(株)富士エクセレント倶楽部(名古屋市中区錦3?23?31、登記上:東京都中央区京橋1?5?5、設立平成8年4月、資本金2億5000万円、梅田吉道社長、従業員104名)は、1月20日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。負債は約958億円。
同社は全国に25カ所のゴルフコースを擁した富士カントリーグループの1社として平成8年4月に設立された。平成10年8月「御嵩花トピアゴルフ場」(岐阜県可児郡御嵩町古屋敷)と「伊勢大鷲ゴルフ場」(三重県久居市稲葉町)をオープンしたのに続き、平成11年9月「一志温泉ゴルフ場」(三重県一志郡一志町波瀬)と「伊勢二見ゴルフ場」(三重県伊勢市朝熊町)をオープン、平成12年10月期には年商25億2900万円をあげていた。
しかし、利用者の減少やビジター料金の値下げなどで平成13年10月期は年商20億4700万円に減少。このため、平成14年1月に「稲武カントリークラブ」(愛知県東加茂郡稲武町夏焼クダリヤマ)の営業譲渡を受け、14年10月期は年商22億2900万円に回復した。だが、15年10月期は年商20億2100万円と再び低下、特別損失553億5700万円の計上で561億6400万円の赤字となり債務超過に陥っていた。そうした中、昨年12月からグループ企業の破たんが相次ぎ、同社も民事再生法による再建を図ることになった。
(株)ニノミヤ(大阪市浪速区日本橋4?9?17、登記上:浪速区日本橋4?11?15、設立昭和22年11月、資本金15億3992万円、二宮祥晃社長、従業員600名)は1月10日、債権者のモルガン信託銀行から会社更生手続開始を申し立てられていたが、1月31日大阪地裁より手続開始決定を受けた。負債は約279億8400万円。
同社は昭和20年11月の創業、22年11月に法人化した日本橋地区の老舗家電量販業者。過去、積極的な店舗展開で業容を拡大、大阪府下を中心に京阪神地区や岡山県などに約50店舗、ピーク時には正社員だけで約900名を抱え、また「PcX」の名称でパソコン専門店の経営にも参入、平成13年3月期には年商964億3900万円をあげていた。
しかし、関東系量販大手の進出にともなう競争激化や個人消費低迷から薄利傾向が続き、13年3月期は11億8100万円の赤字に転落、そのため同期から店舗のスクラップアンドビルドを開始、不採算店及びPcX店を中心に閉鎖を進めていた。その結果、16年3月期は29店舗まで削減したことで年商597億5800万円にとどまり、経常黒字を確保したものの店舗閉鎖に伴う不動産売却損、除却損の計上で27億9700万円の赤字計上、4期連続の欠損となった。
こうした中、昨年8月に主力銀行の債権が第三者に譲渡され、さらにモルガン信託銀行が債権を取得。その後、モルガン信託銀行から債権回収の委託を受けた(株)虎ノ門債権回収により弁済計画などの資料の提出を求められていたが、協議が難航し債権回収が困難と判断されたことから、同社及び関連会社で同社株主でもある二宮興産(株)と同時に会社更生手続開始を申し立てられた。
富士河口湖倶楽部(株)(山梨県南都留郡鳴沢村絶頭7328?30、設立昭和57年7月、資本金2億4000万円、高村博道社長、従業員50名)は、昨年11月5日甲府地裁に債権者の整理回収機構(RCC)から破産を申し立てられ1月26日破産宣告を受けた。負債は約170億円(うち預託金約125億円)。
同社は昭和57年7月に東京都千代田区で設立され、58年12月現在地に移転したゴルフ場経営会社。61年10月「富士河口湖ゴルフ倶楽部」(18ホール、6960ヤード、パー72、96万平方メートル)を開場したのに続き、平成2年7月隣接地に「富士河口湖ホテル」(36室、130名収容)をオープン、最盛期の平成2年12月期には年商約16億円をあげていた。
しかし、近年は不況を反映して客単価が大幅に低下、またホテル利用客も減少し、16年3月期は年商約4億円にまで落ち込み、赤字計上から債務超過に陥っていた。そのため、預託金の償還期限を迎えた会員には延期を要請、13年3月には金融機関の債権がRCCに移行するなど経営の悪化が表面化。その後も再建を模索していたが不調に終わり今回の事態に至った。
四日市セントラル開発(株)(四日市市内山町8279、登記上:三重県安芸郡芸濃町林2245、設立昭和60年5月、資本金5000万円、荒瀬光一社長、従業員60名)とグループ会社5社は、1月11日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。負債は約144億4100万円。
四日市セントラル開発は昭和60年5月に設立されたゴルフ場経営会社。昭和63年10月「四日市セントラルゴルフ倶楽部」をオープン、同ゴルフ場は18ホール、7031ヤード、パー72、105.7万平方メートルの丘陵コースで、法人会員を中心に運営し平成16年3月期は年商6億2500万円をあげていた。しかし、近年は不況を反映して来場者は減少、客単価の下落もあって業績は低迷、預託金の返還問題が徐々に深刻化していた。そのため、平成14年10月別途に(株)四日市セントラルゴルフ倶楽部を設立して運営を委託するなど経営改善に取り組んできたが、正常化までには至らず自力再建を断念して民事再生法による再建を選択した。
(株)平野町開発(大阪市中央区南船場4?11?20、登記上:中央区淡路町3?6?3、設立平成4年8月、資本金8000万円、清水澄清算人)と東京デイタム(株)(同所、登記上:同所、設立平成6年1月、資本金6000万円、同清算人)は、平成16年9月29日の株主総会で解散を決議、12月3日大阪地裁に特別清算手続開始を申し立て同月17日開始決定を受けた。負債は平野町開発が約270億円、東京デイタムが約137億円。
両社は旧・大和銀行(現・りそな銀行)の関連会社などの出資により設立された。同行取引先の担保不動産を購入し、賃貸物件として利用するなど不動産賃貸を主体するほか建築工事なども手掛け、平野町開発が平成14年3月期年商37億1100万円、東京デイタムは年商約16億円をあげていた。
不動産購入資金などについては旧・大和銀行に依存するものの、多額の借入が財務を圧迫していたうえ、長引く景気低迷による賃貸料収入の減少などで業績も低迷。そうした中、平成15年5月りそな銀行への公的資金投入で、同行の親密取引先の整理・清算が進められ、両社も処理の目処がついたことから整理の一環として今回の措置に至った。
美スズ産業(株)(港区新橋1?7?6、設立昭和11年5月、資本金1億800万円、永島正春代表清算人)は、平成16年12月22日東京地裁より特別清算開始決定を受けた。11月30日開催の株主総会で解散を決議していた。負債は金融債務を中心に約136億円。
同社は大正11年6月創業、昭和11年5月に法人化した写真用品の卸売業者。富士写真フイルムの4大特約店(四特)の1社として知られ、写真用フィルム、印画紙、カメラ、三脚、アルバムなどの写真用品の卸売を手掛けていた。主要都市に営業所を設置し、全国の小売店やキヨスク、高速道路サービスエリアなどを得意先に平成6年2月期には年商504億2000万円をあげていた。
しかし、近年はカメラ業界を取り巻く環境が一変。デジタルカメラ関連の扱いが伸びる一方で、写真フィルムなど従来の銀塩写真用品の売上は著しく低下、平成16年2月期は年商340億7900万円にまで落ち込んでいた。こうした中、富士写真フイルムは昨年10月から写真用品の特約店制度を廃止して直販体制に移行。そのため、富士写真フイルム製品の扱い比率が約70%と四特の中でも高かった同社は営業継続が困難として平成16年7月に自主解散を発表。以後、富士写真フイルムの販売子会社である(株)フジカラーイメージングサービスへの営業権の移管と清算手続きを進めていた。
(株)東秩父カントリークラブ(新宿区新小川町8?8、設立昭和63年6月、資本金1億円、吉?ア満雄社長)は平成16年12月22日東京地裁に自己破産を申し立て、1月5日破産宣告を受けた。負債は債権者54名に対し約118億円。
同社は昭和63年に「東秩父カントリークラブ」(114.9ヘクタール 18ホール)の運営・造成事業を目的に設立された。平成5年5月工事は着工されたが、バブル崩壊によるゴルフ市況悪化から会員権の販売が思惑通りに進まず資金調達が困難となり工事は中断されていた。さらに、15年8月親会社の緑営開発(株)が民事再生手続開始を申し立てたことからグループ会社(7社)の経営も見直され、破産手続により清算されることになった。
AGH(株)(東広島市八本松町原10153、設立昭和60年7月、資本金3億円、在則貞夫清算人)は、12月27日広島地裁より特別清算手続開始決定を受けた。負債は遅延損害金や未払利息など金融費用が大部分で約100億円。
同社は平成1年7月自動車部品メーカーの旧・大協が多角化の一貫で宮島口のホテルを買収し事業を継承、海や宮島の景色を魅力とした本格派のリゾートホテルを経営していた。しかし、旧・大協は多角化が裏目に出て平成12年12月に401億円の債権放棄を受け、新会社ジー・ピー・ダイキョーに事業を移管。こうした中で同社も12年10月ホテルを売却して清算の手続きに入っていた。
(株)小野良組(気仙沼市南町4?1?11、設立昭和32年12月、資本金7000万円、小野寺信之社長、従業員183名)は1月28日、仙台地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。負債は約98億4900万円(うち保証債務約45億円)。
同社は大正9年の創業、昭和32年12月に法人化した地方ゼネコン。ピーク時の平成10年5月期には競艇場の建築工事を手掛け、年商97億3100万円をあげる地元気仙沼市ではトップの業容を誇っていた。
しかし、官公庁からの受注を主体としていたことから、近年の公共工事削減の影響は大きく、平成16年5月期は年商49億9100万円にとどまり、昭和50?60年代に掛けて実施した不動産投資にともなう借入負担が経営を圧迫。今期に入っても業績の回復を果たせず民事再生法による再建を図ることになった。
(株)文楽(姫路市飾磨区野田町127、設立昭和46年3月、資本金9100万円、河本健治社長、従業員39名)は1月21日、神戸地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。負債は約79億円(うち保証債務約70億円)。
同社は昭和46年3月に設立された飲食店の経営会社で、出石そばをベースにした「皿そばの文楽」として知られる和食料理店「文楽」を県下南部に9店舗展開する。平成16年2月期は年商8億5400万円をあげ、近年は飲食店の競争激化から一時に比べ売上は低下していたものの黒字を維持していた。
しかし、関連会社で不動産業の(株)キタブンコーポレーションと北文建設(株)(両社ともに同所)は、平成16年7月14日債権者から破産を申し立てられ、8月3日両社が破産宣告を受けたことで約70億円の保証債務が発生。そのため、同社は12月レストランの運営・管理・指導会社(株)ハーツリーレストランシステム(東京都渋谷区)のグループに入り、同グループ下で民事再生法による再建を図ることになった。
オー・シー・シー(株)(港区六本木5?16?3、設立平成7年7月、資本金3000万円、岡島弘之社長)は12月22日、東京地裁に自己破産を申し立て1月5日破産宣告を受けた。負債は約62億1000万円。
同社は平成7年に設立されたコンピュータソフトウェア販売業者。コンピュータグラフィックソフトを主力商品とし、米国のソフトウェア会社の販売代理店となっていたほか、自社でソフト開発なども行い売上を急拡大、平成11年2月期には年商約150億円をあげていた。
しかし、平成11年度以降は業績が急速に低下していたうえ、大口の取引先から約52億円の売買代金請求訴訟を起こされるなどトラブルが発生。平成13年には休眠状態となっていたが債務整理のため今回の申し立てとなった。
みずほコーポレート銀行の関連会社であるケージー土地建物(株)(中央区八重洲1?2?16、設立昭和43年11月、資本金1億円、古賀政治代表清算人)と阪神清和土地(株)(同所、設立昭和43年3月、資本金1億円、同清算人)の両社は、12月14日解散を決議し東京地裁に特別清算手続開始を申し立て12月17日開始決定を受けた。負債はケージー土地建物が約37億2400万円、阪神清和土地が約116億9000万円。
両社はともにみずほコーポレート銀行の子会社(株)みずほコーポレートの100%子会社で、みずほコーポレート銀行の連結会社でもあった。同行の前身、日本興業銀行時代に支店土地建物や社員寮などの不動産保有管理を行ない、主に東日本方面をケージー土地建物が、関西方面を阪神清和土地と分けて管理してきた(最近では共有物件もあるという)。
ケージー土地建物は総資産129億円、借入金122億円を抱え、平成15年1月期の年商は15億5000万円で6億2300万円の赤字を計上していた。阪神清和土地は総資産255億円、借入金214億円を抱え、14年12月期の年商は16億3800万円を計上していた。
今回の措置は、みずほフィナンシャルグループの「経営健全化計画」のなかで保有不動産の売却を進め、売却が完了したことから清算手続きに入っていた。
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