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アスリートの活躍が「スポーツ用品販売」に追い風  売上・利益は過去5年で最高、市場は寡占進む

~ 2026年「スポーツ用品販売」動向調査 ~


 世界で躍動するアスリートの雄姿が、スポーツ業界に追い風となっている。全国の主な「スポーツ用品販売」1,035社の最新決算(2024年10月-2025年9月期)は、売上合計1兆6,439億円(前期比4.8%増)、利益合計も532億円(同88.9%増)と、コロナ禍からの5年間で売上高、利益とも最高を記録したことがわかった。
 コロナ禍はスポーツイベントの中止が相次いだが、近年は国際的なスポーツイベントで活躍するアスリートの姿を見る機会が増え、スポーツ用品の人気に拍車をかけている。2026年も正月恒例の箱根駅伝のほか、冬季五輪やワールド・ベースボール・クラシックの開催。今後も、FIFAワールドカップ、アジア競技大会、ラグビーワールドカップなどが控えている。
 スポーツメーカーも、有名アスリートとのコラボ商品やプロ仕様モデルの展開、日本代表の限定商品などを積極的に投入する一方、機能性とデザインを両立させ街着としても人気が広がっている。
 ただ、2025年のスポーツ用品販売の倒産・休廃業・解散は263件(前年210件)に増え、活況を呈するマーケットの中でも二極化が加速している。

 東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースで、全国の主なスポーツ用品販売1,035社の最新業績を調査した。スポーツ用品販売は大手の寡占が強まり、売上高100億円以上は25社(構成比2.4%)だったが、25社の売上合計は1兆2,072億円(同73.4%)と7割を超えた。
 一方、売上高5億円未満は841社(同81.2%)と8割を超えるが、売上合計は809億3,541万円(同4.9%)と5%に届かなかった。ブランド力と豊富な品揃え、価格競争で優位に立つ大手が業界のトレンドをけん引している構図がより顕著になっている。
 純利益は8割(同82.2%)を超す企業が黒字だったが、約3割(同29.1%)は減益で、収益格差が広がっている。
 資金力で優位に立つ大手は、人気アスリートを起用したプロモーションとスケールメリットを押し出し、攻勢を強めている。一方、中小・零細企業は特定カテゴリーに特化した商品展開など、独自の価値を創出することで、顧客を囲い込めるかが鍵となる。

※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、日本産業分類のスポーツ用品卸売業・小売業を対象に、2024年10月-2025年9月期を最新期とする5期連続で業績が判明した1,035社を抽出、分析した。


スポーツ用品販売の業績は過去5年間で最高

 スポーツ用品販売1,035社の最新期の売上合計は、1兆6,439億円(前期比4.8%増)だった。過去5年間では、コロナ禍の4期前を底に増収を維持し、最新期は最高を更新した。
 利益合計は、532億円(同88.9%増)と過去5年間で最大だった。1期前は前期比8.7%減と減益だったが、ブランド力のある商品の値上げ効果で最新期は増益に転じた。

スポーツ用品販売の業績推移

売上高増減別 増減収別が均衡

 最新期の売上高は、増収が355社(構成比34.3%)、減収は318社(同30.7%)、横ばいが362社(同34.9%)だった。売上の増減は均衡している。
 売上高伸長率は、 0~5%未満の増収が480社(構成比46.4%)で最多。次いで、10~100%未満の増収が160社(同15.4%)、10%未満の減収が141社(同13.6%)と続く。
 100%以上の増収も12社(同1.1%)で、新店舗の開設や新商品・限定商品の販売などが拡充し、事業規模が拡大した。

上:スポーツ用品販売 対前年増減収別 下:スポーツ用品販売 売上高伸長率別

業歴別 50年未満が6割

 業歴別は、最多が10年以上50年未満の617社(構成比59.6%)だった。
 次いで、50年以上100年未満が367社(同35.4%)で、50年未満が636社(同61.4%)を占めた。
 100年以上は32社(同3.0%)で、1868年創業の(株)小野銃砲火薬店が最古だった。同社は、射撃競技のライフルや猟銃、火薬などを扱っている。
 なお、業歴の上位10社には、銃火器を扱う企業が5社登場する。

スポーツ用品販売 業歴別

倒産・休廃業・解散の合計が過去10年間で最多

 2025年のスポーツ用品販売の倒産は43社(前年比2.2%減)、休廃業・解散は合計220社(同32.5%増)だった。2025年は263社(同25.2%増)が市場から撤退し、過去10年間で最多を更新した。
 コロナ禍の2021年の倒産は資金繰り支援で減少したが、2024年と2025年はコロナ前の水準に戻ってきた。一方で、2025年の休廃業・解散は220件に達し、過去10年間で最多を更新した。
 屋外スポーツは天候に左右されやすく、昨今の異常気象で季節商品の売れ行きは不安定になっている。また、少子高齢化で競技人口が減少する種目もあり、取り巻く環境は大きく異なる。このため、中小・零細企業は大手との価格競争に巻き込まれない差別化戦略が求められており、顧客開拓に乗り遅れた業者の淘汰は今後も進むとみられる。

スポーツ用品販売の休廃業・解散、倒産 件数推移

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