• TSRデータインサイト

2026年2月の「飲食業」倒産 1.3倍増の83件 小・零細規模が9割超、コストアップが経営直撃

~ 2026年2月の「飲食業」倒産動向 ~


 小・零細規模の飲食業者が苦境に喘いでいる。2月の「飲食業」倒産は、83件(前年同月比33.8%増)で、3カ月連続で前年同月を上回った。2月としては、2年ぶりに前年を上回った。1997年以降の30年間では東日本大震災後の2012年(95件)に次ぐ、2番目の高水準となった。
 食材費などの上昇による「物価高」倒産は、16件(同128.5%増)。後継者難を除く「人手不足」倒産は5件(前年同月ゼロ)で、内訳は人件費高騰3件、求人難2件だった。
 食材やエネルギー価格、従業員の確保のための人件費などが上昇する一方だが、値上げは顧客離れを招きかねず、資金力の乏しい小・零細規模の飲食業者の脱落が倒産を押し上げている。

 「飲食業」倒産の資本金別は、1千万円未満が79件(前年同月比36.2%増)と、95.1%を占めた。コロナ禍を経て、接待や宴会などの需要変化に加え、実質賃金のマイナスなどで客足が戻らない小・零細規模の居酒屋などの飲食業者は、物価高もあって厳しい経営環境が続いている。
※本調査は、2026年2月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)を集計、分析した。

「飲食業」の倒産(2月)推移

業種別:最多が「専門料理店」の26件(前年同月比73.3%増)。居酒屋(酒場,ビヤホール)20件(同53.8%増)、喫茶店8件(同300.0%増)、宅配飲食サービス業7件(同133.3%増)などで増加が目立つ。

原因別:最多が「販売不振」の71件(前年同月比24.5%増、構成比85.5%)。以下、「事業上の失敗」が5件(前年同月比150.0%増)、「既往のシワ寄せ」が3件(同200.0%増)の順。

形態別:最多が「破産」の77件(前年同月比35.0%増、構成比92.7%)。このほか、民事再生法が4件(前年同月比33.3%増)、特別清算が2件(同±0.0%)。

資本金別:最多が「1百万円以上5百万円未満」の32件(前年同月比23.0%増、構成比38.5%)。1千万円未満は79件(同36.2%増、同95.1%)で、値上げは来店客数が減少するリスクがあり、コストアップ分の価格転嫁が難しい小・零細規模の飲食業の資金繰りを圧迫している。

負債額別:最多が「1千万円以上5千万円未満」が64件(前年同月比25.4%増、構成比77.1%)。1億円未満は77件(同37.5%増、同92.7%)だった。

地区別:最多が近畿の24件(前年同月比26.3%増、構成比28.9%)。次いで、関東の20件(前年同月比5.2%増)、中部12件(同9.0%増)で、四国を除く8地区で増加した。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

第三者破産と告発、クリアースカイへの包囲網 ~ 「特別代理店」への注目も高まる ~

投資トラブルで揺れる合同会社クリアースカイ。4月7日に債権者から破産を申し立てられ、4月14日被害者弁護団から行政処分を求める告発を受けた 被害者弁護団は「クリアースカイと同様に特別代理店側にも破産申立や告発を行い責任を追及する」と語る。クリアースカイを巡る現状をまとめた

2

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

3

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

4

  • TSRデータインサイト

2025年度の「新聞販売店」倒産 過去最多の43件 止まらない部数減、人手不足・コスト上昇で逆風続く

2025年度の「新聞販売店」倒産は43件(前年度比43.3%増)で、2023年度の39件を抜き過去30年で最多を更新したことがわかった。 新聞の発行部数は、日本新聞協会によると2025年(10月時点)は約2,486万部(前年約2,661万部)で、2000年(約5,370万部)から半減(53.7%減)している。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

TOPへ