こうして倒産した

2024年(令和6年)6月度こうして倒産した・・・
(株)個別指導塾スタンダード
  • 福岡
  • 学習塾経営
負債総額
83億2400万円
 

 (株)個別指導塾スタンダード(TSR企業コード:870629107、法人番号:1290001023755、福岡市博多区綱場町6-15、設立2002(平成14)年1月、資本金1000万円)は6月28日、福岡地裁に民事再生法の適用を申請した。
 申請代理人は舞田靖子弁護士(舞田法律事務所、同市中央区天神1-14-4)。
 負債総額は債権者約4350人に対して83億2400万円。
 個別指導塾スタンダードは、2001年1月に創業した学習塾運営業者で、西日本を中心に「個別指導塾スタンダード」を展開して事業規模を拡大。一時は約500教室を運営し、株式上場を目指している旨を公表した時期もあった。ところが、2017年7月に経営幹部によるパワーハラスメントがマスコミに取り上げられ、内部管理体制の不備が発覚するなど対外信用の低下を招いていた。一方で、2019年4月期にはピークとなる売上高82億1816万円を計上したが、コロナ禍や少子化に伴う競合激化によって、2023年4月期の売上高は30億3540万円にまで急減。同期は5億3063万円の赤字を計上し、債務超過額が拡大していた。
 こうしたなか、採算割れの教室の閉鎖などにより固定費の削減を進め、再建を模索していたが、借入金の返済や金利負担が重く、自力での再建を断念し、今回の措置となった。

(株)暁建設
  • 埼玉
  • 総合建設業
負債総額
51億8179万円
 

 (株)暁建設(TSR企業コード:314548025、法人番号:2030001104489、戸田市新曽423、登記上:東京都葛飾区宝町1-2-6、設立2014(平成26)年8月、資本金3000万円)は6月12日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には富永浩明弁護士(富永浩明法律事務所、東京都中央区銀座7-12-14)が選任された。
 負債総額は債権者360名に対して51億8179万円。
 コンクリート基礎工事業者として設立。その後、マンション建設を基幹事業とした。投資用マンションの建設を得意とし、個人投資家向けの取引拡大で2019年7月期に約6億5100万円だった売上高は、2023年7月期には約53億1700万円と急拡大していた。一方、材料費や外注費などの原価上昇もあり、同期の利益は1025万円にとどまっていた。
 こうしたなか、2023年夏頃より支払遅れが目立つようになり信用が低下。さらに2024年1月、注文者(施主)に対して、資材高騰などを理由に、請負代金の増額に応じた案件から優先的に施工することを通知していた。しかし、一部債権の回収が困難になるなど資金繰りは改善できず同年3月29日、事業を停止した。

三基システムエンジニアリング(株)
  • 東京
  • パチンコ関連システム開発
負債総額
43億1423万円
 

 三基システムエンジニアリング(株)(TSR企業コード:291717888、法人番号:8011101033921、新宿区新宿1-36-7、設立1977(昭和52)年4月、資本金3億7240万円)は6月12日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には田治之佳弁護士(数寄屋橋法律事務所、中央区銀座6-2-1)が選任された。
 負債総額は43億1423万円。
 設立当初は、原子力発電所向け制御ソフトウェアの開発販売を手掛け、2001年3月期には売上高15億9546万円をあげていた。その後、同事業の縮小とともに遊技機の監視システムやセンサーなどパチンコ向け関連システムの開発にシフトしていた。
 しかし、開発が想定通りに進まず、製品の導入遅れから売上が急激に落ち込み、2004年3月期以降、売上計上がほとんどない状態が長期間続いていた。また、多額の債務を抱え、毎期赤字を計上して累積損失が拡大するなか、今回の措置となった。

(株)Clear
  • 大阪
  • 美容用品ほか販売
負債総額
35億3077万円
 

 (株)Clear(TSR企業コード:136426239、法人番号:3120001230960、大阪市淀川区塚本3-13-16、設立2020(令和2)年8月、資本金300万円)は5月1日、大阪地裁に破産を申請し6月11日、破産開始決定を受けた。
 破産管財人には荻野数馬弁護士(心斎橋中央法律事務所、同市中央区南船場4-7-6)が選任された。
 負債総額は債権者62名に対して35億3077万円。
 ヘアオイルなどの美容用品やドライヤーなどの美容機器の卸売を中心に手掛けていた。国内外から仕入れた商品を理美容店などに販売するほか、化粧品の企画・開発も行うなど積極的な展開で、業歴は浅いながら、2023年7月期の売上高は40億円超を計上していた。
 しかし、仕入先との間で商取引上のトラブルが発生したことで、数億円規模の損害が生じ、資金繰りが急激に悪化。資金運営に行き詰まり、事業継続が困難となり、今回の措置となった。

(株)SAJほか1社
  • 神奈川
  • 自動車部品開発販売
負債総額
20億7000万円
 

 (株)SAJ(旧:(株)サン自動車工業、TSR企業コード:290944910、法人番号:8010901004702、横浜市港北区新横浜1-14-20、設立1966(昭和41)年12月、資本金4500万円)は5月31日に横浜地裁より、関連の(株)サンクラフト(TSR企業コード:270208933、法人番号:3070001013900、伊勢崎市赤堀鹿島町153、設立1995(平成7)年1月、資本金1000万円)は6月3日に前橋地裁より、それぞれ特別清算開始決定を受けた。
 負債は、SAJが約12億円、サンクラフトが約8億7000万円で、2社合計約20億7000万円。
 SAJは、自動車や二輪車、トレーラー、小型船舶などに使用される部品・用品類の開発販売を手掛けていた。また、1995年1月には、製品の生産・組立などを行っていた群馬工場を独立させる形でサンクラフトを設立し、グループで事業を展開していた。
 1994年8月期には約30億5100万円の売上高を計上したが、マーケットの変動や競争激化などで徐々に売上が減少し、2007年8月期以降はたびたび赤字を計上していた。赤字補填に加え、サンクラフトの設備投資も負担するなどしていたことから借入依存度が高く、近年は借入金が年間売上高を上回る状況に陥っていた。
 サンクラフトは、自動部品製造を手掛け、自動車メーカーからのOEMのほか、自社ブランド品の製造にも注力していた。サン自動車工業を通じて販路は多岐にわたり、ピークとなる2003年6月期には売上高21億2193万円を計上した。
 しかし、その後は緩やかな減収基調となっていたうえ、リーマン・ショック以降は市況悪化の煽りを受け、2009年6月期には売上高が10億円を割り込み、債務超過に転落。その後も業績に改善の兆しは見られないなか、2021年8月期(決算期変更)は売上高が3億5487万円にまで落ち込み、1307万円の赤字となっていた。
 こうしたなか、神奈川県中小企業活性化協議会のスキームにより新設した(株)サン自動車工業(TSR企業コード:380714094、法人番号:7020001142171、横浜市港北区)に2021年9月1日、2社の事業を移管。2社ともに2024年3月18日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

見附染工(株)
  • 新潟
  • 染色整理業
負債総額
16億円
 

 見附染工(株)(TSR企業コード:230002170、法人番号:6110001025095、見附市月見台1-3-1、設立1980(昭和55)年8月、資本金5000万円)は6月14日、新潟地裁長岡支部に破産を申請した。
 申請代理人は佐藤充弁護士(不死鳥綜合法律事務所、長岡市東坂之上町1-2-5)。
 負債総額は16億円。
 1970年10月、紺藤整染興業(株)(現:紺藤整染(株)、TSR企業コード:202002764、見附市)の見附工場として操業を開始し、同社から分離して設立。合繊複合織物等の染色整理工場として国内でもトップクラスの技術を有し、大手繊維商社を主体に顧客基盤を築き、ピーク時の1993年5月期には売上高32億5186万円をあげていた。
 しかし、安価な輸入製品の台頭やアパレル業界の海外生産へのシフトなど、構造的な変化に抗えず業績が悪化。2002年9月に紺藤整染が破たんした影響もあり、2003年5月期には約2億1600万円の赤字を計上して債務超過に陥った。さらに、2004年7月に発生した水害で工場が被災したほか、同年10月の中越地震でも工場が半壊するなど大きな被害を受け、設備投資のための借入金が増大していた。
 人員削減や賃金の見直し等で再建に努めていたが、資材やエネルギー価格の高騰も追い打ちをかけるなか、借入金の返済負担が重く、支えきれず今回の措置となった。

(株)寿食品
  • 神奈川
  • 社員食堂運営受託ほか
負債総額
14億8000万円
 

 (株)寿食品(TSR企業コード:360085431 法人番号:7021001012075相模原市中央区星が丘3-8-16、設立1962(昭和37)年6月、資本金3300万円)は6月14日、横浜地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には佐伯昭彦弁護士(横浜綜合法律事務所、横浜市中区日本大通11)が選任された。
 負債総額は14億8000万円。
 1960年6月に創業。主に神奈川県内に所在する事業所の社員食堂や公立小中学校、病院、介護施設、自治体運営施設での調理受託業務等を手掛けていた。2020年1月期には、商圏内でのライバル企業の撤退により工場をはじめとした事業所関連の受注が伸長し、売上高約19億1700万円をあげた。
 しかし、以降は「新型コロナウイルス」感染拡大の影響を大きく受け、学校関連を中心に受注が大幅に減少したほか、大手先からの受注も減少傾向となり、2023年1月期の売上高は約13億円まで縮小。また、原価高騰から採算性も悪化し、債務超過に転落していた。
 2023年2月には関連会社を吸収合併し、当社で食肉加工品の製造販売も手掛けるなど、グループの合理化を推進していたが、同年9月に実施された教育委員会事務局による産地判別検査によって、外国産の豚肉を国内産と偽り、川崎市立小中学校の給食向けとして提供していたことが発覚。これにより、神奈川県警は不正競争防止法違反容疑で本社や関係先への捜索に入り、信用が急速に低下した。
 さらに、その後も横浜市および相模原市の市立学校へ産地偽装した豚肉を納入していたことが確認されたことで、同年11月15日には食肉事業を廃業。事業継続が困難となり、2024年1月10日までに事業を停止していた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
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