(株)太平洋クラブ(港区芝浦1-12-3、設立昭和46年5月、資本金40億円、桐明幸弘社長)は、1月23日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員は松田耕治弁護士(シティユーワ法律事務所、千代田区丸の内2-2-2、電話03-6212-5500)。負債総額は約1100億円。
旧(株)平和相互銀行((株)住友銀行と合併し現在は(株)三井住友銀行)の系列企業として設立されたゴルフ場。買収により順次コースを増やし、近年は「三井住友VISA太平洋マスターズ」の開催コースとして知られる御殿場コースを含む直営17コースと運営受託1コースの合計18コースを展開。平成17年3月期には年商約150億円を計上していた。
しかし、景気低迷やゴルフ人口の減少から採算性は厳しい状況が続いており業績が悪化、さらにリーマン・ショック以降は預託金の償還請求が急速に増加。このため平成23年4月に経営陣を刷新し再建を目指したが、東日本大震災の影響でゴルフ場利用者数が急減し、資金繰りは急速に悪化した。やむを得ず理事会で預託金の分割償還を決めたが、一部の会員から平成23年6月以降の預託金返還請求訴訟が提起され、さらに同24年2月には多くの預託金の償還期限を迎えることもあり多数の訴訟提起予想される事態となった。
一方、当社グループの多額の借入金は平成24年3月28日に一括弁済の約定となっていたため、主要債権者に支援を求めたが、応じる可能性が低いと判断。今般、(株)アコーディア・ゴルフ(東証1部)とのスポンサー契約が整い今回の措置となった。
ネクスネット(株)(品川区東品川4-10-27、設立平成9年4月、資本金3億6750万円、代表清算人:阿部信一郎氏)は、12月26日東京地裁より特別清算手続開始決定を受けた。負債総額は、関係会社のモトローラ・ソリューションズ(株)のみに対し約124億円。
(株)モトローラ(現:モトローラ・ソリューションズ(株))など複数社からの出資により設立され、業務用無線サービス「NEXNET」を展開。大規模小売業者や運輸業者などを顧客として、関東、関西、東海地域などに順次サービスを拡げた。
しかし、サービスエリア拡大に伴う設備投資などの負担が重かったうえに、携帯電話との競合で赤字が拡大。2001年には民事再生法の適用を申請したものの、再生計画案の作成の見込みがないことなどが理由で申請が棄却されていた。その後も再建の明確な方向性が定まらず業績低迷が続いていたなか、モトローラ・ソリューションズが事業を引き継ぐことで、特別清算による負債・会社の整理を行うこととなった。
ミヤマブロイラー(株)(高崎市神戸町359-1、登記上:高崎市高浜町1062、設立昭和42年2月、資本金1億9500万円、鈴木毅社長、従業員80名)は、1月30日東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。監督委員には小林信明弁護士(小林総合法律事務所、千代田区麹町1-6-9、電話03-3238-8515)。負債総額は約80億円。当面は日本ハム(株)の支援の下で営業を続ける方針である。
昭和42年創業。鶏肉の処理加工・販売を主力業務とする一方、養鶏生産を行うグループ会社や農家に対して関連資材や飼料の販売を展開し成長してきた。
「榛名若どり」や新しく開発した「はるなうめそだち」などのブランドをもち、群馬県内外で飼育した鶏を首都圏を中心とする食肉加工業者やスーパーなど約600社に対して販売。昭和60年3月期に100億円を超えた年商は同62年3月期には159億円を計上しピークとなった。その後の年商は概ね130~140億円で推移してきたが、平成16年3月期以降は収益の落ち込みが顕著となり、キャッシュフローの悪化も際立っていた。
平成22年春頃には各方面から信用不安が取り沙汰されるに及んだが、この間にも事業の立て直しを図り同23年3月期は経常利益約5000万円を計上。また同24年3月期第1四半期では利益率の改善もみられていたが、東日本大震災の発生で飼料価格が高騰。さらに、もともと借入金が大きく年間支払い金利も1億円規模になるなど資金面の余裕も乏しくなっていたことから、金融機関との協議などの対応をすすめていた。
蟹江エスシー・プロジェクト特定目的会社(千代田区麹町1-7、設立平成19年5月、優先資本金10億円、佐藤健社長)は12月27日東京地裁に破産を申請し、1月5日破産手続開始決定を受けた。破産管財人は手島厚弁護士(TMI総合法律事務所、港区六本木6-10-1、電話03-6438-5707)。負債総額は平成22年5月期決算ベースで約75億7300万円。
資産流動化を行う特定目的会社。愛知県海部郡蟹江町の不動産(旧:ニッセン工場跡地)に計画されていた「(仮称)蟹江ニュータウンプロジェクト」の事業主として、都内の不動産開発業者の主導で設立、運営されていた。ところが、周辺道路の混雑などを理由に近隣住民と話し合いがまとまらず、平成20年には蟹江町、愛知県より渋滞・騒音対策の実施を求めた意見書が提出された。
当初オープン予定を平成20年12月としていたものの、大幅な事業計画の見直しを余儀なくされ事実上頓挫。同22年11月には大規模小売店舗立地法届出を取り下げ、建設用地は他社へ売却されていた。
エーオー産業(株)(箕面市船場東2-1-20、設立昭和26年4月、資本金9100万円、小倉明社長)は12月21日大阪地裁に破産を申請し、1月11日破産手続開始決定を受けた。破産管財人は高橋英伸弁護士(栄光綜合法律事務所、大阪市北区西天満5-1-9新日本曽根崎ビル4階、電話06-6365-1251)。負債総額は69億3700万円。
紳士用下着やホームウェアを中心に、エプロンや一部婦人用インナーの製造会社。自社生産主義を掲げ平成1年に香川県観音寺市に自社工場を建設、国内製をアピールし、大手量販店主体に営業地盤を形成、工場新設後の同5年11月期に年商約109億円を計上しピークを迎えた。
しかし、それ以降は景気悪化に伴う消費低迷に加え中国製品の台頭もあり減収基調を辿り、平成19年11月期には年商約45億円までダウン、過去の工場への投資が重く金融機関に対してリスケを要請するとともに不動産売却も実施していた。
そのような中、平成20年8月には東証1部企業である片倉工業(株)(東京都中央区)の支援もあり、繊維事業及び関連会社であるオグラン大野原(株)(香川県観音寺市)の事業を、片倉工業100%出資にて設立されたオグランジャパン(株)(東京都中央区)に譲ることで合意。平成20年11月に事業譲渡を実施、これ以降は保有する資産の売却を進めていた。
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