公開日付:2020.06.11
6月11日17時現在、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)は、全国で238件(倒産169件、弁護士一任・準備中69件)に達した。2月2件、3月23件から4月84件に急増、5月も83件と高止まりした。6月は11日までで合計46件が判明、月間100件を超える可能性も出ている。
都道府県別では、福井、和歌山、鳥取、高知、長崎の5県を除く42都道府県で発生。
東京都が52件(倒産44件、準備中8件) で最多。以下、大阪府22件(同15件、同7件)、北海道17件(同14件、同3件)、静岡県13件、兵庫県12件の順。
業種別では、最多が飲食業の36件。緊急事態宣言の発令で来店客の減少、休業要請などが影響した。次いで、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が35件。百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連が28件など、個人消費関連の業種の苦戦が目立つ。
また、休校やイベント自粛、飲食店休業の影響を受けた食品関連31件、結婚式場や葬祭業の冠婚葬祭業7件、パチンコホール3件、不動産業も3件発生するなど、幅広い業種に広がっている。
経営破たん238件のうち、従業員数が判明した226件の従業員数は8,075人。従業員10人未満が117件(構成比51.7%)と、半数を占める。
※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。
表面化している経営破たんは氷山の一角との見方も
現状、小・零細規模の企業や商店のなかには、制度融資や支援策などを活用せず、廃業や倒産を決断するケースも出ている。表面化している経営破たんは氷山の一角との見方もあり、今後の水面下の動きには注意が怠れない。
経営破たんした企業は、もともと業績が厳しいところに、人手不足や消費増税、暖冬に加えて、新型コロナによる業況の変化から急激に業績が悪化したケースが多い。
新型コロナウイルス対策の第二次補正予算が、6月12日に可決される見通しにある。しかし、営業自粛や時短営業により消失した売上高がコロナ前の水準に回復するには相当の時間が必要だ。また、政府が提言する「新しい生活様式」は、中小・零細企業に従来のビジネスモデルの抜本的な見直しを迫っている。迅速な資金支援だけでなく、長期的な経営支援が急がれる。
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