「社長」の高齢化進む、16年間で4歳上昇 平均63.81歳、最高は秋田県の66.31歳
~ 2025年「社長の年齢」動向調査 ~
事業承継が深刻な経営課題に浮上する中、2025年の社長の平均年齢が63.81歳(前年63.59歳)と過去最高を更新したことがわかった。調査を開始した2009年の59.57歳から、17年間で4歳上昇した。
都道府県別では、最高は秋田県の66.31歳で、5年連続で最高となった。一方、最年少は2年連続で広島県62.82歳だった。事業承継の遅れから、社長の高齢化に歯止めがかかっていない。
社長の高齢化は業績にも影響している。年齢と業績の相関関係をみると、70代以上の「増収」企業は43.7%と最も低く、30代以下は61.5%と17.8ポイントの差が広がる。また、「赤字」企業は70代以上が26.4%で最も高く、年齢の上昇に伴い業績悪化が目立つ傾向が強まっている。
また、2025年に「休廃業・解散」した企業の社長年齢は、平均74.98歳で存続企業を10歳以上上回る。構成比でも70代以上が初めて7割(72.6%)を超え、高齢化対策は急務になっている。
事業承継の遅れは社長の高齢化を招き、生産性向上や新規事業への投資が停滞し、企業がジリ貧状態に陥りやすいことを示している。業績低迷の結果、事業承継がさらに難しくなる悪循環に陥るため、事業再生や事業承継、廃業を円滑に進める手立てが求められている。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から2025年12月時点の代表者の年齢データを抽出、分析した。前回の調査は2025年2月。「社長」は、代表取締役社長のほか、個人事業主や理事長などを含む。
年齢分布 社長の3分の1が70歳以上
2025年の社長の年齢は、70代以上が34.7%と最も高く、前年(34.4%)より0.3ポイント上昇。60代も前年より上昇(26.5→26.8%)した。一方で、30代以下の若手社長も微増(2.20→2.27%)した。


社長の年齢と売上は反比例の相関、40代は手堅く赤字が少ない
直近業績が「増収」企業の社長は、30代以下が61.5%で最高。60代は49.5%、70代以上は43.7%と半数に届かない。年齢が若いほど、業績伸長の傾向が鮮明になった。
収益も、70代以上は「赤字」や「連続赤字」の構成比が最も高く、一方で40代は最も低かった。

「休廃業・解散」の社長は70代以上が7割超
2025年に「休廃業・解散」した企業は過去最多の6万7,210件を記録した。
社長の平均年齢は74.98歳(前年72.61歳)と最高を更新し、70代後半に迫った。
生存企業の社長の平均年齢は63.81歳で、その差は11.17歳(前年9.02歳)と、初めて10歳以上に差が広がった。
「休廃業・解散」企業の社長の年齢別分布は、70代以上が72.6%(前年67.9%)と初めて7割を超えた。一方、60代の18.0%(前年19.6%)をはじめ、70歳未満のすべてのレンジでは前年より低下した。特に、40代は1.8%と前年(3.2%)から1.4ポイント低下し、2%を割り込んだ。

産業別 不動産業が唯一の60歳代後半、情報通信業は60歳下回る
産業別の平均年齢は、最高が不動産業の65.62歳(前年65.38歳)。前年に続き唯一、60代後半に達した。以下、小売業64.75歳(同64.49歳)、卸売業64.55歳(同64.38歳)、建設業64.08歳(同63.68歳)、製造業63.85歳(同63.71歳)、農・林・漁・鉱業63.32歳(同63.20歳)、サービス業他62.93歳(同62.79歳)、運輸業62.57歳(同62.38歳)、金融・保険業61.83歳(同61.67歳)、情報通信業の57.59歳(同57.88歳)の順。
平均年齢が最も低い情報通信業は唯一、60歳を下回った。若手起業家のスタートアップ企業が多く、前年より若返ったのも情報通信業だけだった。
年代別の構成比は、70代以上は平均年齢が最も高い不動産業で41.6%と4割を占めた。一方で、情報通信業では17.7%と2割を下回った。情報通信業では、30代以下8.1%、40代18.5%とそれぞれの年代で最も高く、業界の若さをうかがわせる。また、建設業は30代以下1.2%、40代9.2%と共に最も低く、高齢化や事業承継難の様子を映し出している。

業種別 平均年齢はアパレル小売や学校教育で高く、インターネット関連業種で低い
業種別の平均年齢は、アパレル販売などの「織物・衣服・身の回り品小売業」68.34歳(同68.00歳)が最も高い。幼稚園から大学、専修学校まで含む「学校教育」68.26歳(前年68.18歳)、。農協や漁協などの「協同組合」67.94歳(同67.73歳)が続く。
一方、最も平均年齢が低かったのは、「インターネット附随サービス業」の49.27歳(同49.14歳)で唯一、50歳を下回った。次いで、インターネット通販などの「無店舗小売業」54.81歳(同54.68歳)が続き、インターネットと若手経営者の親和性の高さをうかがわせる。
年代別では、70代以上の社長が占める割合は「織物・衣服・身の回り品小売業」で50.4%と最も高く、70歳以上の経営者が過半数を占めていることになる。次いで、「学校教育」が49.71%で続き、過半数に迫る様子をみせる。
60代では、「銀行業」68.2%、「協同組織金融業」63.7%、「鉄道業」55.5%、「放送業」49.7%、「ガス業」46.3%の順で構成比が高い。金融・インフラ系が上位に並んでいる。
一方、30代以下と40代では、平均年齢が低い「インターネット附随サービス業」と「無店舗小売業」がともに上位を占める。また、40代では5位に「飲食店」18.9%が入り、唯一、上位10位以内にランクインした。4位の「持ち帰り・配達飲食サービス業」20.2%と合わせて、開業のハードルが低い飲食業を手掛ける社長が多い傾向がみられる。
都道府県別 平均年齢の最高齢は5年連続で秋田県、最年少は2年連続で広島県
都道府県別の平均年齢では、最高は秋田県の66.31歳。前年の66.07歳から0.24歳上昇し、5年連続で最高齢となった。次いで、高知県66.02歳(前年65.70歳)が続き、初めて66歳を超えた。このほか、長崎県65.25歳(同65.13歳)、山形県65.13歳(同64.84歳)、富山県65.11歳(同64.91歳)が上位に並んだ。
一方、最年少は広島県の62.82歳(同62.45歳)で、前年に続き2年連続。次いで、大阪府62.84歳(同62.53歳)、岡山県62.92歳(同62.70歳)、北海道62.95歳(同63.20歳)の順で低い。北海道は47都道府県で唯一、平均年齢が下がった。
総務省統計局が作成した人口推計(2024年10月1日現在)に基づいて算出した「65歳以上人口比率」は、最高が秋田県39.50%、2位は高知県36.64%の順で高く、社長平均年齢と同じ順位だった。一方、平均年齢が低い広島県は30.36%で35位、大阪府は27.61%で41位と低く、人口構成と社長の平均年齢に相関関係がうかがえる。
