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2006年(平成18年)12月度こうして倒産した・・・ 主な大型倒産事例 <負債額順>
三井石炭鉱業(株) [東京] 石炭採掘業

負債総額 1000億円

 三井石炭鉱業(株)(江東区豊洲3−3−3、設立昭和48年8月、資本金25億円、小菅忠男社長)は12月15日開催の株主総会で解散を決議し、12月22日東京地裁へ特別清算手続開始を申し立てた。申立代理人は嵯峨谷厳弁護士(千代田区丸の内2−2−1、電話03−5224−5566)ほか。負債は約1000億円。

 同社は昭和48年8月に三井鉱山(株)(江東区、東証1部)の全額出資により、石炭採掘部門を分離独立させるかたちで設立された。明治22年に三井財閥に払い下げられて以降、日本最大規模を誇った福岡県の三井三池炭鉱を主力採掘所として経営。昭和30年8月に公布された「石炭鉱業合理化臨時措置法」に従い、政府の石炭政策に則って旧・通産省の年度計画で取引量が決定される運営がなされてきた。

 しかし、エネルギー需要の転換や採掘条件の悪化などから国内炭市況は厳しい環境となり損失計上が続いていた。平成4年の「石炭鉱業構造調整臨時措置法」以降は段階的に他採掘所の閉鎖などを進めてきたが、平成9年3月に三池炭鉱の閉山をもって国内での石炭採掘事業から撤退。同期の売上は400億5900万円にとどまり、累積赤字は893億円にまで膨らんでいた。以降は営業活動を事実上休止して清算業務に入っていた。

 こうしたなか、平成15年9月に親会社の三井鉱山とともに産業再生機構の支援が決定、事業再生計画に基づきグループの再編を進めるとともに、同社については引き続き清算業務を進め、解散予定となっていた。

 

(株)近未來通信 [東京] IP電話サービス業

負債総額 400億円

 (株)近未來通信(中央区日本橋浜町2−31−1、設立平成9年12月、資本金6540万円、石井優社長、従業員160名)は12月6日、債権者から東京地裁に破産手続開始を申し立てられ、12月20日破産手続開始決定を受けた。申立代理人は紀藤正樹弁護士(千代田区麹町4−7−8、電話03−3263−7554)ほか。負債は約400億円。

 同社は平成9年12月に毛皮や宝石などの販売を目的に(有)エクセルジャパンとして設立された。その後、移転と商号変更を重ね平成10年12月現商号に変更した。

 インターネットを利用したIP(インターネットプロトコル)電話事業を中心に、国内外にスーパーネットと呼ばれる通信網を構築、デジタル信号を圧縮して音声通話を可能にした中継局を開発し全国各地に設置してIP電話による安価な通話サービスを掲げ、国内主要都市を始め、ソウル、ロサンゼルスなど海外にも支店を開設していた。

 また、国内外に設置された中継局のオーナーを募集、スーパーネットと呼ばれる通信網構築のために中継局設備および運用費に対して投資を募り、全国各地で頻繁に説明会を開催していた。さらに、女子プロゴルフツアーのスポンサーやプロ野球マスターズリーグに所属するチームスポンサーも務め、テレビ・新聞・雑誌などでも積極的に広告し、平成17年7月期には年商181億円をあげていた。

 しかし、平成18年8月に東京国税局から平成17年7月期の約1億7000万円の所得隠しを指摘され、申告漏れ総額約6億8000万円に対する修正申告を行った。また、新聞で「投資配当が自転車操業」状態にあることが報道され、取引先に対する支払いや中継局オーナーに対する配当支払いの遅れが表面化。11月20日には本社事業所を閉鎖、東京本社が入るフロア入り口には「暴力事件が発生し、通常業務が不可能となった為、本日、事務所を閉鎖いたします。ご迷惑をおかけ致しまして申し訳ありません」との張り紙が出されていた。

 さらに、11月22日には東京都税事務所が都税滞納を理由に捜索に入り、27日に総務省が同社に対し電気通信事業法に基づく立ち入り検査を実施、12月4日には警視庁による家宅捜索が行われ社会問題に発展していた。

 この間、出資者を救済するため「近未來通信被害対策弁護団」が立ち上がり、弁護団長には紀藤正樹弁護士が就任、委任状を提出した被害者の1人を代表として東京地裁に同社の破産手続開始を申し立てた。

 

(株)パームヒルズゴルフリゾート [沖縄] ゴルフ場経営

負債総額 251億円

 (株)パームヒルズゴルフリゾート(糸満市新垣762、設立昭和32年6月、資本金5億7394万6000円、桐谷重毅社長、従業員56名)は12月12日、東京地裁に民事再生手続開始を申し立て、同日保全命令を受けた。申立代理人は舞田靖子弁護士(東京都港区赤坂1−12−32、電話03−5562−8500)ほか。負債は金融債務と預託金が中心で債権者約1700名に対し約251億円。

 同社は昭和32年6月に国際不動産(株)として設立され、47年9月高倉不動産(株)に商号変更、平成1年8月(株)高倉コーポレーションに商号変更した。バブル期に那覇市牧志や上之屋などの賃貸物件を建設するなど積極的な不動産投資を実施、ピーク時の平成2年3月期には年商18億1000万円をあげていた。また、平成3年11月本社地に約50億円を投じてゴルフ場「パームヒルズゴルフリゾート」(18ホール、7050ヤード、パー72)をオープンするなど積極的に事業規模を拡大していた。

 しかし、バブル崩壊の影響から会員権の販売が思惑通りに進まず資金計画が崩れ、多額の借入が負担となり、平成8年3月期まで6期連続で赤字計上となった。加えて、ゴルフ場入場者の伸び悩みから平成11年3月期は年商11億7800万円に落ち込み、資産処分損や貸付金、不良債権処理などの特別損失から12億1200万円にのぼる欠損となり資金繰りもひっ迫。さらに、平成13年11月に預託金の償還期限が到来、対応策として預託金の返還を10年間延長するように求めたが、一部の会員から訴訟を起こされていた。

 このため、資産処分や人員削減などで経営建て直しを図っていたが、平成18年3月に一部金融機関がゴールドマン・サックスのグループ企業に債権を譲渡され、同年10月にはゴールドマン・サックスのグループ企業が同社の株式を全て買収し新たな経営再建を目指していた。こうした中、預託金問題で一部債権者による判決に基づく財産の仮差押えなどが発生したため、事業継続が困難になる可能性があるとして民事再生法による再建を選択した。

 

 

 

 

 

 

葵地所(株) [栃木] 会員制リゾートホテル経営他

負債総額 215億円

 葵地所(株)(那須塩原市末広町53、設立昭和43年11月、資本金1億円、井出勲社長)は12月7日開催の株主総会で解散を決議し、12月8日宇都宮地裁に特別清算手続開始を申し立てた。申立代理人は加藤寛史弁護士(東京都中央区八重洲2−8−7、電話03−3273−1860)ほか。負債は金融債務を中心に約215億円。

 同社は昭和43年11月に設立されたホテル経営会社。那須の別荘ブームに乗り、1500棟の建売住宅を分譲、平成4年9月期には年商90億7000万円をあげていた。その後、新白河にコテージ中心の「白河・関の里」を開業しリゾート事業に転換。平成7年7月会員制リゾートホテル「ホテルエピナール那須」(那須町高久丙)をオープンしたのに続き、国内2カ所(白河、千葉県白浜)、海外1カ所(フィジー)にリゾートホテルを建設、平成18年3月期(11年決算期変更)は年商61億4300万円をあげていた。

 しかし、ホテル会員募集をバブル崩壊後に実施したことから、会員は当初目標の半分程度の5800口にとどまり、そのためホテル建設資金は主に借入金に依存、借入返済と預託金の返還が経営を圧迫していた。

 こうした中、平成16年頃より金融機関と弁護士団の間で、会員の利用権保証、従業員の雇用確保を前提に事業譲渡先の選定を進めていたところ、平成18年11月7日米国大手金融機関シティグループの在日投資会社であるシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパン(株)との間で事業譲渡契約を締結。12月1日からは新会社の(株)ニュー・アオイ・ホテルズアンドリゾーツ(川合宏一社長)が事業を継承、会員権の保証、従業員の雇用のほか一般債務も全額支払われることになり、同社は清算することになった。

 

(株)石原商事 [福岡] 食品スーパー経営、葬祭業

負債総額 181億円

 (株)石原商事(北九州市小倉南区湯川5−1−1、設立平成5年9月、資本金8億812万円、石原浩二代表取締役、従業員400名)は、12月27日大阪地裁に会社更生手続開始を申し立て、同日保全管理命令を受けた。申立代理人は明石法彦弁護士(電話06−6363−6377)ほか1名。保全管理人は中島健仁弁護士(電話06−6202−1088)。負債総額は約181億9000万円。

 同社は平成2年11月石原浩二氏が日用雑貨卸として創業、5年9月法人化した。15年12月空店舗となっていた旧・壽屋田川店を買収し「シアーズワン田川店」(現・アパンダ田川店)をオープン、スーパー経営に乗り出した。

 以降は同業者が撤退、閉鎖した店舗を再活用する形で積極的に出店を加速し、この間に葬祭場「聖雲閣」も展開、17年5月期の売上高は81億5456万円を計上していた。また、「ストアと葬祭業のコラボレート」という異色のビジネスモデルと成長性が注目されベンチャーキャピタル、金融機関などが第三者割当増資を引き受け、私募債発行、シンジケートローン組成などで調達した資金を不動産投資とM&Aに充当。18年8月には広島市で7店舗を展開する「おおうち」、福岡県筑豊地区を中心に29店舗を展開した「なかの」の2社を合併し、ピーク時にはストア55店舗、斎場6カ所を開設していた。18年から福岡ヤフードームの外野フェンスに「アパンダ」の広告を掲示していたほか、18年7月には元ダイエー副社長の平山敞氏を将来の社長含みで迎え入れ話題を集めていた。

 税務申告で作成した18年5月期の売上高は124億2148万円、経常利益は2億6827万円を計上、株主総会の承認を得る変則決算とした18年11月期(18カ月集計)の売上高は200億円を予想していた。最近では11月に横代店、ビジネスホテル「ホテルアパンダ」(小倉北区鍛冶町)をオープン、12月には下富野店をオープンしていた。

 しかし、買収したスーパーに簿外債務が発覚し想定外の資金負担を招いていたほか、不動産投資やリニューアルに伴う改装資金などで約140億円に達した金融債務が重荷となっていた。また、店舗運営に特色を打ち出せずオープン効果が次第に薄れて不採算店舗が続出、秋頃から支払遅延を生じるなど資金繰りが悪化していた。このため先行きの見通しが立たず、12月27日臨時役員会を開催、会社更生法による再建を図ることになった。

 

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