柴田栄興産(株)(名古屋市中区栄3−32−26、設立昭和22年8月、資本金2億4100万円、柴田洋治郎社長)と関連会社の栄柴田開発(株)(同所、設立昭和47年4月、資本金2000万円、同社長)の両社は5月29日、名古屋地裁より破産手続開始決定を受けた。破産管財人は渥美裕資弁護士(名古屋市中区丸の内3−19−1、電話052−961−8670)。負債は柴田栄興産が債権者113名に対し473億4868万円、栄柴田開発が債権者5名に対し65億1714万円。
柴田栄興産は昭和22年8月に六合建築(株)として設立され、24年9月六合建設(株)に商号変更、その後平成5年10月六合栄興産(株)に、9年6月現商号に変更した。バブル期に入り不動産デベロッパーとして事業を拡大、ピーク時の平成4年3月期には年商443億7500万円をあげていたが、借入も多額にのぼり負債は575億円に達していた。
そのため、平成5年10月建設部門を六合建設(株)(旧・六合ホーム(株)、同所、設立平成4年3月、資本金1億円)に譲渡、同時に社名を六合栄興産に変更して、借入の処理作業を進めてきた。そうした中、債権者200である金融機関の損失処理決着の意味合いもあり今回の措置となった。
栄柴田開発は旧商号が六合開発(株)で平成9年に現商号に変更した。旧・六合建設グループの不動産開発に係る土地買い付けを手掛けていたが、バブル崩壊後は購入不動産が塩漬けとなり、借入返済は進まず債務超過に陥っていた。なお、負債のうち約15億円は柴田栄興産への債務。
大拓(株)(寝屋川市香里北之町2−2、設立昭和44年9月、資本金1000万円、中村和子社長)は5月11日、大阪地裁へ破産手続開始を申し立て同月31日開始決定を受けた。申立代理人は秀平吉朗弁護士(大阪市北区西天満5−8−8、電話06−6365−9955)。破産管財人には山田勝彦弁護士(大阪市中央区平野町2−1−14、電話06−6231−5656)が選任されている。負債は188億527万円。
同社は北大阪地区を中心にバブル期には積極的に不動産売買を手掛け、過去の代表者は競走馬「ダイタクヘリオス」の馬主として知られていた。しかし、不動産購入資金を借入で賄うほか、競走馬保有費用などに資金が流出、財務内容は脆弱にあり近年は保有不動産を処分しながら事業を継続していた。そうした中、平成12年11月開催の株主総会で解散を決議、このほど債務整理の一環として今回の措置となった。
なお、関係会社の中村総合建設(株)(同所、設立昭和44年1月、資本金3000万円、同社長)も5月31日、大阪地裁より破産手続開始決定を受けた。また、同じく関係会社の(有)太陽ファーム(同所、設立平成4年4月、資本金1000万円、同社長、従業員13名)は6月23日、大阪地裁から破産手続開始決定を受けている。負債は中村総合建設が159億1302万円、太陽ファームが158億3472万円だが、相互に債務保証を行っているため実質的な負債は減少する。
アイ・テイ・エイ・ヴイデオ・サービス(株)(堺市堺区中安井町1−4−1、設立昭和45年9月、資本金1000万円、和田栄一社長、従業員140名)は6月23日、大阪地裁に民事再生手続開始を申し立て同日保全命令を受けた。申立代理人は村辻義信弁護士(大阪市北区堂島1−1−5、電話06−6343−3343)ほか。監督委員には中井康之弁護士(大阪市中央区北浜2−3−9、電話06−6201−4456)が選任されている。負債は約138億円。
同社は昭和45年9月に設立されたセキュリティーシステムの開発業者。主に遊技施設向けホールセキュリティーシステムや遠隔監視デジタルレコーディングシステムなどの開発や業務用無線、音響システムも扱うほか付帯設備機器を販売。全国各地に営業拠点を設置し、パチンコホールやホテル、ゲームセンター、スーパーなどを対象に、平成17年5は年商58億6200万円をあげていた。
しかし、業容拡大や新規事業への参入による資金需要に加えて、株式投資などへの資金負担から多額の借入金を抱えた運営となっていた。そうした中、本業自体は拡大傾向で推移していたものの、株式市況の鈍化から保有株式に多額の含み損が発生、本業への影響を回避するため民事再生法による再建を決断した。
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