ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~
コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。
コスト増により1棟当たり単価の値上がりが続くほか、住宅ローン金利も上昇。大規模の建売現場ではプロジェクト検討時と販売開始する際のコストや購買層の算定で開きが生じる。また、マンションやリノベーション物件との競合も激しい。仕入も人材も豊富な大手との競争も激化している。
ハウスメーカーの倒産(負債1,000万円以上)を集計した。2026年上半期は118件(前年期比87.3%増)と2倍近くに跳ね上がった。1989年以降では、デフレ期の2004年の198件が過去最多だが、上半期で100件を上回ったのは、2013年(106件)以来、13年ぶり。
118件の原因別は、販売不振が85件(構成比72.0%)、赤字累積の既往のシワ寄せが20件(同16.9%)と業績不振がほとんどだ。

倒産増勢が強まるおそれ
負債34億円を抱えて3月に破産したタイコウハウス(株)(TSRコード:510016626、愛知県)や、負債11億円の(株)ハウスM21(TSRコード:170162168、岩手県、1月破産)など中堅ハウスメーカーの倒産も目立つ。中東情勢の不安定化による住設・資材価格の高騰や納入遅れなどが長期化すれば、倒産がさらに増加する可能性もある。
破産企業の共通項は、長引く業績不振だ。タイコウハウスは20億円を超える年商時期にも最終利益は数百万円に沈み、2024年7月期には耐えきらず17億円の最終赤字を計上。ハウスM21も長らく低収益(赤字含む)に喘ぎ、23年3月期に債務超過に転落していた。
7月16日には中堅ハウスメーカーのアエラホーム(株)(TSRコード:340124466、千代田区)が民事再生法の適用を申請した。2022年5月期以降は最終赤字が続き、金融支援によって資金を繋いでいたが、ナフサ不足による資材高騰も影響した。
ただ、いずれの会社も業績不振は今に始まったことではなく、早期に抜本再生へ舵を切っていれば、結果は違った可能性もある。
ハウスメーカーの倒産時は、先払いした施主(オーナー)も債権者となり工事が止まることも多い。ただ、アエラホームのケースでは弁護士や金融機関、コンサルタントなどがオーナーの権利保護に奔走した。結果、金融や商取引債権者には被害が及ぶものの、施主への波及は防がれた。ハウスメーカーの倒産が急増しているだけに、注目される事例となった。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年7月21日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)