• TSRデータインサイト

中国の軍民両用製品の輸出禁止 禁止リスト登録企業の国内取引先は約1万社

~ 「中国の軍民用品 輸出禁止、監視リスト追加企業」取引先調査 ~


 中国商務省は2月24日、国内20の防衛関連の企業や団体を軍民用品(デュアルユース)の輸出禁止リストの対象に加えたと発表した。この他、輸出規制の監視リストに国内20企業や団体も加えた。
 輸出禁止リストの対象企業の取引先は、防衛関連事業以外の取引先を含め、国内に9,538社あることがわかった。また、監視リストの国内取引先は3万9,004社に及び、中国の“経済的な威圧“の影響が広がるか注目される。             
 東京商工リサーチ(TSR)の約440万社の企業データベースから、対象にリストアップされた企業・団体(カンパニー制の川崎重工業航空システムカンパニー除く)の防衛関連事業以外も含めた全事業の取引先を1次(直接)、2次(間接)に分けて抽出、分析した。
 輸出禁止リストの1次、2次の仕入先と販売先は、合計(重複を除く)9,538社に達する。このうち、未上場は8,842社(構成比92.7%)で、資本金1千万円以上が8,317社(同87.2%)と比較的、規模の大きな企業が多いことがわかった。
 監視リストの1次、2次の仕入先・販売先の合計(重複を除く)は3万9,004社で、規制リストの約4倍多い。防衛産業や宇宙産業の専門会社が多い禁止リストと異なり、SUBARUやENEOS、三菱マテリアルなどのグループ中核企業のリストアップが目立ち、取引社数が膨らんだ。
 輸出禁止リストには、防衛や宇宙の総合メーカーは掲載されていない。だが、追加的な措置の可能性も捨てきれない。サプライチェーンや商流の確認も必要で、どの程度影響が広がるか予断を許さない。
※本調査は企業情報サービス(tsr-van2)の企業相関図から2月24日に中国商務省が発表した輸出禁止リスト(カンパニー制の川崎重工業航空システムカンパニー除く)19社と監視リスト20社の国内仕入先、販売先を1次(直接取引)、2次(間接取引)に分けて2月末に抽出し、業種、規模などを分析した。取引先計は、1次、2次の仕入先と販売先を合算後、重複を除いた。


産業別

 輸出禁止リストを、産業別で分析した。仕入と販売を合わせた製造業の取引先合計は、3,590社(構成比37.6%)で約4割を占めた。対象企業や団体は、防衛や宇宙、船舶、エンジンなどメーカーが大半を占め、取引先もメーカー比率が高かった。次いで、卸売業の2,791社(同29.2%)で、リスト対象企業に材料、機械類などを販売する会社が目立つ。この2産業で約7割(同66.9%)を占め、階層的なサプライチェーンを形成している。
 監視リストも、製造業の取引先合計が1万3,289社(構成比34.0%)で最多。次いで。卸売業9,091社(同23.3%)、サービス業他4,732社(同12.1%)が続く。

産業別

売上高別

 売上高別の取引先計では、輸出禁止リストの最多は10億円以上100億円未満が3,025社(構成比31.7%)で、1億円以上10億円未満が2,882社(同30.2%)で続く。1,000億円以上は708社(同7.4%)だった。
 監視リストも最多は10億円以上100億円未満で1万3,047社(同33.4%)だった。
 

資本金別

 資本金別の取引先計では、輸出禁止リストは1億円未満が6,424社(構成比67.3%)、1億円以上が3,114社(同32.6%)。監視リストでは1億円未満が3万768社(同78.8%)、1億円以上が8,236社(同21.1%)だった。 

上場・未上場別

 上場区分別の取引先計では、輸出禁止リストは、プライムが480社(構成比5.0%)、スタンダードが197社(同2.0%)、グロースが12社(同0.1%)、その他上場が7社(同0.07%)の順。未上場が8,842社(同92.7%)と9割超を占めている。
 監視リストでは、プライムが991社(同2.5%)、未上場が3万7,294社(同95.6%)だった。

都道府県別

 都道府県別の取引先計は、輸出禁止リストでは、東京都が最多の2,740社だった。次いで、大阪府が961社、神奈川県の881社、広島県の491社、兵庫県の425社が続いた。
 監視リストでも東京都の9,442社が最多。大阪府の4,001社、愛知県の2,711社、神奈川県の2,679社、埼玉県の1,549社などの順だった。
 地区別では、最多の関東が輸出禁止リスト4,664社(構成比48.9%)、監視リスト1万7,373社(同44.5%)と半数近くを占めた。

都道府県別

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

退職代行「モームリ」、運営会社の代表変更

退職代行「モームリ」を運営する(株)アルバトロス(TSRコード:694377686、横浜市)は、公式ホームページの代表取締役を変更した。

2

  • TSRデータインサイト

バイオベンチャーのSpiber、事業譲渡後に特別清算 ~ ユニコーン企業、2025年12月期は438億円の最終赤字 ~

バイオベンチャーとして注目されたSpiber(株)(TSRコード:363798706、山形県鶴岡市)が約300億円の債務超過を解消できず、新会社に事業を譲渡後、特別清算を申請する方針を固めた。

3

  • TSRデータインサイト

家事代行の倒産が過去最多 ~ 老舗・大手がひしめくなか、参入も急増 ~

共働きや独身世帯の増加で、掃除や料理、洗濯、ベビーシッターなど、家事代行(家事サービス)のニーズは高い。子育てだけでなく介護も加わり、市場は広がる。 一方、家事代行業者の倒産が急増している。2025年度は4-2月で11件に達し、すでに過去最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「イタメシ」「韓国料理」など専門料理店の倒産最多 ~ インバウンドの取りこぼしと輸入食材の高騰 ~

イタメシ、韓国料理、フレンチ、タイ料理など専門料理店の倒産が急増している。2025年度(4-3月)の倒産は2月までにバブル期の1988年度以降、最多の85件に達した。

5

  • TSRデータインサイト

メインバンク取引社数 国内10位の金融Gに しずおかFGと名古屋銀が統合へ、2万8,121社

メインバンクの取引社数が全国16位のしずおかFGの静岡銀行(1万8,762社)と、名古屋銀行(9,359社)が、経営統合に基本合意したことを発表した。両行のメイン取引社数は合計2万8,121社で、国内金融グループで10位の地銀グループが誕生する。

TOPへ