• TSRデータインサイト

2026年1月の「飲食業」倒産 30年間で最多の92件 夜の「居酒屋」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」が急増

~ 2026年1月の「飲食業」倒産動向 ~


 2026年1月の「飲食業」倒産は、92件(前年同月比8.2%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。1月としては1997年以降の30年間では前年(85件)を超え、最多を更新した。コロナ禍を経て、宴会や接待などの需要が変化したことに加え、人手不足や物価高の影響もあって小・零細店舗の「居酒屋(酒場,ビヤホール)」26件(前年同月比100.0%増)、「バー,キャバレー,ナイトクラブ」11件(同83.3%増)など夜の街の急増が際立つ。
 食材費や水道光熱費、人件費などの 「物価高」倒産は、14件(同40.0%増)。「人手不足」倒産(後継者難除く)は4件(同20.0%減)で、すべて「人件費高騰」が主因だった。事業規模が小さい企業、店舗ほどコストアップの吸収が難しく、値上げが客足に直結する企業の息切れが、飲食業の倒産を押し上げている。

 「飲食業」倒産の資本金別は、1千万円未満の小・零細規模が84件(前年同月比10.5%増)と約9割(91.3%)を占めた。8日投開票の衆議院選挙では、主な政党が食料品の消費税廃止・減税を訴えたが、飲食業の対応は不透明で当面、飲食業の倒産は高止まりで推移するとみられる。
※本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の2026年1月の倒産(負債1,000万円以上)を集計、分析した。

飲食業の倒産 月次推移



業種別:小分類は、最多が「専門料理店」の27件(前年同月比12.5%増)。細分類は、居酒屋(酒場,ビヤホール)26件、バー,キャバレー,ナイトクラブ11件、日本料理店9件、焼肉店4件、お好み焼き・焼きそば・たこ焼店3件が、1月では1997年以降の30年間で最多を記録。

原因別:最多が「販売不振」の78件(前年同月比4.0%増、構成比84.7%)。以下、「事業上の失敗」が5件(前年同月比400.0%増)、「既往のシワ寄せ」が4件(同300.0%増)の順。

形態別:最多が「破産」の89件(前年同月比5.9%増、構成比96.7%)。このほか、民事再生法が3件(前年同月比200.0%増)。

資本金別:最多が「1百万円以上5百円未満」の30件(前年同月比±0.0%、構成比32.6%)。1千万円未満が84件(同10.5%増、同91.3%)で、食材費などコストアップの一方、価格転嫁が進まず、小・零細規模の飲食業の資金繰りに大きな負担となっている。

負債額別:最多が「1千万円以上5千万円未満」が69件(前年同月比1.4%増、構成比75.0%)。1億円未満は85件(同3.6%増、同92.3%)だった。

地区別:最多が近畿の31件(前年同月比6.8%増、構成比33.6%)。次いで、関東の26件(前年同月比7.1%減)、中部(同7.6%減)と九州(同71.4%増)が各12件と続く。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

2

  • TSRデータインサイト

美容業の倒産、過去20年で最多 ~ 問われる経営効率化と対応力 ~

新年を新たな気持ちで迎えようと美容室に足を運んだ人も多いのではないだろうか。だが一方で、2025年の美容業(美容室含む)の倒産は120件(前年比5.2%増)で、過去20年間で最多を記録した。

3

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年の「学習塾」倒産 過去最多の55件 少子化と物価高の中、小規模な学習塾が苦戦

2025年に発生した「学習塾」の倒産が55件(前年比3.7%増)で、2006年以降で最多だった2024年の53件を上回り、過去最多を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

融資慣行に変化、「事業性融資推進法」が施行目前~ 金融庁・大城健司参事官 単独インタビュー ~

2026年5月「事業性融資の推進等に関する法律(事業性融資推進法)」がスタートする。「企業価値担保権」の導入により、企業の実力や将来性、無形資産を含む事業全体を担保にした融資が可能になる。 事業性融資を推進する背景や想定される課題を金融庁総合政策局の大城健司参事官に聞いた。

TOPへ