(株)福岡センチユリーゴルフクラブ(福岡市中央区赤坂1-14-22、設立昭和62年5月、資本金7000万円、代表取締役:上杉昌也氏ほか1名、従業員64名)と関連の(株)創栄(朝倉市柿原1321-11、設立平成7年4月、資本金1000万円、代表取締役:櫻井良正氏、従業員25名)は6月23日、福岡地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員は中山英治弁護士(不二法律事務所、福岡市中央区薬院1-16-20、電話092-712-2305)が選任された。
負債総額は(株)福岡センチユリーゴルフクラブが約343億円(内預託金約270億円)、関連会社の(株)創栄が85億円。
(株)福岡センチユリーゴルフクラブは、福岡センチュリーゴルフクラブ(福岡県朝倉市)の運営を目的に設立し、平成2年に同ゴルフ場をオープン。国内初の20ホール(パー80)スタイルのゴルフ場で、隣接するホテル、コンベンションホールなどの運営を手がけていた。日本女子プロツアーのフンドーキンレディースや日韓女子プロゴルフ対抗戦に利用されるなど、地場有数の名門ゴルフクラブとして知名度の浸透とともに会員数を伸ばし、同5年3月期売上高は17億4768万円、当期利益は733万円を計上していた。
こうした一方で平成12年にゴルフ会員権の償還を迎えるにあたり、大手飲食店チェーンの関連会社の支援を受け、乗り切った経緯がある。その後も景気低迷のなか、業績は振るわず、預託金返還請求訴訟が相次ぎ、資金的に厳しい状況が続いていた。
(株)齋藤商事(中央区日本橋2-2-3、登記上:静岡県駿東郡長泉町東野515-79、設立昭和59年12月、資本金5000万円、齋藤良雄社長、従業員25名)は、再度の資金ショートを起こした。営業は継続中。負債総額は関係会社への貸付金および未収金を含めて約150億円。
同社は、レジャーホテルのフランチャイズチェーン事業を開始するとともに地方ファッションホテルの買収を繰り返し、全国各地の「アイネ」ホテルグループ本部としてFCチェーン展開していた。またホテル経営のコンサルティング、業務請負を行い、平成13年9月期に年商45億3962万円を計上した。この間、グループ会社数社を設立して出資、貸付を行うなどして同14年9月期の関係会社出資金および長期貸付金は140億円近くにのぼった。
しかし、北海道の子会社整理で10億円余の貸倒の発生から特別損失を計上して平成14年9月期に12億1050万円の赤字に陥り債務超過が10億円を超えた。同20年にはコンビニ跡地やパチンコ跡地の再生プロジェクト事業を開始したが、FC事業を関連会社および子会社に譲渡し、同21年9月期の年商が約3億円に落ち込んだ。その後、経営コンサルティングを中心に事業集約を進めたものの、景気後退の煽りを受けて低迷を抜け出せず資金繰りが悪化した。
なお、会社側では「今回の資金ショートはグループ内取引の決済で起こった。営業上特段の支障は無く、引き続き営業を続ける」としている。なお5月2日、商号を(株)アイネシステムから(株)齋藤商事に変更するとともに現在地に本店移転を行っている。
新川管財(株)(苫小牧市日吉町2-3-9、設立昭和45年3月、資本金9300万円、代表清算人:坂井容一氏)は、5月31日札幌地裁に特別清算を申請した。申請代理人は高木裕康弁護士(東京丸の内法律事務所、東京都千代田区丸の内3-3-1、電話03-3213-1081)。負債総額は75億円。
同社(旧・(株)岸本医科学研究所)は、臨床検査受託会社。臨床検査業務を主体とし、学校・事務所検診、遺伝子関連・食品検査、環境計量分析、試薬製造・販売などを手がけ、本社他、全国23カ所に研究所を開設。本州方面を中心とした研究所開設効果もあって、平成20年12月期売上高は103億3700万円を計上していた。しかし、積極的な設備投資によるコスト増加によって収益が悪化し、平成14年から債務超過に陥り、同時期にゴルフ場、ワイナリー、日本酒醸造所等の本業以外への資金流出が加速したため、資金不足を補うため粉飾決算により有利子負債を増大させる形となった。同21年には資金繰りが行き詰まり、金融機関の協力を得て有利子負債の返済猶予を行いつつ、事業改革によって業績を改善し、自主再建を目指した。
こうした一方で、検査機器の老朽化による検査品質やサービスレベルの低下を食い止めるため、平成22年4月頃から主な同業事業者に外注等の提携を模索した結果、6月には臨床検査大手の(株)ビー・エム・エル(本社:東京都渋谷区)との間で外注化等についての事業提携を行うに至った。しかし、資金的な窮地状況が継続したことに加え、事業継続に必要な設備投資のための資金を早急に調整する必要に迫られた結果、主要金融機関と協議のうえ、みずほ銀行と(株)ビー・エム・エルとの連名で(株)企業再生支援機構に対して再生支援申込を行い、同22年12月に支援決定を受ける形となった。(株)企業再生支援機構は関係金融機関との調整を行い、スポンサーである(株)ビー・エム・エルは同23年4月、新設子会社(新・(株)岸本医科学研究所)への会社分割による事業継承を実行、メドが立ったことから今回の措置となった。
ターンアラウンド債権回収(株)(千代田区九段南4-2-11、設立平成13年2月、資本金5億800万円、松﨑布見子社長)は、6月13日東京地裁に破産を申請した。申請代理人は大木丈史弁護士(東京ウィル法律事務所、千代田区永田町1-11-30、電話03-5511-7033)。負債総額は30億円。
同社は、法務大臣の営業認可を受けて事業を開始、一時ライブドアの傘下となったが、その後主要株主が変化し、平成21年9月に中小企業振興ネットワーク企業6社が株式を取得した。これに伴い、日本振興銀行を中心とした中小企業振興ネットワーク内での事業を展開していた。
しかし、もともと厳しい事業展開であったうえ、主力行である日本振興銀行が平成22年9月、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことで資金調達の後ろ盾を失うこととなった。さらに同23年4月に日本振興銀行が事業の一部を第二日本承継銀行に譲渡したが、債権が整理回収機構に譲渡されたことで資金調達も一段と厳しくなり、今回の措置となった。
(株)日本建機リース(鹿児島市七ツ島1-1-9、設立昭和53年4月、資本金5000万円、上籠裕社長、従業員63名)は、6月3日鹿児島地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員は、新納幸辰弁護士(新納法律事務所、鹿児島市山下町12-10徳田ビル201、電話099-239-2647)が選任された。負債総額は債権者129名に対して約28億7700万円。
同社は、建設機械の賃貸業などを目的として設立。平成5年に発生した集中豪雨により災害復旧工事が多発し、需要急増から事業所展開や設備類の充実化など業容を一気に拡大した。一時業績は伸び悩んだが、アジア方面での需要の高まりもあって中古建機類の販売が活発化して業況は再び上向き、平成19年8月期に年商20億円を突破。同20年8月期以降は21億円台の売上高を維持していた。
しかし、建機類などに対する先行投資負担が大きく、また、従来から焦付きなどの散発もあって利益が低調に推移した。平成22年8月期には、仕入れが嵩んで粗利の低下から4748万円の赤字を計上した。こうした中、建設機械販売部門で東日本大震災の影響から納入が遅れ、支払手形の弁済原資として予定していた売掛金の回収が滞り、5月の決済が不調となった。このため法的手続きを選択して再建を図ることとなった。
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