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「決算発表」集中の5月15日、RIZAP、JDI、児玉化学工業、オンキヨー、大塚家具、スルガ銀行、注目の開示を総まとめ 

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公開日付:2019.05.16

RIZAP 上場子会社の黒字化ならず

 RIZAPグループ(株)(TSR企業コード:295695790、札証アンビシャス、以下ライザップG)は5月15日、2019年3月期決算を発表した。売上高は2,225億円(前期比82.3%増)で過去最高を記録した。営業利益は93億8,800万円の赤字(前期は117億8,000万円の黒字)、最終利益は193億9,300万円の赤字(同90億7,500万円の黒字)だった。同日、都内で開いた決算説明会で瀬戸社長は2018年10月~2019年3月までの「膿出し期間」を解説した。
 ライザップGは2018年10月以降、過去に買収したグループ会社の売却、事業統合などの構造改革を進めてきた。
 (株)ワンダーコーポレーション(TSR企業コード:280197969)が運営する書店「WonderGOO(ワンダーグー)」などグループ会社の店舗を計219店閉店し、店舗閉鎖(40億円)や商品在庫の評価減(40億円)の計80億円と、のれん減損・その他(13億円)で合計93億円を計上した。さらに、売却等で非継続事業となった(株)ジャパンゲートウェイ(TSR企業コード:296432849)、(株)タツミプランニング(TSR企業コード:352016531、以下タツミ社)2社の売却などで約70億円を計上したことが響いた。
  2019年3月期第3四半期の決算説明会で、瀬戸社長は「概ね2~3年での再建を達成する」とし、(株)ぱど(TSR企業コード:350657912)を除く上場8社で2019年3月期(通期)の営業黒字を予想していた。しかし、夢展望(株)(TSR企業コード:575142308)や堀田丸正(株)(TSR企業コード:291028470)など結果4社が営業赤字で終わり、グループ再建の遅れが露呈した。
 ライザップGは3月29日、戸建建設などを手掛けるタツミ社の住宅事業の譲渡を発表。ライザップGには、譲渡外となった太陽光発電事業が当面残る形となったものの、5月15日の会見で瀬戸社長は太陽光発電事業からの撤退を明言した。
 今期(2020年3月期)の連結業績は売上高2,250億円、営業利益32億円、最終利益5億円を見込んでいる。瀬戸社長は2019年3月期で緊急を要する構造改革が終了したと説明するが、グループ会社再建の進捗によっては、変動する可能性もあり得る。

会見する瀬戸社長(5月15日、都内)

会見する瀬戸社長(5月15日、都内)

JDI 粗利赤字、自己資本比率0.9%、GC注記

 経営再建中の(株)ジャパンディスプレイ(TSR企業コード:294505385、東証1部、以下JDI)は5月15日、2019年3月期決算を発表した。
 スマートフォン向けに開発した狭額縁の液晶「FULL ACTIVE」の販売が振るわなかったことに加え、車載やノンモバイル関連商材も想定を下回ったため、連結売上高は6,366億6,100万円(前期比11.3%減)だった。
 損益は、前期(2018年3月期)に実施した1,423億円の構造改革の効果で固定費負担は軽減されたものの、減収要因が先行し、営業利益は▲309億8,900万円(前期は▲617億4,900万円)を計上。モバイル向けの商材を製造する白山工場の資産を再査定し、特別損失で751億円の減損損失を計上するなどした結果、最終利益は▲1,094億3,300万円(同▲2,472億3,100万円)となった。

◇粗利率がマイナス、自己資本比率は0.9%
 2018年3月期の減損により、JDIは2019年3月期の黒字化を目指していたが叶わなかった。むしろ、事態は深刻化している。
 2018年3月期(通期)▲0.4%だった総利益(粗利)率は同期の減損により、2019年3月期第1四半期に1.2%まで回復。第2四半期6.6%、第3四半期は6.1%と推移したが、第4四半期は▲4.4%とマイナスに転落した。
 今期(2020年3月期)は白山工場の減損効果が表れるが、上半期(4-9月)の売上高は前年同期比約10%の減収を見込んでおり、引き続き精彩を欠いた粗利率になる可能性がある。事業会社の粗利率マイナスは異常事態だ。

◇台中連合との交渉進捗に不安の声
 JDIは4月12日に、台中連合の「Suwaコンソーシアム」から最大800億円の金融支援を受けると発表した。当初の予定では、4月中に「最終的な合意に至る予定」(JDI)だったが遅れている。 また、JDIは2019年3月期決算で継続企業の前提に関する注記(GC注記)が記載された。5月15日のアナリスト向けの決算会見で大島隆宣・常務執行役CFOは、GC注記の理由について「監査法人がSuwaのディールに不確実性があると判断した」旨の発言をしている。
 また、白山工場の751億円の減損についても、Suwaコンソーシアムとの連携で販売先の開拓が進むとの前提に立てば不必要だったのではないか、との見方も出ている。 JDIは金融支援スキームの破談はないとの立場だが、度重なる最終合意の延期に取引先は困惑している。取引先からは「もはや過去の決算分析に何の意味も感じない」との声も聞かれ、Suwaコンソーシアムとの交渉の進捗を固唾を呑んで見守っている。

児玉化学 2期連続の最終赤字

 化学品製造の児玉化学工業(株)(TSR企業コード:290051312、東証2部、以下児玉化学)は5月15日、2019年3月期決算を発表した。
 販売先のBCP(事業継続計画)推進による生産拠点の分散化により受注が軟調に推移したことに加え、機械故障による生産効率の低下、経済が減速している中国での販売が低迷。連結業績は、売上高は187億9,900万円(前年同期比5.8%減)、営業利益は▲3億5,200万円(前年同期は1億1,700万円の黒字)、最終利益は▲6億9,400万円(前年同期は▲2億1,300万円)となった。
 最終赤字は2期連続で、自己資本比率は2019年3月期末時点で2.3%(前年同期5.3%)まで減少した。

◇新「中期経営計画」
 決算発表と同時に「中期経営計画の策定に関するお知らせ」を公表。児玉化学は2017年3月期~2021年3月期を実施期間とする中期経営計画を策定し、推進してきた。しかし、2019年3月期の赤字計上で目標達成が困難となったため2019年度(2020年3月期)から3カ年を実施期間とする新「中期経営計画」を改めて策定した。
 新「中期経営計画」では、①事業ポートフォリオ改革、②自動車部品事業での生産安定化および拡販、③管理コスト削減と経営・組織力強化を骨子とし、2022年3月期に連結売上高184億円、営業利益11億円を目指す。
 児玉化学の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「前年度(2019年3月期)下期以降、不採算事業の縮小など構造改革を進め、生産設備のトラブルなどは今年度初旬に解消した。業績改善の兆しはあり、今年度通期は黒字転換できると予想している」とコメント。今期の連結業績は、売上高177億円、営業利益3億円、最終利益5,000万円と予想する。

◇資本増強の可能性は
 一方、今年2月に筆頭株主の三菱ケミカル(株)(TSR企業コード:291021336)は児玉化学に対する出資比率を15.77%から13.86%に引き下げた。これにより、三菱ケミカルの親会社である(株)三菱ケミカルホールディングス(TSR企業コード:296272507、東証1部)の持分法適用会社から児玉化学が外れたことに関心が寄せられた。
 児玉化学の担当者は、株主動向や資本増強の可能性について「2月以降、三菱ケミカルの出資比率に変化はない。(資本増強策について)具体的に公表できることはないが、赤字計上で純資産は目減りしており、資本増強の必要性は感じている。資本提携なども含めて、あらゆる方策を検討している段階」と回答した。

オンキヨー 支払遅延、決算発表を延期

 化学品製造の児玉化学工業(株)(TSR企業コード:290051312、東証2部、以下児玉化学)は5月15日、2019年3月期決算を発表した。
 販売先のBCP(事業継続計画)推進による生産拠点の分散化により受注が軟調に推移したことに加え、機械故障による生産効率の低下、経済が減速している中国での販売が低迷。連結業績は、売上高は187億9,900万円(前年同期比5.8%減)、営業利益は▲3億5,200万円(前年同期は1億1,700万円の黒字)、最終利益は▲6億9,400万円(前年同期は▲2億1,300万円)となった。
 最終赤字は2期連続で、自己資本比率は2019年3月期末時点で2.3%(前年同期5.3%)まで減少した。

◇新「中期経営計画」
 音響メーカー老舗、オンキヨー(株)(TSR企業コード:576419524、JASDAQ)は5月15日、2019年3月期決算発表の延期を公表した。
 また、「ホームAV事業の譲渡に関する基本合意書の締結のお知らせ」も発表。音響機器・電子機器の開発設計、製造販売のSound United LLC(アメリカ)、またはその持株会社のViper Holdings Corporation(アメリカ)との間で、オンキヨーグループのAV事業の譲渡に向けた本格的な協議を行う基本合意書を締結することを、同日開催のオンキヨーの取締役会で決議した。
 オンキヨーは、事業譲渡の協議により事業構造に大きな変化が生じるため、2019年3月期決算短信に係る記載内容と業績数値の精査・確定作業に時間を要するため、決算発表を延期した。改めて5月24日発表する予定。
 2019年2月14日にオンキヨーが公表した2019年3月期第3四半期(2018年4-12月期、連結)決算では、売上高336億500万円(前年同期373億3,200万円)、営業利益▲15億5,800万円(同▲11億3,700万円)、経常利益▲21億6,300万円(同▲20億4,700万円)、四半期純利益▲4億7,200万円(同▲21億8,700万円)だった。また、2019年3月期通期の業績予想は売上高460億円、営業利益1億円、経常利益▲8億円、当期純利益6億円だった。
 ただ、2013年度から経常損失が続き、2019年3月期第3四半期でも経常損失を計上。また、取引先に対する営業債務の支払遅延が同期末現在で29億2,700万円に上るため、継続企業の前提に関する重要事象の注記が記載されている。

大塚家具 4期ぶりの最終黒字に意欲

 (株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、JASDAQ)は5月15日、2020年4月期事業計画の説明会を開催した。大塚久美子社長や(株)ハイラインズ(TSR企業コード:022392530)の陳海波社長らが出席。約30名の報道陣が集まった。
 大塚社長は、2020年4月期の事業計画について「中国事業の伸びしろが大きいが、国内事業のみで計画。消費税の増税がある前提だ」と説明。16カ月の変則決算となる2020年4月期の売上高を442億円、営業利益1億5,700万円、経常利益6,300万円、最終利益2,500万円と明らかにした。実現すれば、最終利益の黒字は2015年12月期以来、4期ぶり。
 陳社長は、「大塚家具の中国事業は3年後に売上高150億円を予定」と中国事業の強気の見通しを示した。

◇大塚久美子社長が店舗を案内
 大塚久美子社長は事業計画の説明会に先立ち、ショールームを自ら案内した。2019年後半に、世界で初めてコーナーソファーを発表したとされる「ROLFBENZ(ロルフベンツ)」の専門店を青山に出店する意向を示した。
 これはイタリアの老舗家具ブランド「Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)」の専門店を2018年3月、青山に出店し、売上高が前年比45%増を達成したことも新規出店の背景と説明した。 大塚社長は、「独立店舗を作り、家具の世界観を表現することが重要」と話し、今後はブランディングに一層力を注ぐ意向を示した。

◇今期(2019年1月~2020年4月)計画
 決算期を従来の12月期から繁忙期を避けて4月期に変更する。この結果、2019年1月から2020年4月期の16カ月変則決算となる。
 計画によると売上高は442億円を見込む。店舗閉店などによる店頭売上の減少から、12カ月換算(簡易試算)では前年比13.5%減となる。利益は、ラグジュアリーブランドの販売強化とオリジナル商品開発で粗利率を1.9ポイント改善、またセール抑制で4ポイント改善を見込んでいる。人件費は16カ月決算でも2018年度を下回る74億2,200万円(前年79億3,100万円)に減少。採用の抑制や給与体系の見直しも着手した。
 広告費は消費税増税の駆け込み需要を狙い、16カ月決算で25億3,600万円(前年15億4,600万円)と大幅に増やす。
 大塚社長は、父で創業者でもある大塚勝久氏が会長を務める匠大塚(株)(TSR企業コード:015391809)との関係について、「協業のメリットはあまりない。(匠大塚の売上高は)当社と比べてゼロがひとつ少なく、さらにその半分。(勝久氏と)会って良かったが、個人と会社は混同しないようにしたい」とコメント。こじれた親娘関係の修復には時間がかかりそうだ。

スルガ銀 新生銀行・ノジマとの業務提携へ

 5月15日午後、不正融資問題で揺れるスルガ銀行(TSR企業コード:449001504、東証1部)は、新生銀行(TSR企業コード:299003973、東京都、東証1部)と業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。今後、個人向け無担保ローンや住宅ローンなどの連携を模索する。また、家電量販を手掛ける(株)ノジマ(TSR企業コード:360078605、東証1部)とも業務提携について基本合意した。クレジットカードの共同事業化などを検討する。
 スルガ銀行は同日午後、2019年3月期決算も発表した。経常収益(連結)は、貸出金利息の減少などで1,396億3,500万円(前期比10.6%減)と大幅に落ち込んだ。経常費用は、不正が発覚したシェアハウス関連融資を中心に与信費用が増加したため2,139億7,800万円(同46.8%増)に膨らんだ。この結果、最終利益は971億4,600万円の赤字(前期は69億8,800万円の黒字)に沈んだ。
 5月13日以降、スルガ銀行と新生銀行の提携について報道が活発化。これを受けて15日午前、シェアハウス取得資金をスルガ銀行から融資を受けたオーナーら約50名が新生銀行本店前(東京都中央区)で呼びかけを行った。オーナーの一人は「不正融資問題の抜本的な解決なくして、提携の成功はない」と語った。

新生銀行前の呼びかけ(5月15日午前8時過ぎ)

新生銀行前の呼びかけ(5月15日午前8時過ぎ)

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年5月17日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)
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