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上場企業「新型コロナウイルス影響」調査 (7月15日時点)

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公開日付:2020.07.16

 新型コロナウイルス感染者数が再び増勢に転じ、「第2波」への警戒感が高まっている。消費回復の起爆剤として期待を集めた政府の消費支援策「Go Toキャンペーン」(7月22日~ )は、感染者数拡大で実施論議が巻き起こり、感染拡大防止との間で難しい舵取りが続く。
 一方、コロナ関連倒産は7月15日までに327件に達した。飲食業や宿泊、アパレル関連など、消費関連業種が多く、「新しい生活様式」への早急な対応も大きな課題に浮上している。
 7月15日までに、新型コロナの影響や対応などを情報開示した上場企業は3,518社に達した。
 これは全上場企業3,789社の92.8%を占める。業績の下方修正は980社で、上場企業の4分の1(構成比25.8%)に達し、このうち278社が赤字だった。
 下方修正額のマイナス分は合計で、売上高が6兆9,169億円、利益も4兆1,818億円にのぼった。
 2020年3月期決算2,403社のうち、2,394社(99.6%)が決算短信を発表し、未発表は9社を残すのみとなった。2020年3月期決算では、約6割(58.7%)の企業が減益で、新型コロナの利益押し下げは強烈だった。次期(2021年3月期)の業績予想は、6割(59.9%)が「未定」としている。

  • 本調査は、2020年1月23日から新型コロナの影響や対応など全上場企業の適時開示、HP上の「お知らせ」等を集計した。、HP上の「お知らせ」等を集計した。
    「影響はない」、「影響は軽微」など、業績に影響のない企業は除外。また、「新型コロナウイルス」の字句記載はあっても、直接的な影響を受けていないことを開示したケースも除外した。前回発表は7月2日(7月1日時点)。

ファーストリテイリング 売上下方修正は合計3,500億円に

 情報開示した3,518社のうち、決算短信や月次売上報告、業績予想の修正などで新型コロナによる業績の下振れ影響に言及したのは1,719社だった。一方、「影響の懸念がある」、「影響を精査中」、「影響確定は困難で織り込んでいない」などの開示は1,174社だった。
下振れ影響を公表した1,719社のうち、980社が売上高や利益の減少などの業績予想、従来予想と実績との差異などで業績を下方修正した。業績の下方修正額のマイナスは合計で、売上高が6兆9,169億円、最終利益が4兆1,818億円に達した。

 「ユニクロ」を展開する(株)ファーストリテイリング(東証1部)は7月9日、2020年8月期第3四半期決算を発表した。通期決算の売上見通しを前回予想から1,000億円、当期利益を150億円、それぞれ下方修正した。同社は4月9日、「新型コロナウイルス」感染拡大に伴う海外店舗の臨時休業(当時412店舗)を理由に、売上を2,500億円、当期利益を650億円引き下げた。
 その後、日本国内でも緊急事態宣言等で影響が広がり、減収減益幅が拡大し、売上下方修正額(合計▲3,500億円)は、下方修正した980社のうち、3番目に大きい下方修正額となった。

業績下方修正額の推移(累計)

業績下振れは半数にせまる

 新型コロナウイルスの影響・対応を分類すると、業績への下振れ影響は1,719社と、上場企業(3,789社)の45.3%と約半数にせまった。
 このほか、決算発表の延期は741社と上場企業の2割(19.5%)に達する。3月期決算以降の決算期でも決算発表の延期を公表する企業が相次いでいる。また、従業員感染の公表が380社だった。現場でのクラスターが発生した大手ゼネコンなど、感染の再拡大で従業員の感染を公表するケースも再び増えつつある。
 一方、その他(1,026社)のうち、新型コロナウイルスの影響がプラス効果になっていると公表したのは210社だった。マスク・消毒液などの需要増がメーカーや小売店への業績に寄与したケース、「巣ごもり消費」による内食需要の増加、テレワーク需要によるPCサプライ製品やソフトなどの販売増が中心。

  

2020年3月期決算、未公表は2,403社中9社

【2020年3月期決算】
 7月15日までに、2020年3月期決算の上場企業2,394社(3月期決算の上場企業の99.6%)が決算短信を公表した。決算作業や監査業務の遅延などを主な理由に、9社が未公表となっている。  決算発表した2,394社のうち、最多は「減収減益」で902社(構成比37.6%)。次いで、「増収増益」が701社(同29.2%)だった。増収企業(1,206社、50.3%)と減収企業(1,188社、49.6%)は拮抗したが、利益面では減益企業(1,407社、58.7%)が増益企業(987社、41.2%)を17.5ポイント上回った。  人件費などのコストアップに加え、新型コロナの影響を受けた減損や繰延税金資産の取り崩しによる損失計上が利益の下振れ要因となった。>

【2021年3月期決算見通し】
 次期(2021年3月期)の業績予想は、2,394社のうち、約6割の1,434社(構成比59.9%)が、決算発表時点では「未定」として開示していない。新型コロナによる経営環境の激変で、業績予想の見通しが立たず、算定が困難としている。一方、次期の業績予想を開示した960社のうち、最多は「減収減益」の404社で、約4割(42.0%)を占め、厳しい経営環境を予想している。

2021年3月期決算見通し

10年ぶりのハイペースが続く「早期・希望退職」、8社がコロナ影響を要因

 新型コロナ対応の「資金調達」は226社、総額は10兆2,234億円
 新型コロナに備えた対応策として、運転資金の確保や手元資金を厚くする動きが広がっている。7月15日までに確認された資金調達を公表した企業は226社で、調達額の総額は10兆2,234億円にのぼった。1,000億円以上の調達はトヨタ自動車の1兆2,500億円を筆頭に27社で、このうち6社が自動車メーカーだった。調達金額レンジでは、10億円以上100億円未満が112社(構成比49.5%)と、約5割を占めた。
 業種別では製造業が最多の68社(同30.0%)。次いで、サービス業の59社(同26.1%)、小売業52社(同23.0%)と、外食産業やアパレル販売、旅行業など新型コロナの影響が直撃した消費関連の業種が続き、上位3業種で179社(同79.2%)と約8割を占めた。 

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