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飲食業倒産、年間最多の800件超えが確実に

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公開日付:2020.12.04

 新型コロナウイルスの第三波を受け、政府の分科会はクリスマス前までの『我慢の3週間』を訴えた。
 感染急増地域の往来自粛や、酒類を提供する飲食店の営業時間短縮などが提言されたが、新型コロナに直撃された「飲食業」では、倒産(負債1,000万円以上)が急増している。2020年1-11月累計で792件(前年同期比8.0%増)に達し、これまで年間(1-12月)で最多の2011年の800件を上回ることが確実になった。

 すでに1-10月で2019年通年の倒産件数を超えていた「酒場,ビヤホール(居酒屋)」、「そば・うどん店」、「すし店」、「宅配飲食サービス業」に加え、11月は「喫茶店」、「持ち帰り飲食サービス業」も2019年通年の倒産件数を上回った。
 コロナ禍で在宅勤務が定着したほか、感染防止で会食などの需要が減少し、インバウンド需要消失や休業・時短要請なども経営に大きな打撃を与えている。
 飲食業は、2019年から人手不足が深刻化し、人件費の上昇が大きな経営課題に浮上していた。そこに新型コロナの感染拡大で、1-3月の倒産は219件(前年同月比23.7%増)と急増した。5月以降、持続化給付金や民間金融機関の実質無利子・無担保融資などが動き出し、支援効果で4-6月は199件(同2.4%減)と減少に転じた。しかし、緊急事態宣言の解除後も客足や売上は戻らず、7-9月は237件(同14.4%増)と再び増加した。ただ、10月には「GoToイート」も始まり、9月以降は3カ月連続で前年同月を下回っている。
 飲食業は過小資本でのスタートアップが可能で小・零細企業・店舗が多く、倒産企業の約9割を占める。新型コロナ第三波で、東京都、大阪府など「GoToイート」のプレミアム付食事券の販売停止や、再度の時短営業を要請する動きが出ている。クリスマスや忘・新年会など、かき入れ時の年末年始の売上消失は、倒産だけでなく、休廃業を促す事態も懸念されている。

  • 本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス」「宅配飲食サービス業」)の2020年1-11月の倒産を集計、分析した。
  • 飲食業


飲食業倒産792件、通年では過去最多に

 2020年1-11月の「飲食業」倒産は792件(前年同期比8.0%増)に達した。新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言で、裁判所業務が一部縮小した5月を除き、倒産は月間60件以上で推移している。特に、6月(98件)、7月(93件)は、月間100件に迫る勢いで増加した。
 通年最多を記録した2011年の800件に並ぶまで8件に迫り、2020年の飲食業の倒産は過去最多を更新することが確実となった。

業種別 10業種のうち、8業種で増加

 業種別では、最多が日本料理店や中華料理店、ラーメン店、焼き肉店などの「専門料理店」で192件(前年同期比9.7%増)。次いで、「食堂,レストラン」184件(同11.5%減)、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」162件(同25.5%増)の順。
 増加率では、「すし店」61.1%増(18→29件)と、「そば・うどん店」50.0%増(12→18件)が際立つ。零細規模の企業・店舗が多く、在宅勤務などで外食需要が落ち込み、売上減少から資金繰り悪化を招いたとみられる。
 増加率が高い「すし店」や「そば・うどん店」のほか、「酒場,ビヤホール」「喫茶店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」の6業種は、すでに2019年通年の倒産件数を超えた。また、「専門料理店」と「その他の飲食店」は2019年通年の件数に並んだ。

飲食業


原因別 「不況型倒産」が708件で、約9割を占める

 原因別は、「販売不振」が674件(前年同期比9.5%増)で最多。次いで、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」34件(同30.7%増)、「事業上の失敗」30件(同3.2%減)と続く。
 『不況型倒産』(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は708件で、構成比は約9割(89.3%)を占めた。コロナ禍で外出自粛、営業自粛、時短営業などが影響しているが、第三波により一部自治体が再び時短営業などを要請しており、悪影響が懸念される。

資本金別 1千万円未満が約9割、1億円以上はゼロ

 資本金別では、個人企業を含む1千万円未満が703件(前年同期比7.3%増、前年同期655件)で、構成比は88.7%(前年同期89.3%)と約9割を占めた。
 内訳は、個人企業他337件(前年同期比4.0%増、構成比42.5%)、1百万円以上5百万円未満259件(同32.1%増、同32.7%)、5百万円以上1千万円未満65件(同22.6%減、同8.2%)、1百万円未満が42件(同17.6%減、同5.3%)だった。
 ここ数年、金融機関が新たな貸出先として、「飲食業」などの創業支援に積極的に取り組んできた。そのため、少ない手元資金で新規に参入した企業も少なくない。ただ、自己資本が乏しいだけに経営体力がぜい弱で、不測の事態では新たな資金調達も難しく倒産に至るケースも多い。
 このほか、1千万円以上5千万円未満が81件(同19.1%増、同10.2%)、5千万円以上1億円未満が8件(同14.2%増、同1.0%)。
 1億円以上はゼロ(前年同期3件)だった。1億円以上が発生しなかったのは、1997年同期以来、23年ぶり。

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