こうして倒産した

2018年(平成30年)5月度こうして倒産した・・・
(株)ビバック
  • 東京
  • 建設機械販売ほか
負債総額
185億9000万円
 

 (株)ビバック(TSR企業コード:296003956、法人番号:5010701017287、品川区旗の台2-1-6、設立平成16年5月、資本金1000万円、山田泰之社長)は5月7日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には髙井章光弁護士(髙井総合法律事務所、港区西新橋1-15-5、電話03-3519-7800)が選任された。負債総額は債権者122名に対して185億9000万円。
 建設機械の販売を中心にレンタルも手掛けていた。新興企業だったが、山田社長の積極策が功を奏し、東日本大震災の復興による建設機械の需要増を追い風に事業を急拡大させ、設立後10期目となる平成26年3月期には売上高129億4269万円をあげていた。
 その後も東京オリンピック・パラリンピックによる首都圏の建設機械の需要の高まりや輸出事業の強化により、29年3月期は過去最高となる売上高192億3982万円をあげていた。
 しかし、建設機械への投資負担が重く借入金に依存した資金繰りが続いたほか、同業との価格競争もあり、低い利益率にとどまっていた。多忙な資金繰りが続いていたなか、親密な関係にあった(株)PROEARTH(TSR企業コード:363795677、法人番号:6021001039417、神奈川県厚木市)が29年12月に東京地裁に民事再生法の適用を申請(その後、再生手続廃止により破産へ移行)したことで多額の債権が焦げ付いた。
 さらに、30年1月30日には主要取引先の(有)大曲建機(TSR企業コード:220106673、法人番号:4410002011289、秋田県大仙市)が民事再生法の適用を申請するなど、相次ぐ大口の不良債権の発生から信用は大きく低下した。
 資金調達も困難となるなかで取引先への支払い遅延も発生し、再建に向けて関係先との協議を進めてきたが、資金繰りも限界に達し今回の措置に踏み切った。

(株)RCハウジング
  • 愛知
  • 分譲住宅販売
負債総額
50億円
 

 (株)RCハウジング(TSR企業コード:510095135、法人番号:2180301005199、豊橋市東郷町60、設立平成6年3月、資本金3000万円、笠原宏司社長)は5月31日、名古屋地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は佐久間信司弁護士(名古屋第一法律事務所、名古屋市中区丸の内2-18-22、電話052-211-2236)。監督委員には榎本修弁護士(ひかり弁護士法人アイリス法律事務所、名古屋市中区丸の内3-20-17、電話052-938-5508)が選任された。負債総額は約50億円。
 設立当初は建築工事を主体に事業を展開し、建売分譲住宅販売で業績を伸ばした。最近は自社分譲マンション「ディアステージ」を中心とした建売販売が主体となり、全国5カ所に事業所を展開し、売上高は平成29年3月期で118億8892万円をあげていた。
 しかし、分譲用資産等の在庫過多による借入依存は否めず、資金繰りが多忙を極めるなか、金融機関からの支援を受けることもできなくなり、支え切れなくなった。

(医)社団大森会
  • 熊本
  • 病院経営
負債総額
28億2500万円
 

 (医)社団大森会(TSR企業コード:910128820、法人番号:2330005005372、宇城市小川町北新田5、設立昭和51年11月、理事長:出口泰文氏)は5月21日、熊本地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は由井照二弁護士(由井法律事務所、熊本市中央区黒髪3-12-4、電話096-343-0585)ほか3名。監督委員には田中俊夫弁護士(田中法律事務所、熊本市中央区京町1-11-3、電話096-359-0830)が選任された。負債総額は債権者約60名に対して28億2500万円。
 病床数257(療養病棟212、一般病棟45)を数える県南地区上位の療養型病院「おおもり病院」を経営。大型商業施設に隣接する好立地に加え、いち早く療養型病棟主体の経営に徹したことで来院患者、入院患者数も次第に増加し、ピークとなる平成17年3月期には売上高15億2299万円を計上した。
 しかし、その後は保険料改定や競合などにより減収で推移。人工透析も開始したが、減収に歯止めが掛からず、29年3月期の売上高は12億3884万円にまで減少した。長期にわたって債務超過が続き、次第に資金繰りが逼迫するなか、30年5月1日には資金ショートを起こしたことで動向が注目されていた。今後は、桜十字グループをスポンサーとして再建を図る方針。

(株)花園万頭
  • 東京
  • 和菓子製造販売
負債総額
20億円
 

 (株)花園万頭(TSR企業コード:290958687、法人番号:1011101017476、新宿区新宿5-16-15、設立昭和28年1月、資本金4000万円、石川一弥社長)は5月31日、東京地裁に破産を申請し同日、保全管理命令を受けた。申請代理人は吉田勉弁護士(吉田・渡邊法律事務所、千代田区九段北1-3-4、電話03-5275-7451)ほか。保全管理人には野田聖子弁護士(永沢総合法律事務所、中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800) が選任された。今後、破産開始決定になるまで直営店舗や百貨店に入居している売り場は当面営業を継続する予定。負債総額は約20億円。
 天保5(1834)年創業の老舗の和菓子製造販売会社。「花園万頭」「ぬれ甘なつと」「花園春日山」が売上の中心で、自社工場で生産、本店等での直営販売のほか、首都圏の有名百貨店を中心に全国56カ所の売り場で一般顧客向けに販売。ピークとなる平成6年6月期には売上高約42億円をあげていた。
 しかし、バブル期に過剰な有利子負債を抱えたほか、東日本大震災後の販売不振などで業況が悪化。さらに近年は、消費低迷による売上不振が続き28年6月期には売上高が20億1105万円に減少し、1億9042万円の赤字となり債務超過に転落した。29年6月期も売上高は19億272万円にとどまり、経営悪化に歯止めが掛からず、今回の措置となった。

(株)毛利興産
  • 東京
  • スーパー経営
負債総額
18億7600万円
 

 (株)毛利興産(旧:(株)山田屋アタック、TSR企業コード:290980313、法人番号:7011701008051、江戸川区篠崎町4-6-12、登記上:中央区京橋2-8-5、設立昭和46年5月、資本金5000万円、代表清算人:山田求行氏)は5月2日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は18億7600万円(平成28年8月期決算時点)。
 江戸川区内を中心にスーパー「アタック」を展開。食品や酒類、雑貨などの販売を手掛け、平成26年8月期は売上高約59億円をあげていた。
 しかし、同業との競争が激しく赤字運営から多額の債務超過に陥っていた。このようななか、29年9月に会社分割して新設した(株)アタック(TSR企業コード:025811150、法人番号:8010401133803、東京都港区)にスーパー事業などを譲渡。アタックは大手外食チェーンの関連会社となった。当社は清算手続きに入り、同年11月29日に株主総会の決議により解散。30年3月1日に社名を現商号へ変更し、本社を現所在地へ移転していた。
 なお、スーパー「アタック」は新会社のアタックが現在、運営している。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年1-6月「負債1,000万円未満」倒産 261件 2010年以降で3番目の高水準「破産」が約98%

2024年上半期(1‐6月)の全国企業倒産(負債1,000万円以上)は4,931件で、年間1万件を超えるペースで増勢をたどっている。また、負債1,000万円未満の小規模倒産も261件(前年同期比6.9%増)で、2010年以降では3番目の高水準となった。

2

  • TSRデータインサイト

2024年上半期「バー」「キャバクラ」等の倒産47件 過去10年で最多、コロナ禍と物価高で変わる夜の街

コロナ禍が落ち着き、街にはインバウンド需要で外国人観光客が増え、人出が戻ってきた。だが、通い慣れたお店のドアは馴染み客には重いようだ。2024年上半期(1-6月)の「バー,キャバレー,ナイトクラブ」の倒産は、過去10年間で最多の47件(前年同期比161.1%増)に急増した。

3

  • TSRデータインサイト

上半期の「飲食業倒産」、過去最多の493件 淘汰が加速し、「バー・キャバレー」「すし店」は2倍に

飲食業の倒産が増勢を強めている。2024年上半期(1-6月)の飲食業倒産(負債1,000万円以上)は493件(前年同期比16.2%増、前年同期424件)で、2年連続で過去最多を更新した。現在のペースで推移すると、年間では初めて1,000件超えとなる可能性も出てきた。

4

  • TSRデータインサイト

2023年の「個人情報漏えい・紛失事故」が年間最多 件数175件、流出・紛失情報も最多の4,090万人分

2023年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、175件(前年比6.0%増)だった。漏えいした個人情報は前年(592万7,057人分)の約7倍の4,090万8,718人分(同590.2%増)と大幅に増えた。社数は147社で、前年から3社減少し、過去2番目だった。

5

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均は1ドル=143.5円 3期連続で最安値を更新

株式上場する主要メーカー109社の2024年度決算(2025年3月期)の期首の対ドル想定為替レートは、1ドル=145円が54社(構成比49.5%)と約半数にのぼることがわかった。 平均値は1ドル=143.5円で、前期から14.5円の円安設定だった。期首レートでは2023年3月期決算から3期連続で最安値を更新した。

TOPへ