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スーパー業界、業績は規模の格差が拡大 2年連続の増収増益も、物価高で利益鈍化

~ 2026年「スーパー経営会社」業績動向調査 ~


 食料品の消費税減税の行方が注目されるが、全国のスーパー経営会社610社の最新決算(2024年10月期-2025年9月期、以下最新期)は、売上高合計が24兆9,484億6,300万円(前期比6.6%増)、利益合計は4,107億1,300万円(同4.4%増)と、2年連続で増収増益だった。
 コロナ収束後は、外食需要の回復や節約志向などで、一時は減収減益の決算が続いたが、直近2期では価格上昇が増収効果を生んでいる。ただ、利益は1期前(同31.4%増)の増益率に及ばず、コスト吸収が浸透しないまま物価高の影響を受けていることがわかった。

 スーパー業界の業績は好調だが、売上高1,000億円超の大手スーパー(54社)と、1,000億円未満の地場・中堅スーパー(556社)の最新期業績は、大手スーパーの増収率が前期比8.0%増に対し、地場・中堅スーパーは同2.9%増にとどまった。PB(プライベートブランド)製品や豊富な品揃え、価格競争で優位に立つ大手が業績をけん引している構図が浮かび上がる。
 最終損益は大手スーパーが増益(前期比11.1%増)だったが、地場・中堅スーパーは減益(同20.4%減)で規模により明暗を分けた。価格競争の激化で、地場・中堅スーパーは値上げによる客離れが懸念され、仕入コストや運営費を吸収できず、厳しい収益環境が続いている。
 大手スーパーは、スケールメリットを活かし、仕入ロットの優位性と価格政策、PB製品を含む品揃え、ネット販売などで優位に立っている。一方で、地場・中堅スーパーは営業エリアが限定され、商品仕入や資金などの経営リソースが劣勢で、事業規模による格差が強まっている。
 地場・中堅スーパーは、地域ニーズに沿った商品づくりや、特定カテゴリーに特化した売場など、独自性を見出して顧客を囲い込みながら収益確保が切実な課題になっている。今後は、価格だけでなく、商品構成や消費者に向けた価値向上の戦略や取り組みが問われている。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約400万社)から、スーパーマーケット経営会社を対象に、2024年10月-2025年9月期を最新期とし、5期連続で業績が判明した610社を抽出、分析した。


売上高・利益ともに過去5年で最多

 全国のスーパー経営会社610社の最新期の売上高は、24兆9,484億6,300万円(前期比6.6%増)と増収だった。利益も4,107億1,300万円(同4.4%増)で前期を上回った。
 コロナ禍以降の5年間では、「巣ごもり需要」の反動や外食需要の回復、節約志向で一時的に減収減益に転じたが、その後は2年連続で増収増益を果たした。物価高で商品の値上げが売上を押し上げたが、コスト増で収益は売上高の伸びに届かなかった。

スーパー経営会社 業績推移

地場・中堅スーパー、コロナ禍の利益水準に回復せず

 売上高1,000億円を超える大手スーパー(54社)と、売上高1,000億円未満の地場・中堅スーパー(556社)の業績動向を比較した。
 売上高の合計は、大手スーパーが18兆4,476億5,500万円で、前期比8.0%増。地場・中堅スーパーは6兆5,008億800万円で、同2.9%増にとどまった。一方、利益は、大手スーパーが11.1%増に対し、地場・中堅スーパーは20.4%減となった。
 過去5年の推移では、大手スーパーが売上高、利益ともに最新期が最大だった反面、地場・中堅スーパーはコロナ禍(4期前)と比較して、売上高は微増にとどまり、利益は落ち込んでいる。また、最終損益を売上高で除した最新期の利益率は、大手スーパーが1.8%に対し、地場・中堅スーパーは1.0%にとどまる。
 物価上昇による値上げ効果が大きく、大手スーパーはその恩恵を受けた格好だが、企業規模の違いで物価高への対応も温度差がうかがえる。

左:大手スーパー 業績推移 右:地場・中堅スーパー 業績推移



 スーパー経営会社の売上高ランキング(単体決算ベース)では、トップのイオンリテールが1兆8,777億600万円で、2位以下を大きく引き離している。
 一方、イオングループで、中国・四国地方を中心に食品スーパーを展開する(株)フジが(株)フジ・リテイリング(TSRコード:693508132、松山市)およびマックスバリュ西日本(株)(TSRコード:670135046、広島市南区)を吸収合併し、ランキング5位に急浮上した。

 スーパー業界は、大手スーパーによる地場・中堅スーパーの統合、ドラッグストアや投資ファンドなど異業種からの参入などで活発化している。一方、過当競争に耐えきれず、小規模の地場スーパーの倒産も相次いでいる。
 消費者行動の移り変わりが早く、スーパー側も対応を迫られている。人手不足に対応したセルフレジ導入、 IT・データ活用によるロス削減などへの対応を進めるが、投資コストが新たな課題に浮上している。
 成長投資が求められるなか、スーパー業界のスケールメリットや効率化を求める動きは、今後も強まる流れにあり、経営統合や淘汰が加速する可能性が高まっている。

スーパー経営会社の売上高ランキング(上位10社)

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