(株)ライフコート(千代田区飯田橋2-4-5、設立平成8年11月、資本金6億2642万円、篠原美香経津社長、従業員20名)は債権者から東京地裁に破産手続開始を申し立てられ、12月2日破産手続開始決定を受けた。破産管財人は阿部信一郎弁護士(千代田区永田町2-13-10、東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー・アンド・マッケンジー外国法事務弁護士事務所外国法共同事業、電話03-5157-2700)。負債総額は230億円。
同社は、不動産を買い取り付加価値を付けて転売する「リノベーション事業」や不動産の証券化・ファンド組成を行う「アセットマネジメント事業」を展開し、平成19年8月期には年商約157億1000万円を計上していた。また商社や保険会社、ベンチャーキャピタルなど大手企業が株主として名を連ねていた。
しかしその後は、不動産業界の急激な環境悪化により財務内容が悪化。平成20年8月期には年商が約11億円にまで落ち込み、多額の赤字を計上して約129億円の債務超過に陥った。このような状況下、大阪府高槻市内に所有する不動産(フロアの8割を所有)の共益費などを滞納したため、不動産管理会社より破産を申し立てられた。
(株)ミカド(大阪市北区大淀南1-10-9、設立昭和60年3月、資本金4億6000万円、髙田幸治社長、従業員822名)は、12月24日大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。監督委員は小寺史郎弁護士(大阪市中央区中之島2-2-2、フェニックス法律事務所、電話06-4706-1550)。負債総額は176億円。
同社は、昭和35年6月創業のシステムキッチン、浴槽、流し台、洗面化粧台など住宅設備機器の製造会社。「ミカド」ブランドとして高い知名度を有していた。東京・中部・大阪・中国・四国・九州に支社を置くほか、全国に営業所・ショールーム・サテライトギャラリーを設け、全国的に事業を展開。近年は特に関東地区に注力した営業を展開し、年々業容を拡大させ平成19年3月期の年商は379億1362万円を計上していた。
しかし、同業他社との価格競争や拠点の拡大などに伴い経費負担が増加し、平成19年3月期は1億2417万円の営業赤字を計上、最終利益も2億4623万円の損失となるなど収益は悪化していた。同20年3月期も改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化の影響や関西地区での販売不振などもあり、年商は360億8093万円に低下。経費負担の圧縮を図るが2期連続の最終赤字となっていた。
平成21年3月期に入っても業況は改善せず、サブプライム問題やリーマンショックの影響による不動産市況の悪化に伴い販売不振は一層顕著となり、資金繰りも悪化。人員の削減策や金融機関への債務弁済の繰延要請などを進めてきたが、同21年3月期も3年連続の赤字決算を余儀なくされた。今期に入っても住宅着工戸数の減少やリフォーム需要の低迷が続く中で、同業であるタカラスタンダード(株)(大阪市城東区)と販売に関する基本合意を締結し、同社がミカド製品の販売総代理店として販売を全面的に行うと共に販売拠点や物流の統合などによる合理化を進めてきたが、ここへきて資金繰りも限界に達し、法的手続を採ることとなった。
東加茂開発(株)(新宿区大久保2-1-3、設立昭和42年10月、資本金1億円、前田親利社長)は、12月14日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。監督委員には福田大助弁護士(港区虎ノ門4-3-1、成和明哲法律事務所、電話03-5405-4080)が選任された。負債総額は113億円。
同社は昭和42年10月設立、平成元年11月愛知県豊田市に「加茂ゴルフ倶楽部」の名称で、ゴルフ場(18ホール)をオープンさせた。当初は一定のプレー客を確保し、同4年12月期には年商10億6400万円を計上した。しかし、バブル期以降は市況低迷などによるゴルフ人口の減少から売上は減少の一途を辿り年商も低迷、同13年12月期には年商6億円にまで減少。また、同時期には預託金の償還が困難となり10年間の償還棚上げを要請していた。その後も売上不振に歯止めがかからず、預託金の償還問題も解決の目処が立たたないことから今回の事態となった。
渋崎建設(株)(諏訪市渋崎1722、設立平成14年8月22日、資本金9000万円、藤森和彦社長、従業員45名)と関連会社の諏訪重機運輸(株)(諏訪市上諏訪字舟渡川西1749、設立昭和47年1月14日、資本金3400万円、同社長、従業員60名)は、12月18日長野地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は大宮立弁護士(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1丸の内パークビルディング、電話03-6266-8718)。負債総額は、渋崎建設(株)が20億3600万円、諏訪重機運輸(株)が56億8200万円。
渋崎建設(株)は、総合建設業としての業容を整えるなかで、昭和47年1月に重機運輸・解体工事部門を独立させて諏訪重機運輸(株)を設立したほか、クレーン工事、内装工事、諏訪湖遊覧船事業、スポーツジム、ガソリンスタンド、山小屋経営等経営多角化を推進して7社の関連会社を擁し、当地区産業界全般に影響力を持った企業グループとなっていた。渋崎建設単体では平成5年9月期には過去最高の売上高79億円を計上したが、その後受注環境が徐々に悪化。同14年9月期には売上高が40億円台まで縮小した。こうした状況を受け、銀行の指導の下グループ全体の経営改善に着手。産業廃棄物処理を手掛けグループの中で最も収益が安定していた諏訪重機運輸に負債を集約して関連会社を再編することとなった。
建設部門は平成14年8月新たに法人を設立して翌15年に営業を移管。その後、旧:渋崎建設を含む4社を諏訪重機運輸に吸収合併させた。その後の市況の厳しさから計画通りの業績推移を辿ることはできず、特に新たな中核企業として金融債務を負った諏訪重機運輸の借入返済は中々進捗せず、資金調達力に乏しい状況が継続していた。こうした中、同21年12月に入り諏訪重機運輸の保有する安定型最終処分場において法令違反の可能性が発覚。同社への連帯保証関係にある渋崎建設の資金調達に支障をきたした。
(株)安藤鉄工建設(能代市能代町字中川原26-706、設立昭和47年12月27日、資本金2000万円、安藤祐一社長、従業員125名)は、12月17日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は山川萬次郎弁護士(千代田区麹町3-2、山川萬次郎法律事務所、電話03-3239-3631)。負債総額は52億5600万円。
同社は鉄骨工事会社。ダイヤモンドトラスト工法の施工技術を習得し、サッカーワールドカップ開催に向けた札幌及び名古屋の競技場屋根部分の施工技術が高く評価され、平成9年頃から大手鉄鋼商社との取引が本格化した。以後、都心部での受注活動も活発化し、同17年10月には国土交通省認定評価区分最高位となるSグレードを取得して、更に施工技術を高めた。
平成18年12月期は構造計算書偽装問題の影響から完工高は36億円台に落ち込んだが、同20年12月期には過去最高となる81億7786万円の完工高を計上し、同20年度秋田県内建設業者完成工事高にて、第一位の実績をあげていた。こうした中、平成21年6月不法残留の外国人労働者の就労が発覚し、入管難民法違反の疑いで家宅捜査を受け、受注面に影響が及んでいた。また同時期に首都圏の大規模工事の施工管理の経験不足等が取り沙汰され、採算割れの風評等も散見されるようになり、更には代表者の入院等も重なって経営状態の悪化が噂されていた。
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