高山物産(株)(京都市上京区中立売通千本東入ル丹波屋町360、設立昭和41年8月、資本金9000万円、??山貴一社長、従業員480名)は11月17日、債権者から大阪地裁に会社更生手続開始を申し立てられ同日財産保全管理命令を受け、11月30日会社更生開始決定を受けた。保全管理人は宮崎誠弁護士(大江橋法律事務所大阪事務所、電話06−6341−0461)ほか。負債は約718億4800万円。
同社はパチンコ店などアミューズメント施設の経営会社。昭和60年頃には毎期約20億円の申告所得が公示され、62年には総合レジャー施設「アクアリゾート・ルネスかなざわ」(石川県金沢市高柳町)に約200億円を投下するなど積極的な投資を展開。ピーク時の平成4年7月期には年商1117億3100万円をあげていたが、金融債務は年商を上回る約1200億円に膨らみ財務内容が悪化していた。
さらに、その後は不況と同業との競争激化から売上が低下、18年7月期は年商599億8700万円に落ち込んでいた。この間、遊休不動産や「ルネスかなざわ」の一部不動産を売却して金融債務の圧縮に努めてきたが、その一方で遊技台の入れ替えを中心としたリニューアルを実施しなければならず、思惑通りに金融債務の圧縮を果たせなかった。
そうした中、平成12年1月に取引行の京都みやこ信用金庫が経営破たん、同行の金融債務が(株)整理回収機構(RCC)へ移管され資金調達力が低下。対応策として、今年10月24日に金融債務を対象にした私的整理に入るとしていたが、一部債権者がこれを不服として今回の申立となった。
日新開発(株)(西宮市松原町4−5、設立昭和38年3月、資本金3000万円、山口亮社長)と関連会社の越水商事(株)(同所、設立昭和39年12月、資本金1000万円、同社長)は11月10日、神戸地裁尼崎支部に特別清算手続開始を申し立て11月14日開始決定を受けた。両社ともに10月21日開催の株主総会で解散を決議していた。申立代理人は大沼順子弁護士(大阪市北区西天満4−4−13、電話06−6364−4114)。負債は日新開発が約471億2000万円、越水商事が約64億1000万円。
日新開発は昭和38年3月に中堅ゼネコンの(株)新井組(西宮市)の不動産事業を担当する関連会社として設立された。生駒鹿の台(生駒市)、西宮名塩平成の杜(西宮市)などの宅地分譲やパークサイド香露園(西宮市)、ノヴェル芦屋川(芦屋市)などのマンション分譲を手掛け、ピーク時の平成7年6月期には年商約106億7300万円をあげていた。
しかし、損益はピーク時を含めて赤字基調で推移していたうえ、地価の下落に伴い所有不動産が不良債権化、その償却を実施した14年12月期には単年度で362億円もの赤字を計上、以後は親会社の直接支援を受けて資産処分・資金回収を進めていた。
そうした中、14年8月に新井組が主力行から総額640億円の債務免除を受けることとなり、その際に策定した「経営改善計画」に基づき、14年12月他の連結子会社4社とともに株式と債権を越水商事(株)に譲渡され新井組グループから外れていた。その後も越水商事のもとで資産処分を続け、17年12月期は年商6億7400万円、債務超過は420億3100万円にのぼっていた。
越水商事は新井組の元非連結子会社で、損害保険代理業などを手掛けていたが、14年9月に新井組グループから外れ、日新開発と同様に資産処分を進めていた。
(学)京都科学技術学園(京都市下京区油小路通塩小路下ル西油小路町27、設立昭和59年3月、資産総額7億1242万円、中山均理事長、職員約80名)は9月28日、大阪地裁へ民事再生手続開始を(株)整理回収機構(RCC)から申し立てられ、同日保全命令を受けていたが、11月15日民事再生手続開始決定、及び管理命令が下された。管財人は上田裕康弁護士(大江橋法律事務所、大阪市北区堂島1−1−5梅田新道ビルディング8F、電話06−6341−0461)。負債は約351億9000万円(うち借入債務216億4000万円)。
昭和59年3月(学)京都電気通信専門学校の名称で設立、昭和61年4月(学)京都科学技術学園に名称を変更した。現在、自動車整備学科、二輪自動車整備学科、自動車機械CAD学科、総合建築デザイン学科、電気・電子工学科、コンピュータ総合学科、まんがアニメWeb学科、映像音響イベント科、写真総合学科、生命科学科の10学科を運営。JR京都駅から徒歩3分といった立地条件にも恵まれ、地元京都所在の専門学校としては高い知名度を誇る。
最盛期には約2000名の生徒を確保し年商30億円強を計上していた他、全国各地に姉妹校を有する「科技専グループ」の中核企業としての位置付けにあった。しかしながら、グループのオーナー的な存在で理事長職にあった山崎種三氏主導の下で本部校舎の建設、隣接地の買収、財テク、フィリップス大学日本開設、姉妹校への支援等の積極的な投資の実施により急激に金融債務は膨張していった。また、同氏が債権者から破産を申し立てられ平成11年10月に破産宣告(届出債権額約940億円)を受けた他、フィリップス大学日本校跡地売却に絡んで詐欺罪で同氏が逮捕されていた。さらにはRCCが求めた貸付金返還訴訟で平成12年4月には京都地裁より71億円の支払いを命じられるなど対外信用は低下し、生徒数は一時期800名程度までに減少した。そうした中、殆どの金融債務はRCCもしくは債権回収会社へ譲渡されていた上、各地の姉妹校はグループから分離し、現在では京都科学技術専門学校のみの運営となっている。
現理事長が就任後は、新学科を開設するなど生徒数増加に努めていた上、学校存続を大前提とし債権者と交渉を継続していたところ、(学)中央学院(山口県山口市)がスポンサーに就いたことから、民事再生手続開始を講じるに至った。なお、学校運営は通常通り行われている。
(株)新橋管財(港区浜松町1−12−14、設立昭和58年9月、資本金1億2000万円、松本省三社長)は11月24日、東京地裁に特別清算手続開始を申し立てた。11月15日開催の株主総会で解散を決議していた。申立代理人は服部弘志弁護士(港区虎ノ門1−13−3、電話03−3580−0123)。負債は約214億3500万円。
同社は昭和58年9月に設立されたゴルフ場の経営会社。昭和63年にオープンしたゴルフ場「ザ・カントリークラブ・ジャパン」(千葉県木更津市)を経営していた。同ゴルフ場は18ホール、164万平方メートルの敷地に迎賓館、レストランなどを併設、大手企業など法人会員を主力とした高級ゴルフコースとして知られ、平成18年3月期には年商約8億2000万円をあげていた。
しかし、バブル崩壊を受けて社用族の減少などから近年は利用者のジリ貧が続いていた。また、設備投資に伴う借入負担が財務を圧迫し、大幅な債務超過が続いていた。こうした中、今年8月に新会社(株)ザ・カントリークラブ・ジャパン(木更津市茅野七曲905、設立平成18年6月、資本金1000万円、松本省三社長)に事業を譲渡、ゴルフ場の経営は新会社が引き継ぎ、同社は現社名に変更して清算することになった。
(株)エル・プロパティ(渋谷区千駄ヶ谷4−24−13、設立平成4年8月、資本金1億円、石原稔社長)は11月20日、東京地裁より特別清算手続開始決定を受けた。10月31日開催の株主総会で解散を決議していた。申立代理人は田村佳弘弁護士(港区浜松町1−25−13、電話03−3438−1498)。負債は約200億円。
同社は平成4年、マンション分譲の(株)大京(東証1部)の資産活用部から分離独立、大京グループの出資により設立された不動産賃貸会社。グループが運営するオフィスビルの賃貸管理を行い、平成15年3月期には年商30億円をあげていた。
しかし、過去の不動産取得による多額の借入金が経営の重荷となっていたうえ、16年9月、親会社の大京が産業再生機構の支援を受けることになり、再生スキームの中で存続事業を主力事業であるマンション分譲に集約化することになったため、不動産賃貸事業からは撤退することが決まっていた。こうした中、同社の資産処理等に目処がついたことから10月末で清算手続に入っていた。
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