• TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

~ 2026年2月の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産動向 ~


 2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。
 2023年1月からゼロゼロ融資などの返済負担を軽減するため、コロナ借換保証が開始され、2025年2月末で30.1万件が利用している。このうち、約8割の据置期間が2年以内で、2026年4月から9月に返済開始が最後のピークを迎える。
 原材料費やエネルギー、人件費などのコストアップが収益を圧迫し、返済原資の確保が難しい企業は少なくない。返済猶予(リスケ)が単なる倒産の先送りか、しっかりとした経営再建に向けた動きか、その効果が注目される。
 ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は、2020年7月以降で累計2,280件に達した。

 産業別は、最多が飲食業(5件)などを含むサービス業他が13件(前年同月比225.0%増)で、3.2倍増と大幅に増え、全体の48.1%とほぼ半数を占めた。
 コロナ禍から業績改善が進まず、借入金を利益償還できない企業は多く、リスケを繰り返し更新する企業もある。
 金融機関は、経営再建へ取り組む意欲を示す企業には中小企業診断士などの専門家を派遣し、事業再生を支援する動きもあるが、大半は自助努力を求められている。中小企業庁は、経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)制度を2027年3月31日まで延長し、過剰債務を抱え、物価高や人手不足の影響を受けている中小企業の支援を打ち出している。
 中小企業は、資金面が脆弱で人的リソースにも限界があり、外部機関と連携を取りながら、事業構造の見直しや収益強化が重要になっている。
※本調査は、2026年2月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を受けていた企業の倒産(法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産 月次推移

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

三菱マヒンドラ農機、同時にグループ2社も解散へ

農業用機械の生産販売を終了する三菱マヒンドラ農機(株)(TSRコード:760014582、松江市)に関連して、グループ2社も同時に解散することが東京商工リサーチ(TSR)の取材で分かった。

2

  • TSRデータインサイト

家事代行の倒産が過去最多 ~ 老舗・大手がひしめくなか、参入も急増 ~

共働きや独身世帯の増加で、掃除や料理、洗濯、ベビーシッターなど、家事代行(家事サービス)のニーズは高い。子育てだけでなく介護も加わり、市場は広がる。 一方、家事代行業者の倒産が急増している。2025年度は4-2月で11件に達し、すでに過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

解散公表の三菱マヒンドラ農機グループ 国内取引は2,158社、1次仕入先は島根県が最多

2026年9月に解散することを公表している三菱マヒンドラ農機(株)(TSRコード:760014582、松江市)グループ(三菱マヒンドラ農機G)の余波が広がっている。解散予定の3社の国内取引先は全国2,158社に及び、とくに1次仕入先の本社は島根県が36社で最も多く、地域経済への影響が懸念される。

4

  • TSRデータインサイト

「警備業」倒産 20年間で最多ペースの20件 警備員不足と投資格差で淘汰が加速へ

コロナ禍後のイベント復活や建設現場の交通誘導、現金輸送など警備業の活動範囲は広がっている。だが、「警備業」の2025年度(4-2月)の倒産は、2月までに20件(前年同期比25.0%増)に達した。現状のペースをたどると2006年度以降の20年間で最多だった2007年度、2024年度の21件を超える見込みだ

5

  • TSRデータインサイト

2025年度(4-2月)のタクシー会社の倒産が36件 年度は過去20年で最多が確実、地方で淘汰が加速

 2025年度(4-2月)の「タクシー業」の倒産が36件(前年同期比80.0%増)に達し、過去20年間で最多だった2011年度の36件(年度件数)に並んだ。前年同期の1.8倍に増加し、このペースで推移すると、2025年度は2006年度以降の20年間で最多件数の更新が確実になった。

TOPへ