こうして倒産した

2022年(令和4年)12月度こうして倒産した・・・
(株)シナジアパワー
  • 東京
  • 新電力事業
負債総額
130億円
 

 (株)シナジアパワー(TSR企業コード:016283236、法人番号:6010501038623、台東区北上野1-9-12、設立2015(平成27)年10月、資本金4億9500万円、代表取締役:会田喜之氏ほか1名)は12月1日、東京地裁へ破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には富永浩明弁護士(富永浩明法律事務所、中央区銀座7-12-14)が選任された。負債総額は債権者約400名に対して130億円。
東北電力(株)(TSR企業コード:140009051、法人番号:4370001011311、仙台市青葉区)と、東京瓦斯(株)(TSR企業コード:291103561、法人番号:6010401020516、東京都港区)による共同出資で設立された新電力事業者で、2016年4月から電力供給をスタートさせた。
高圧・特別高圧向けの電力小売事業を手掛け、主に北関東エリアを中心に東北電力と連携して顧客開拓を行い、2020年3月期は売上高約200億円をあげていた。
しかし、卸電力市場での電力調達価格の高騰に伴い、新電力の事業環境が悪化。当社も逆ざや状態に陥り、2022年3月期は売上高約190億円に対して、28億4967万円の赤字となった。3期連続で赤字を計上し、51億6419万円の債務超過に陥っていた。
燃料価格の高騰に拍車がかかり、経営再建のめどが立たないなか2022年8月、同年11月末日をもって事業を終了することを公表。全ての契約の切替手続きを完了させたが、債務超過を解消できず取引債務を全額弁済する資力がないうえ、一部顧客からの損害賠償を要求されていることなどから、今回の措置となった。

(株)コモセン
  • 北海道
  • 飲食店運営
負債総額
25億円
 

 (株)コモセン(TSR企業コード:010432213、法人番号:5430001024917、札幌市中央区南6条東3-3-2、設立1998(平成10)年5月、資本金1000万円、代表清算人:滝川徹氏)は12月6日、札幌地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は25億円。
 札幌市を中心に飲食店を展開し、ピーク時には数十店舗を運営していた。2008年3月期には売上高約36億1200万円を計上したが、積極的な出店で資金繰りが悪化。以降、不採算店舗の閉鎖を進め、グループ企業からの支援を受けながら再建を図っていた。
 しかし、その後は減収基調で推移していたうえ、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響もあって店舗の集客が大きく落ち込み、2020年3月期の売上高は約9億9000万円にとどまった。
 こうしたなか、2021年10月にはグループ会社で金融債務の返済を終えたため、一部事業を関連会社に移管し、残りの店舗を閉店。2022年10月17日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

(有)床鍋養鶏
  • 富山
  • 養鶏業
負債総額
17億円
 

 (有)床鍋養鶏(TSR企業コード:590041762、法人番号:1230002010089、小矢部市北一25、設立1965(昭和40)年9月、資本金5000万円、床鍋嘉昭社長)は11月29日、富山地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には大坪健弁護士(大坪法律事務所、富山市相生町7-9、電話076-421-9611)が選任された。負債総額は債権者58名に対して17億円。
 1950年4月に床鍋商店として創業した。養鶏業を手掛け、魚のアラをエサに使用するなど、味のよい卵を生産するための工夫を凝らし、2021年3月期には売上高約7億4000万円をあげていた。
 しかし、安価製品との価格競争に加え、近時の円安を背景とした飼料高騰、鶏舎改修や鳥インフルエンザ対策によるコスト負担などから財務内容は悪化していた。2022年3月期に入り、県内産の卵約20トンの香港向け輸出がスタートし、秋以降には販売量を倍増する計画も立てていたが、コロナ禍の影響による販売不振などにより業績は回復しなかった。
 金融債務の負担も重く、資金繰りも限界に達したことで9月30日までに事業を停止し、今回の措置となった。

山田衛生(株)
  • 大阪
  • 産業廃棄物収集運搬業
負債総額
16億1200万円
 

 山田衛生(株)(TSR企業コード:576194174、法人番号:5120001139498、大阪市西成区萩之茶屋3-2-10、設立2009(平成21)年8月、資本金1000万円、江下正明社長)は12月6日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は中島清治弁護士(瑞木総合法律事務所、同市中央区今橋2-3-16、電話06-6231-6041)。監督委員には秋山洋弁護士(弁護士法人御堂筋法律事務所、同市中央区南船場4-3-11、電話06-6251-7266)が選任された。負債総額は16億1200万円。
 一般廃棄物収集運搬や産業廃棄物収集運搬を中心に、産業廃棄物中間処理なども手掛けていた。住之江工場にて中間処理を行い、住之江区の積替保管施設を経て、子会社のアークコーポレーション(株)(TSR企業コード:023872527、法人番号:8270001003876、鳥取県西伯郡)が有する最終処分場で埋立することで、処理を一貫して対応できる体制を築き、2018年12月期には売上高約15億7300万円をあげていた。しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響により飲食店が休業や時短営業を余儀なくされたことで、産業ごみなどが減少。2021年12月期には売上高が約11億円にまで縮小し、資金繰りも悪化していた。
 金融機関に対し返済のリスケジュールを要請し資金繰りの緩和を図っていたが、自力での再建を断念。2022年11月に(株)サンヨー(TSR企業コード:575694327、法人番号:3122001013965、大阪市中央区)がスポンサーとなり、再建を目指すこととなった。

(有)QBM
  • 福岡
  • 野菜卸
負債総額
16億円
 

 (有)QBM(TSR企業コード:872048187、法人番号:7290002029580、福岡市中央区高砂1-20-10、設立2004(平成16)年11月、資本金750万円、佐藤功一社長)は11月7日、福岡地裁に破産を申請し12月21日、破産開始決定を受けた。破産管財人には服部博之弁護士(弁護士法人金子法律事務所、同市中央区赤坂1-6-11、電話092-712-0070)が選任された。負債総額は16億円。
 野菜の卸販売を手掛けていた。農家から直接買い付けた葉物野菜を中心に販売し、2019年4月期までは数億円の年間売上高で推移していた。その後、大手卸会社との取引が始まり、スーパーチェーンやドラッグストアに販路を築いたことで売上が急伸し、2020年4月期の売上高は約26億円、2022年4月期には100億円を突破していた。一方で、利益は数百万円にとどまるなど低採算が続き、財務面の強化は遅れていた。
 こうしたなか、2022年2月頃には(株)ファス(TSR企業コード:380050897、法人番号:6350001017028、宮崎県小林市)へ主要事業を移管したほか、主力販売先との取引が解消となり売上高が急減。資金繰りに行き詰まり、事業を停止した。

(株)トレンドライフ
  • 東京
  • RPA導入支援
負債総額
15億円
 

 (株)トレンドライフ(TSR企業コード:134778723、法人番号:1010601034147、千代田区大手町1-6-1、設立2007(平成19)年6月、資本金300万円、清水亮社長)は12月21日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には花里耕二弁護士(上野・花里法律事務所、港区西新橋1-20-3、電話03-5875-2233)が選任された。負債総額は債権者約10名に対して15億円。
 業務効率化のためのRPA導入支援をはじめとするITコンサルティングを手掛けていた。また、文字の自動読み取り技術であるOCRにAIを組み合わせた「AI-OCR」ツールも提供していた。
 企業などから受注を得て一定の業績をあげていたが2021年11月10日、当社と取引のあったD-LIGHT(株)(TSR企業コード:296764019、法人番号:9010001100335、中央区)が東京地裁より破産開始決定を受けた。これにより、同社への債権が回収できなくなり資金繰りが急激に悪化し、今回の措置となった。

(株)司建装
  • 福岡
負債総額
13億4283万円
 

 (株)司建装(TSR企業コード:870242512、法人番号:1290001049189、久留米市野中町919-2、設立1978(昭和53)年5月、資本金3000万円、村山誠社長)は12月20日、福岡地裁久留米支部より破産開始決定を受けた、負債総額は13億4283万円。
 1974年に創業した内装工事業者。病院や商業ビルなどの大型施設向け工事を大手ゼネコンから下請受注していた。着実に業容を拡大し、1992年4月期には完工高10億円を突破した。しかし、利益面は低調に推移し、財務面の強化は遅れていた。
 こうしたなか、焦付の散発で資金繰りが悪化。2010年頃には給与遅配や支払遅延の風評が出回るなど、厳しい運営を強いられていた。2020年頃にはバンクミーティングを開催し、金融機関の支援を得ながらの再建を目指していたが、コロナ禍の影響もあり営業面でも苦戦していたうえ、原材料高や燃料費高騰により採算性の改善も進まない状態に陥った。
 2022年夏以降は支払遅延が発生するとともに、最近は代表者と連絡が取りにくい状況が続き、動向が注目されていた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
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