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には山本正幸弁護士(まどか法律事務所、静岡市葵区呉服町1-1-14、電話054-255-2819)が選任された。負債総額は債権者約150名に対して約50億円。
組立家具では国内トップメーカーとして知られ、ピーク時には売上高100億円超をあげていた。製品の15%が本社工場での生産、85%がベトナム子会社での生産体制だったが、海外勢との競争激化などで売上は減少に転じ、平成29年1月期は売上高が約43億円にとどまっていた。さらに過去の設備投資等による過大な金融債務を抱え、その利払いが資金繰りを圧迫し、抜本的な改善策を打てなかった。
こうしたなか、静岡県内の金融機関および中小基盤整備機構が出資する静岡中小企業支援5号投資事業有限責任組合とルネッサンスセブン投資事業有限責任組合をスポンサーに選定し、プレパッケージ型の民事再生手続で再建を図ることとなった。
(株)YH商事(TSR企業コード:471014281、法人番号:4200001014446、大垣市寿町1-1、登記上:東京都港区赤坂3-13-4、設立昭和29年9月、資本金4800万円、代表清算人:松岡一郎氏)は10月30日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約39億9000万円(平成29年1月期決算時点)。
昭和10年創業の老舗で、岐阜県産の「飛騨牛」の名付け親の(株)吉田ハムとして地元では相応の知名度を有し、食肉加工、ハム・ソーセージ等製造を主業務としていた。
ピーク時の売上高は402億円を計上していたが、業績は悪化の一途をたどり、平成22年1月期の売上高が200億円を割り込んだうえ、19年1月期から24年1月期まで6期連続で赤字になり債務超過に陥っていた。
28年5月に政府系ファンドの地域経済活性化支援機構に金融機関との連名で再生支援を申込み、JA全農ミートフーズ(株)(TSR企業コード:296703850、法人番号:7010401062128、東京都港区)の100%出資により設立された(株)吉田ハム(TSR企業コード:018172903、法人番号:2200001032870、大垣市)に同年8月1日付で事業を譲渡した。さらに現商号に変更して、29年8月31日には、東京都港区に登記上本社を移転するとともに株主総会の決議により解散していた。
(株)neix(TSR企業コード:010384936、法人番号:8430001012992、札幌市白石区東札幌3条5-3-24、設立平成5年7月、資本金3億円、端一二社長)は11月20日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には江上千惠子弁護士(江上法律事務所、東京都墨田区錦糸1-2-6、電話03-3621-0216)が選任された。負債総額は約26億3200万円。
電話通信端末機器の開発ならびに製造を手掛け、回転ダイヤル式電話のダイヤルパルス(DP)信号をプッシュホン対応のプッシュボタン(PB)信号に変換するDP/BP変換装置は、全国のコールセンターにおいて標準装置となった。その後も通話録音システム、FAX誤送信防止システムなどを開発し、システムインテグレーション事業にも参入して事業の多角化を図り、積極的な資金調達とM&Aを実施して業容を拡大させた。
ピーク時の売上高は115億2171万円を計上したが、その後、経費負担増から資金繰りが悪化。21年にはシステムインテグレーション事業を他社に売却、24年6月期には18億1300万円の赤字を計上して債務超過に陥った。
26年9月には(株)ネイクスから現商号に変更し、業績回復を目指していたが、28年6月期以降、売上が一段と落ち込み、事業継続が困難となった。こうしたなか、(株)ネクストジェン(TSR企業コード:295348143、法人番号:6010001097517、東京都港区)が支援を表明したため、民事再生手続により再建を図ることとなった。
(株)アイム(TSR企業コード:294014268、法人番号:6013201007410、港区芝大門2-11-1、設立平成10年10月、資本金2660万円、上野善弘社長)は11月20日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には小畑英一弁護士(LM法律事務所、千代田区永田町2-11-1、電話03-6206-1310)が選任された。負債総額は債権者94名に対し26億2200万円。
「ROLEX」「OMEGA」などの海外ブランドの時計販売を主業に、バッグ、アクセサリー、宝飾品などの輸入販売も手掛けるほか、直営店の運営、インターネット通販も行っていた。ピークとなる平成27年8月期には売上高約94億円をあげていた。
しかし、同業者との競争は薄利多売の状況で資金繰りに余裕はなかった。また、インバウンド需要の一巡で28年8月期の売上高は約82億円に減少。29年11月上旬に、上野社長との連絡が取り難い状況となったため、事業継続が困難となり今回の措置となった。
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